車検・点検・メンテナンス
更新日:2026.01.21 / 掲載日:2026.01.21
缶スプレー塗装で愛車を綺麗に!失敗しないための基本ステップ

愛車のボディに傷がついて塗装修理したいとき、専門的な道具や設備がなくても実践できるのがスプレー缶塗装によるDIYです。しかし、缶スプレー塗装にはデメリットもあり、キレイな仕上がりを目指すためには正しい知識と手順が不可欠です。
この記事では、缶スプレー塗装のメリット・デメリットから必要な道具、下準備、塗装の手順、塗装を長持ちさせる方法まで、失敗しないための基本ステップを解説します。
1. 缶スプレーで車を塗装するメリット・デメリット
車の缶スプレー塗装には、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?両方を知った上で、DIYに挑戦するのか専門業者に依頼するのかを考えていきましょう。
(1) メリット
缶スプレー塗装はそろえる必要がある道具は多いものの、エアコンプレッサーやハンドピースなど専用機材が不要なため、DIY初心者の人でも気軽に挑戦できます。いずれの道具も数百~数千円程度で手に入るという点から、プロに依頼するよりも低コストで塗装できるというメリットもあります。
(2) デメリット
缶スプレーでDIY塗装する場合のデメリットは、色ムラの発生やボディとスプレー缶の色の不一致などが起こりやすい点です。プロ並みの仕上がりを実現するのは難しく、失敗時の再塗装で追加の時間や費用がかかってしまう可能性があります。
また、缶スプレーは広い面積への塗装が不向きです。ボディ全体に塗装をしたい場合は、専門業者に依頼することをおすすめします。
2. 缶スプレーで車を塗装する手順
缶スプレーで車の塗装を行う手順とポイントを解説します。
なお、塗装作業は、湿度が高くなく気温もちょうどよい日に行うことをおすすめします。一つの目安として、気温は20℃前後、湿度は30〜70%がベストだと考えてください。湿気が多いと塗料が乾きにくく、気温が低いと塗料の乾燥時間が長くなります。逆に気温が高いと、塗料が急速に乾燥しすぎてしまい、表面のザラつきの原因となることがあります。
また、塗料の成分を吸い込まないためにも、必ず換気の良い場所で行いましょう。
(1) 缶スプレー塗装に必要な道具を用意する
缶スプレーで車を塗装するためには、いくつかの道具が必要です。ここでは、塗装作業をスムーズに進めるために欠かせないアイテムをご紹介します。
① マスキングテープ
マスキングテープは、塗装したくない部分に塗料が付着するのを防いだり、塗装したい部分との境界線をきれいに仕上げたりするために使用します。マスキングテープを選ぶ場合は、塗装中に剥がれないように十分な粘着力があるものや、車体の曲面に貼り付けられる柔軟性があるタイプを選びましょう。
マスキングテープの幅は細いものから太いものまでさまざまありますが、塗装範囲に応じて選んでください。
② 新聞紙
新聞紙は主に、塗装しない部分(窓ガラス、ゴムモール、タイヤ、ボディの隙間など)に貼り付け、塗料の付着を防ぐ養生材として使用します。他にも、床や壁に敷き詰めて塗料の垂れや飛び散りによる汚れを防ぐのにも役立ちます。
③ マスカーテープ
マスカーテープはテープとビニールシートが一体になったタイプの道具で、塗装したい部分の周囲をピンポイントで覆い、それ以外の場所への塗料の付着を防ぐのに使用します。広範囲の養生や、複雑な形状の部分を保護する際に重宝する道具です。
④ シリコンオフ
シリコンオフは、ボディの塗装作業を行う前に施工箇所の表面に付着した油分や汚れを取り除くために使用されます。油脂を除去することで塗料の密着性を高め、仕上がりの質を向上させることができます。
⑤ プラサフ
プラサフ(プライマーサーフェイサー)は、塗装の密着性を高めて下地を平滑にするために使用される下塗り塗料です。
⑥ 耐水ペーパー
