パーツ取付・交換
更新日:2020.09.28 / 掲載日:2020.09.28
タイヤの皮むきって何?必要性と効率的な「慣らし」方法を解説
「タイヤの皮むきって一体なに?」
「皮むきをすることで得られる効果を具体的に知りたい」
タイヤの皮むきという言葉を初めて聞いた方は、そんな疑問を抱いているのではないでしょうか?
タイヤの皮むきは、グリップ力が上がり、事故防止につながります。
今回は、タイヤの皮とは何か?という基本的な解説から、むくための効率的な「慣らし」方法までを解説していきます。業者に依頼しなくても自分でできる簡単な作業なので、ぜひ本記事を参考にして愛車のタイヤの皮をむいてみてください。
タイヤの皮とは、表面に付着している離型剤のことです。離型剤は、製品と型を外しやすくするためのワックスです。タイヤは粘着性が高く離型が難しいため、離型剤が使われています。
主な離型剤に、オイル/シリコン型、ワックス型、界面活性剤、フッ素系があります。
なお、離型剤には離型をしやすくするだけでなく、タイヤの劣化を抑える効果もあります。タイヤはゴムでできているので、空気に触れると酸化していきますが、離型剤が表面を覆うことでそれを防ぐのです。
タイヤの皮むきが必要な理由
離型剤はワックスのようなものなので、そのままだとツルツル滑ってしまいます。これを剥がすための作業が「皮むき」です。
皮むきをすることでタイヤのゴムが表に出て、タイヤ本来のグリップ力を発揮します。
皮は新品のタイヤに付着しているものなので、タイヤを新品に交換したら皮むきが必要になります。
タイヤの皮むき方法
タイヤの皮は、慣らし運転によってむくことができます。そのほか、ブラシを使ってむく方法もあります。
皮むきに必要な慣らし運転の距離ですが、特に明確な基準はありません。走行する場所によって、タイヤの摩耗度合いが変わるからです。例えば、直線が多い場所では皮がむけるまで時間がかかりますし、カーブが多い場所なら、比較的短時間で皮むきが完了するはずです。
また、運転の仕方や使用するタイヤの種類によっても、皮むきに必要な距離は変わります。
ちなみに、サーキットでは慣らし運転で1~2周走り、皮むき作業も同時におこないます。走行による摩擦でタイヤに熱が加わり、1~2周でもグリップ力が出てきます。
ブラシを使う場合は、中性洗剤をブラシにつけて、タイヤの表面を軽く洗い流します。このとき、中性洗剤以外は使用しないでください。ひび割れの原因となり、劣化が早まる可能性があるからです。
皮むきよりも「温度」「油分」が重要?
タイヤの状態によっては、温度や油分に注意すべきケースもあります。特に中古の場合、タイヤをきれいに見せるために、油分のあるワックスやケミカルが塗られていることがあります。これは、しっかり落とすべきです。
また冬場で気温が低い時や、長時間放置していて表面が硬くなっている場合も注意が必要です。
新品に限りませんが、タイヤをグリップさせるにはしっかり温めることが大切です(※サーキット走行を想定した話で、公道ではそこまでタイヤに熱を入れる必要はありません)。
まとめ
いかがでしたか?タイヤの皮むきの目的は、グリップ力を上げることです。
新品のタイヤの場合は離型剤を、中古の場合はワックスやケミカルを落とすために、慣らし運転もしくは洗剤で皮むきをしましょう。
とはいえ、最近のタイヤは改良が進んでいるため、皮むきをしなくても走行に大きな影響はありません。
ただしサーキットなどシビアな環境では、タイヤの皮むきは必須です。タイヤメーカーも、新品タイヤの本来の性能を発揮させるために、慣らし運転を推奨しています。
新品のタイヤは、皮むきが必要であることを覚えておきましょう。