オイル交換
更新日:2025.07.29 / 掲載日:2018.08.29
オイル交換は何キロ過ぎたらやばい?走行距離別のリスクと交換推奨時期

オイル交換は、車の寿命や走行性能を左右する大切なメンテナンスです。つい後回しにしてしまい、気づけば走行距離が数千キロ超えていた……という人は多いのではないでしょうか。
オイル交換の時期を大きく過ぎてしまうと、燃費が悪化したり、エンジンが故障したりするリスクが高まります。
そこでこの記事では、走行距離ごとに考えられる影響や、いつ交換すべきかの目安、オイル交換を安心して任せられる業者の選び方まで、わかりやすく解説していきます。
1. オイル交換の推奨時期を超えていたら、すぐに交換しよう

オイル交換の推奨時期を過ぎてしまった場合は、できるだけ早く交換しましょう。
オイルは走行距離や経過時間に応じて劣化していき、本来の性能を発揮できなくなります。そのまま走行し続けると、燃費が悪くなったり、エンジンに余計な負担がかかったりと、さまざまなトラブルの原因になります。
なお、すでにエンジンに負荷がかかっている恐れもあるため、整備業者に相談して交換してもらうのが安心です。
2. オイル交換の推奨時期を過ぎた場合のリスク
オイル交換の推奨時期を過ぎてしまっている場合、その超過距離に応じてエンジンへの影響も変わってきます。
ここでは、走行距離ごとに起こりやすいリスクを整理しました。今の走行状況と照らし合わせながら、必要に応じてすぐに対処しましょう。
(1) 500〜1,000kmオーバーの影響
500〜1,000kmほどオーバーしている程度であれば、目立った不具合がすぐに起きるケースはまれです。
ただし、オイルの劣化は進行しており、潤滑・冷却・清浄といった基本性能は低下している状態です。このまま走り続けると、オイルの性能はさらに低下するため、エンジン内部にダメージを蓄積しています。
少しくらい大丈夫と思わず、早めに交換しておくのが安心です。
(2) 2,000〜5,000kmオーバーの影響
2,000kmを超えてもオイル交換を先延ばしにすると、オイルの粘度低下や酸化、不純物の蓄積が進みます。その影響で、エンジン内部は摩擦や熱が増え、各部に余計な負荷がかかるようになります。
この段階になると、燃費の悪化・加速の鈍さ・異音の発生など、体感できる不調が出てくることもあります。コンディションがよかったエンジンでも、徐々に性能が落ちてしまうでしょう。
「オイル交換は5,000kmを超えても大丈夫」という意見も見かけますが、車種や使い方によって状況は異なります。安心して走行を続けるためにも、早めに交換することをおすすめします。
(3) 10,000km以上オーバーの影響
10,000km以上もオイル交換せずに走り続けた場合、オイルはさらに劣化し、エンジン内部にはカーボンやスラッジが大量に蓄積されます。その結果、オイルが溶けたチョコレートのように粘り気のあるオイルに変化していきます。
この状態を放置すると、金属摩耗やピストンの焼きつき、エンジンブローなどの修理につながる可能性が高くなります。最悪の場合、エンジン本体の交換が必要になることもあるためすぐに業者に相談し、適切に処置してもらいましょう。
3. 定期的なオイル交換の重要性
定期的なオイル交換は、車を長く快適に乗り続けるうえで欠かせないメンテナンスです。
繰り返しになりますが、オイルは使い続けるうちに劣化し、本来の性能を発揮できなくなってしまいます。その結果、上記で紹介したようなエンジンの不調や故障の原因になります。
ここでは、こうしたトラブルを未然に防ぐために、オイルとオイルフィルターが果たしている役割をご紹介しましょう。
(1) エンジンオイルの役割
オイルには、エンジン内部を正常に保つための重要な役割がいくつもあります。主な役割は、以下の5つです。
1. 潤滑:金属部品の摩擦を低減させ摩耗や焼きつきを防ぐ
2. 密封:シリンダーとピストンの隙間をオイルの被膜で密封し、圧縮効率を保つ
3. 冷却:燃焼や摩擦によって発生した熱を吸収し、エンジンの過熱を防ぐ
4. 洗浄:燃焼により発生する汚れ(スス)や金属粉を取り込み、エンジン内部を清潔に保つ
5. 防錆:エンジン内の金属表面にオイルの被膜を形成し、サビや腐食から守る
これらの役割は、オイルが劣化することで徐々に低下していきます。だからこそ、一定の走行距離や使用期間ごとにオイル交換する必要があります。
(2) オイルフィルターの役割
オイルの性能を維持するうえで、オイルフィルターも重要な役割を担っています。フィルターは、スラッジや金属粉などの不純物を取り除き、オイルを清潔な状態に保ってくれる部品です。
きれいなオイルがエンジン内部を循環することで、潤滑や冷却といった機能も本来の力を発揮しやすくなります。
しかし、フィルターも時間の経過とともに不純物が溜まり、徐々にろ過能力が落ちていきます。
そして、不純物によってフィルターが目詰まりした場合、リリーフバルブという装置が作動し、ろ過されていないオイルがそのままエンジン内部へ流れ込むことになります。
| リリーフバルブとは |
|---|
| オイルフィルターが完全に目詰まりした際に作動する装置。オイルの流れを止めないために、ろ過されていないオイルをそのままエンジンに送る。 |
4. 車種別のオイル交換目安
オイル交換のタイミングは車種や使い方によって異なるため、自分の状況に合った目安を把握しておきましょう。ここでは代表的な判断基準をご紹介します。
(1) 走行距離と使用期間を基準
まず基本となるのが、走行距離と使用期間を目安にした交換タイミングです。
| 目安 | 走行距離 | 使用期間 |
|---|---|---|
| 普通自動車 | 5,000〜10,000km | 6カ月から1年 |
| 軽自動車 | 5,000km | 6カ月 |
軽自動車は普通車よりもエンジンの回転数が高めに設定されているため、オイルへの負担が大きくなります。そのぶん劣化も早いため、交換サイクルは短くなります。
また、オイル交換2回に1回は、フィルターも交換しましょう。
(2) 車種・使用状況・メーカー推奨
距離や期間の目安はあくまで一般的な基準であり、実際の交換タイミングは車の種類や使用環境によって大きく変わります。
たとえば、ターボ車やシビアコンディション(渋滞、短距離、雪道など過酷な走行環境のこと)の走行が多い車は、オイルにかかる負担が大きく、劣化が早まります。
さらに、メーカーによっても推奨されている交換サイクルが異なるため、詳細は取扱説明書やディーラーに確認するのがおすすめです。
(3) オイルランプの点灯