耐水ペーパーは、塗装部分の表面をならすために使用します。この工程によって塗料の密着性を高めます。耐水ペーパーは#400~#1500と番号が大きくなるほど目が細かくなります。
⑦ ボカシ剤
ボカシ剤は塗装部分の「境界線」を目立たなくするために使用します。缶スプレーで部分的に塗装を行った場合、新しい塗料と元の塗装の境目に塗り跡ができてしまい、仕上がりが悪く見えることがあります。この塗り跡を自然に馴染ませるために、ボカシ剤を使用します。
⑧ コンパウンド
コンパウンドは塗装の最終工程で、表面を滑らかに研磨するための道具です。コンパウンドは粒度によって粗目・中目・細目・極細目・ツヤ出しと5種類に分けられます。粗目は研磨力が高いため、塗装面の大きな凹凸や傷の除去に向いています。細目は細かい傷の除去、極細目は艶出しや仕上げに用いられます。
それ以外にも、液状とペースト状、水性と油性などさまざまな種類があり、用途に応じて最適なコンパウンドを選ぶことが重要です。
⑨ 脚立
脚立は必須ではありませんが、ルーフなど手の届きにくい高い場所を塗装する際に、安定した足場を確保するために役立ちます。
⑩ カラースプレー
カラースプレーは車の塗装に欠かせません。車のボディカラーに合わせたカラースプレーを選びましょう。
⑪ クリアスプレー
クリアスプレーは、塗装面を保護し、美しい光沢を与える役割があります。また、カラー塗装のムラをぼかす効果も期待できます。ウレタン系やアクリル系、艶のありなしなど種類も多いため、ボディに合わせて選ぶようにしましょう。
⑫ ハケ
ハケは小さな傷や細かい部分のタッチアップ塗装を行う際に便利です。
⑬ ローラー(ならびにローラーハンドル)
ローラーは、広範囲を均一に塗るために使用します。ローラーハンドルは、塗装したい場所に合わせて長さを調整できる伸縮タイプを選ぶと作業効率が格段に向上します。
⑭ バケツ
バケツは、塗料に使用する道具を入れたり塗装後の後片付けで活躍します。塗装作業に必須というわけではありませんが、作業を円滑に進める道具として用意しておくことをおすすめします。
(2) 念入りに洗車する

必要な道具をそろえたら、下地処理を行います。缶スプレーで車をきれいに塗装するためには、下地処理が最も重要と言っても過言ではありません。下地処理を怠ると、塗料が剥がれたり、塗装面にブツブツができたりするなど、仕上がりに大きく影響します。
下地処理では、まず洗車を念入りに行います。塗装面の汚れやホコリ、油分などをしっかり除去することで、塗料の密着性を高め、仕上がりを美しく保つことができます。
車体全体に水をかけ、カーシャンプーを使うなどして大きな汚れやホコリを洗い流します。特に、汚れが溜まりやすいドアの下部やバンパー周りなどは、丁寧に洗いましょう。その後、吸水性の高いきれいなタオルで、水分を素早く拭き取ります。水分が残っていると、シミの原因になることがあります。
また、表面に触れた際にざらつきがある場合には、鉄粉を除去する必要があります。鉄粉の除去には、鉄粉除去剤や鉄粉取り粘土を使いましょう。
(3) シリコンオフによる脱脂作業を行う
油分やワックス分を徹底的に除去する脱脂作業を行います。この工程を怠ると、塗料がボディにしっかり定着せず、剥がれやムラの原因となってしまいます。シリコンオフは対象面の油分・汚れにダイレクトで吹きかけ、その後ブラシなどでこすりつつ拭き取ります。その後、表面が完全に乾くまで待ちましょう。
(4) 塗料を付着させたくない場所を養生する

マスキングテープ、新聞紙やマスカーテープを使い、塗装する部分以外の車体や窓ガラス、ゴムモールなど塗料を付着させたくない場所を養生します。テープのラインがそのまま塗装面になるので、養生面がガタガタにならないよう丁寧にテープを貼っていきましょう。接着面に塗料が入り込まないよう、タオルや手でしっかりテープを押さえてください。
(5) 耐水ペーパーを使って「足付け(目荒らし)」を行う
