車検・点検・メンテナンス
更新日:2025.10.22 / 掲載日:2025.10.08

車のマーク(標識)の意味と種類を解説|初心者・高齢者・障害者標識まとめ

車に貼る「マーク」といえば、初心者マークを思い浮かべる人が多いかもしれません。実際には高齢運転者マークや聴覚障害者マーク、身体障害者マークといった複数のマークがあります。これらは単なる目印ではなく、法律で表示が義務付けられているものや、努力義務として周囲の配慮を促すものもあります。

ここでは各マークの意味や対象者、義務や罰則、貼り方のルールまで整理し、正しく理解できるよう解説します。

1. 車に表示する4種類のマーク(標識)

車に取り付けるマークには「初心運転者標識」「高齢運転者標識」「聴覚障害者標識」「身体障害者標識」の4種類があります。

マークの名称正式名称対象
初心者マーク初心運転者標識普通・準中型自動車の免許を取得して1年未満の人
高齢運転者マーク高齢運転者標識70〜75歳未満 努力義務
(加齢に伴って生ずる身体機能の低下が運転に影響を及ぼすと考えられる場合)
75歳以上 努力義務
聴覚障害者マーク聴覚障害者標識政令で定める聴覚障害があり、条件付きで普通・準中型免許を受けている人
身体障害者マーク身体障害者標識肢体不自由などで運転免許に条件が付与されている人
表示は努力義務

いずれの標識も周囲の運転者に状況を知らせ、安全を確保し、事故を防ぐために設けられています。

2. 初心運転者標識(初心者マーク)

黄色と緑を組み合わせた「若葉マーク」は、正式には「初心運転者標識」と呼ばれます。

数ある車マークのなかでもっとも知られており、免許を取得したばかりのドライバーが必ず表示しなければならない標識です。

(1) 表示対象者

初心運転者標識は、準中型自動車または普通自動車の免許を取得して、1年未満の人が対象です。免許の効力停止期間はこの1年に含まれません。

2020年12月から、準中型免許を新たに取得した人は、普通自動車を運転する際にも表示が必要になりました。

(2) 表示義務と罰則

初心運転者標識の表示は法律で義務付けられており、違反すると罰則があります。

反則金:準中型車は6,000円、普通自動車は4,000円
行政処分:違反点数1点

(3) 表示対象自動車

表示の対象となるのは、普通自動車・軽自動車・準中型自動車です。二輪車や小型特殊は含まれません。

3. 高齢運転者標識(高齢運転者マーク)

高齢運転者標識には、現在の主流である「四つ葉のクローバー型」と、以前から使われてきた「もみじ型」の2種類があります。

2011年2月に導入されたクローバーデザインは、緑と黄色を組み合わせた配色で、加齢に伴う運転への影響を周囲に知らせる役割を担っています。

(1) 表示対象者

高齢運転者標識の対象は、普通自動車を運転できる70歳以上のドライバーです。

(2) 表示義務と罰則

高齢運転者標識の表示義務は、以下のとおりです。

70歳以上75歳未満:表示義務なし(努力義務)
加齢に伴って生ずる身体機能の低下が、運転に影響を及ぼすと考えられる場合に任意で表示する
75歳以上:表示義務なし(努力義務)
(2009年4月24日に、道路交通法の一部を改正する法律(平成21年法律第21号)により、罰則が適用されなくなり、努力義務となった)

(3) 表示対象自動車

表示の対象となるのは、普通自動車や軽自動車など、一般的な自家用車全般です。二輪車、小型特殊は含まれません。

4. 聴覚障害者標識(聴覚障害者マーク)

蝶をかたどった形で知られる「聴覚障害者標識」は、聴覚に障害のあるドライバーが運転していることを周囲に示すマークです。

(1) 表示対象者

対象となるのは、政令で定める程度の聴覚障害があり、条件付きで普通自動車や準中型自動車の免許を受けている人です。

具体的には、補聴器を用いても10メートル離れた場所で90デシベルの警音器の音が聞こえない程度の聴力の場合が該当します。

表示対象者は「特定後写鏡(ワイドミラー)」を車に装着したうえで、この標識を表示する必要があります。

(2) 表示義務と罰則

聴覚障害者標識は表示が法律で義務付けられた標識です。表示せず運転した場合は違反となり、罰則の対象になります。

反則金:準中型車は6,000円、普通自動車は4,000円
行政処分:違反点数1点

(3) 表示対象自動車

表示の対象となるのは、普通自動車および準中型自動車です。軽自動車も含まれますが、二輪車や小型特殊自動車には、表示義務はありません。

5. 身体障害者標識(身体障害者マーク)