走行中にメーター内のオイルランプが赤く点灯した場合は、オイルが極端に減っている可能性があります。
この状態で走り続けると、潤滑機能が不十分となり、エンジンに深刻なダメージを与える原因になります。すぐに安全な場所で停車し、エンジンを停止したうえで状態を確認しましょう。
なお、応急的にオイルを補充することで走行できる可能性もありますが、オイル漏れやオイル消費、センサー異常などのトラブルが隠れていることもあります。補充で済ませず、必ず整備工場で点検を受けるようにしましょう。
(4) エンジンオイルの色が黒い
オイル交換のタイミングを判断する際は、「オイルの色」をチェックするのも有効な方法です。
新しいオイルは蜂蜜のような透明感のある黄色をしていますが、使用するうちに徐々に黒く濁っていきます。
オイルが濃い茶色や黒に近く、ねばつきや焦げたようなにおいがある場合は、オイルが劣化しているサインです。
色を確認するには、エンジンルーム内にあるオイルレベルゲージを引き抜き、付着したオイルの状態を目視で確認してください。

判断に迷った場合は、整備士に相談することをおすすめします。
5. オイル交換の料金相場と各業者の特徴
オイル交換の費用は、依頼する業者と使用するオイルの種類によって大きく異なります。一見似たような価格でも、サービス内容や使われるオイルに差があるため注意が必要です。
ここでは、代表的な業者の料金相場と特徴を紹介しましょう。
(1) カーディーラー
ディーラーでのオイル交換は、純正オイルを使用し、メーカー基準に沿った適切な整備を受けられるのが強みです。
ほかの業者と比較して費用はやや高めですが、安心感を重視する人には適しています。とくに、新車購入直後や保証期間中であれば、ディーラーでの交換が無難でしょう。
(2) ガソリンスタンド
ガソリンスタンドは、給油ついでに立ち寄れる気軽さが特徴です。
予約不要で対応してくれる店舗も多く、忙しい人でも利用しやすくなっています。
料金は比較的リーズナブルですが、独自ブランドのオイルが使われるケースもあり、品質にバラつきがある点には注意が必要です。利用する前に、どのようなオイルが使われるかを確認しておくと安心でしょう。
(3) 整備工場
地域の整備工場は、柔軟な対応や丁寧な説明に期待できる点が魅力です。
工場によっては、ディーラーよりもリーズナブルな価格でオイル交換できます。
ただし、技術力や使用するオイルの種類は工場によって差があるため、事前に公式サイトや口コミを確認しておくと安心です。
(4) カー用品店
カー用品店は、粘度やグレードの異なるオイルが豊富にそろっており、コストパフォーマンス重視の製品から高性能なオイルまで選べるのが強みです。
ただし、スタッフの知識や技術力に差があるため、事前に評判を確認してから利用するのがおすすめです。
6. オイル交換を依頼する業者を選ぶポイント