「足付け」や「目荒らし」とは、あえて塗装部分の表面に細かい傷をつける作業です。この作業により、塗装面と塗料の密着性を高めることができます。足付けでは#400~#800の耐水ペーパーを使い、ボディの表面の光沢がなくなるまで均一に傷をつけていきましょう。
(6) プラサフを塗装部分に吹きかける
プラサフを塗装部分に均等に吹きかけます。これにより、下地と塗料の密着性を高めて塗装面の平滑性を向上させることができます。
(7) 耐水ペーパーを使って慣らし作業を行う
プラサフを吹きかけた状態の表面には、塗料の垂れや凹凸が生じることがあります。これらを滑らかにするために、耐水ペーパーを使った慣らし作業を行います。プラサフが十分に乾いたら、#800~#1500の耐水ペーパーで軽く研磨して表面を整えましょう。
(8) ボカシ剤を塗る
塗装する前にボカシ剤をスプレーしておくことで、塗装時に発生するザラつきを抑えることができます。大量にスプレーするのではなく、薄く均一にスプレーするようにしましょう。
ボカシ剤を塗ったあと、いよいよカラー塗装の工程に入りますが、カラー塗装はボカシ剤が乾燥しきらないうちに行いましょう。ボカシ剤は、塗装する塗料と既存の塗装の色の境目を馴染ませる役割を持っています。このボカシ剤が完全に乾燥してしまうと、色の境目がくっきりと残ってしまいます。
(9) 缶スプレーをしっかり振る
缶スプレーを使用する前に、「カシャカシャ」と音が立つくらいよく振ってください。メタリックの塗料やパール素材、マイカカラー(マイカの粒子を混ぜ込んだ塗料)は、色ムラが発生しやすいので特に念入りに振りましょう。
(10) スプレー缶を平行に動かして重ね塗りする
缶スプレーで車を塗装していきます。塗装時に重要なのは、塗料を均一に吹き付けることです。スプレー缶は塗装する面に対して常に平行に保ち、一定の速度で動かしながら重ね塗りを行っていきましょう。
また、スプレーは一度に厚塗りせず、薄く数回に分けて重ね塗りを行うことで、塗料の垂れを防ぎ均一な塗膜を作ることができます。一回目の塗装が終わったら、完全に乾燥する前に、次の塗装は前の塗装面を少し重ねるようにして吹き付けます。この「重ね」の部分で、塗装ムラができにくくなります。
車のボディ全体を缶スプレーで塗装する場合、一度に全体を仕上げようとすると塗料の乾燥ムラや塗り重ねた部分の段差が生じやすくなります。塗装範囲が広い箇所は、ボンネット、ドア、フェンダーなど塗装部分を「パネル」に分けて塗装していきましょう。
(11) クリア塗装をする
スプレー塗装の完了後、2~5分ほど時間を置いてクリア塗装を行い、塗装部分の保護を行います。クリア塗装はスプレー塗装より広い範囲に行い、3~5回重ね塗りをしていくことで光沢感を出すことができます。
(12) もう一度ボカシ剤を塗る
スプレー塗装、クリア塗装が済んだ後、もう一度ボカシ剤を吹きかけていきます。スプレー塗装部分の外周にあるザラザラした部分が濡れたような状態になるまで、まんべんなくボカシ剤を吹きかけていきましょう。
ボカシ剤を塗ったあと、完全に乾燥したら塗装作業は完了です。もしも表面にザラつきや段差などがあれば、コンパウンドで優しく研磨してツヤを出しましょう
3. 車の塗装を劣化させない方法
車の塗装をキレイな状態で保つには、主に3つの方法があります。
(1) カーポートを設置する
屋外駐車で最も塗装の劣化を早める要因となるのが、太陽光に含まれる紫外線や雨、風、そして砂埃などの外的要因です。これらは塗装表面のツヤを失わせるだけでなく、ひび割れや剥がれの原因にもなり得ます。
これらの外的要因から愛車を保護する有効な手段の一つが、カーポートの設置です。頻繁に洗車ができない人や、長期間車をきれいに保ちたいと考えている人は、カーポートの設置を検討してみてください。
(2) ボディカバーをかける
愛車を屋外で保管している場合、ボディカバーは塗装を守る有効な手段の一つです。特に、直射日光や雨風、砂埃などから塗装面を保護する効果が期待できます。ボディカバーを選ぶ際は、脱着時にボディを傷つけない素材を選ぶことや、ボディにフィットするサイズを選ぶようにしましょう。
(3) ボディコーティングを施す
車の塗装を劣化から守るためには、ボディコーティングの施工が非常に有効です。ボディコーティングは、塗装表面に強固な保護膜を形成し、紫外線や酸性雨、鳥のフンなどの外部からのダメージを防ぐ役割を果たします。
4. 車を塗装するときにおすすめの缶スプレー
DIYで車の缶スプレー塗装に初めて挑戦する場合、どのような製品を選べば良いか迷うことも多いでしょう。ここでは、初心者でも扱いやすく、仕上がりの美しさも期待できる代表的な缶スプレーを2種類ご紹介します。
(1) ボデーペン|SOFT99

SOFT99(ソフト99)は1954年創業の企業で、カーワックスやカーペイント、カーケア商品を幅広く製造・販売しています。同メーカーのストレートアクリル樹脂塗料「ボデーペン」は、扱いやすくキレイにスプレーができ、広範囲の塗装から小さい部分の補修までさまざまな用途に向いています。
カラーバリエーションも多いため、皆さんの愛車にぴったりなカラーもきっと見つかります。
| 商品名 | 特徴 | 容量 | 価格 |
|---|---|---|---|
| ボデーペン(スプレー塗料) | カラーバリエーション豊富な定番の缶スプレー | 300ml | 1,476円(税込) |
・「ボデーペン(スプレー塗料)」の公式ページ
・「ボデーペン(スプレー塗料)」の公式販売ページ
(2) アンチラストペイント300|Holts

Holts(ホルツ)は1919年創業の企業で、自動車補修の商品を多く販売しています。同メーカーの「アンチラストペイント300」は防錆効果や耐候性が高く、光沢感も強いためバンパーなどの塗装にも向いています。自動車メーカーの車種の純正色に合わせてカラーが調整されているため、マイカーに合った色味を探しやすいというメリットもあります。
| 商品名 | 特徴 | 容量 | 価格 |
|---|---|---|---|
| アンチラストペイント300 | 防錆効果、高耐候性があり光沢感が強い | 300ml | 1,738円(税込) |
・「アンチラストペイント300」の公式ページ
・「アンチラストペイント300」の公式販売ページ(Amazon)
5. 缶スプレーで車を塗装するときによくある質問
(1) 缶スプレーで塗装するときの足付けとはなんですか?
車の缶スプレー塗装における「足付け(あしつけ)」とは、塗装する面の表面を軽く研磨して、塗料の密着性を高めるための下地処理を指します。塗料が剥がれにくくするために、表面にわずかな傷(足場)を作るイメージです。
(2) 缶スプレーで車を塗装するときは何回塗り重ねればいいですか?
缶スプレーで車を塗装する際、何回塗り重ねるのが適切かは使用する塗料の種類にもよりますが、一般的には3~5回の重ね塗りが推奨されています。一度に厚塗りするのではなく、複数回に分けて塗っていくことで、均一で美しい仕上がりになるほか、色合いに深みが増します。また、スプレー塗装では1回ごとに15~30分程度の乾燥時間を設けましょう。
(3) 缶スプレーで上手に塗装するにはどうしたらいいですか?
缶スプレーで車を上手に塗装するには、以下の4点を意識するようにしましょう。
・湿度があまり高くない、気温が暑すぎず寒すぎず、風が強くない日に行う
・塗装がしっかりなじむよう、下地処理を丁寧に行う
・スプレー缶をよく振って、ボディと15~30cm離れたところから吹きかける
・スプレーは薄く均一に重ね塗りすることを心がける
6. 車の塗装を検討している人はグーネットピットをご活用ください
缶スプレーによるDIYは低コストでできる反面、必要な準備が多く失敗しないために気をつけるポイントもたくさんあります。愛車の塗装を完璧に行いたいという人は、専門業者に相談することをおすすめします。
これから業者を探す人は、ぜひ「グーネットピット」をご活用ください。全国の整備工場やカーショップの中から、レビュー評価を参考にしながら業者を探すことが可能です。