業者を選ぶときは、料金の安さだけでなく、以下の3つのポイントも踏まえて判断しましょう。
1. 技術力
2. 信頼性
3. 価格の妥当性
それぞれのポイントについてご紹介します。
(1) 技術力
オイルの粘度や注入量を誤ると、エンジンに思わぬダメージを与えることがあります。とくにエンジン設計に特徴のある車種では、整備士の技術レベルが重要になります。
技術に不安を感じた場合は、「この車に最適なオイルの粘度は?」「交換にはどのくらい時間がかかりますか?」など、基本的な質問を投げかけてみましょう。
しっかりとした回答が返ってくる業者であれば、安心して任せられます。
(2) 信頼性
公式サイトや口コミをチェックすれば、店舗の実績や対応の丁寧さがある程度わかります。
長年営業を続けている店舗や、有資格者の在籍が明記されている業者は、信頼性が高い傾向にあります。
なお、口コミはひとつだけでなく、複数を見比べて判断しましょう。良い評価だけでなく、悪い評価にも目を通し、総合的に判断すると安心です。
(3) 価格の妥当性
料金が安いこと自体は魅力ですが、あまりに安すぎる場合は注意しましょう。
安い代わりに、質の低いオイルが使われていたり、必要な作業工程が省略されていたりする可能性があります。
そのため、「どのオイルを使うのか」「フィルター交換は含まれているのか」「工賃まで含めた総額か」などは、事前に見積もりで確認しておきましょう。
いくつかの業者で見積もりを比較しておけば、価格の相場感も把握できます。
7. オイル交換を安く済ませるコツ
オイル交換の費用を、できるだけ抑えたいと感じている人は多いのではないでしょうか。
信頼性を確保しながら、オイル交換を安く済ませるコツを3つ紹介します。
1. メンテナンスパックに加入する
2. 複数の業者の料金やサービスを比較する
3. 自分でオイル交換する
(1) メンテナンスパックに加入する
オイル交換を安く済ませたいなら、ディーラーが提供する「メンテナンスパック」への加入をおすすめします。
パックにはオイル交換や法定点検などがセットになっており、個別に依頼するよりも費用が抑えられるうえ、整備時期も自動で管理されるため、手間がかかりません。
新車購入時に加入すれば、初回車検までの期間をまとめてカバーできるプランなどもあります。多くのディーラーでは、全国対応しているため、転居後も継続利用できる点も安心です。
作業は国家資格を持つ整備士が担当するため、信頼性とコストパフォーマンスを両立したい人にとって、バランスの取れた選択肢といえるでしょう。
(2) 複数の業者の料金やサービスを比較する
コストを少しでも下げたいと考えている場合は、複数の業者に見積もりを依頼して、料金やサービス内容を比較しましょう。
ただし、価格だけに注目すると、オイルの品質や作業の丁寧さに差が出ます。使用するオイルの種類や整備士の経験、アフターサポートの内容なども総合的に確認することが大切です。
また、時期によっては割引キャンペーンを実施している店舗もあります。タイミングを見て依頼すると、よりお得にオイル交換を済ませられるでしょう。
(3) 自分でオイル交換する
基本的な知識と必要な道具があれば、DIYでもオイル交換できます。
初期投資として工具をそろえる必要はありますが、工賃がかからないぶん、長期的にはコストを大きく抑えられるでしょう。
さらに、オイルの粘度やグレード、メーカーを自由に選べるため、こだわりのある人には最適な方法です。
ただし、車種によって必要なオイル量や作業の難易度が異なります。慣れていない人や不安がある場合は、無理せずプロに依頼することを強くおすすめします。
オイル交換の手順や必要な道具については、以下の記事で詳しく解説しています。興味がある人はぜひ参考にしてください。
8. オイル交換はグーネットピットにお任せください
車の性能を維持するには、適切なタイミングで信頼できる業者にオイル交換を依頼することが重要です。
オイルが劣化した状態で走行し続けると、燃費の低下やエンジンの不調を招く恐れがあります。状況によっては、高額な修理が必要になることもあるため注意が必要です。
とくに、ターボ車やシビアコンディションに該当する場合は、早めの交換を心がけましょう。
グーネットピットでは、車の整備に精通したプロが、オイルの選定から交換まで丁寧に対応しています。お近くの整備工場は、以下のページから簡単に検索できますので、ぜひチェックしてみてください。
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