四つ葉に似たデザインから「クローバーマーク」や「四つ葉マーク」と呼ばれることもあるのが身体障害者標識です。肢体不自由など身体に制約のあるドライバーが運転していることを周囲に伝える目的で設けられています。

(1) 表示対象者

表示の対象は、肢体不自由を理由に、運転免許へ条件が付与されている人です。腕や脚の機能に制限があるなど、身体的な特性から通常の操作に配慮が必要なドライバーが該当します。

(2) 表示義務と罰則

身体障害者標識の表示は、初心運転者標識や高齢運転者標識(75歳以上)、聴覚障害者標識とは異なり努力義務とされています。表示しなくても罰則はありません。

(3) 表示対象自動車

表示の対象となるのは、普通自動車や軽自動車など、一般的な自家用車全般です。準中型自動車や二輪車、小型特殊は含まれません。

6. マークの表示位置と貼り方のルール

車のマークの表示位置には、明確なルールが定められています。誤った場所に表示すると、表示義務を果たしていないとみなされ、違反になる可能性があります。

ここでは、正しい表示位置や避けるべき貼り方、複数のマークを併用する際の注意点を解説します。

(1) マークの表示位置

道路交通法施行規則により、標識は車体の前面と後面の両方に取り付ける必要があります。

取り付け高さは地上0.4m以上1.2m以下で、後続車や対向車から見やすい場所であることが条件です。一般的にはボンネットやトランクに取り付けるのが無難です。

(2) 貼付位置の禁止例

貼付が禁止されている代表的な位置は、フロントガラス(運転席側)の内側や、ヘッドライト・ブレーキランプなど灯火類に重なる部分です。

フロントガラスや運転席、助手席のドアガラスなど視界を妨げる場所も禁止です。運転者や周囲の安全を損なう可能性があるため、必ず決められた位置に表示しましょう。

(3) 複数マークの併用可否

高齢運転者標識と初心運転者標識のように、両方の条件に当てはまるときは複数のマークを併用できます。

たとえば70歳以上で免許取得から1年未満の場合、両方を表示しても問題ありません。ただし、マーク同士が重ならないよう、それぞれがはっきりと見える位置に表示することが重要です。

7. マークの購入方法と種類別の特徴

標識マークは、免許取得時に渡される場合もありますが、その後必要になったときは自分で購入します。

ここでは購入できる場所や、種類ごとの特徴についてご紹介しましょう。

(1) 購入場所(カー用品店・免許センター・通販)

標識マークは次のような場所で購入できます。

・カー用品店
・免許センターや警察署
・通販サイト

価格は数百円〜1,000円前後と手頃です。

(2) 種類別の特徴(マグネット式・吸盤式・ステッカー式

市販されているマークには、マグネット式と吸盤式とステッカー式の3タイプがあります。

マグネット式

ボンネットやトランクなど車体に磁石で貼り付けるタイプで、着脱簡単なのが特徴です。複数の車で使い回したいときや、必要なときだけ取り付けたい場合に便利です。ただし、樹脂製パネルやアルミボディの車では装着できないケースがあります。

吸盤式

車の窓ガラスに取り付けるタイプで、ボディ素材に左右されず使用できるのが利点です。吸着面が汚れると外れやすいため、定期的な清掃が必要になります。また、貼り付けはリアガラス専用であり、フロントガラスへの貼り付けは違法となるため注意が必要です。

ステッカー式

シールのように貼り付けられるため、樹脂製やアルミ製のボディなど素材に関係なく使用できるタイプです。ただし、長期間貼り付けたままにすると日焼け跡が残る可能性があります。

8. 周囲ドライバーの遵守事項と違反行為

初心運転者標識や高齢運転者標識、聴覚障害者標識、身体障害者標識を表示した車に対しては、周囲のドライバーに「初心運転者等保護義務」が課せられています。

これは、危険防止のためやむを得ない場合を除き、幅寄せや車間距離を詰める割り込みといった行為を禁止するものです。

違反した場合、反則金は大型車で7,000円、普通車や二輪車で6,000円、小型特殊で5,000円が科され、行政処分として違反点数1点が加算されます。

9. 車のマークに関することはグーネットピットにご相談ください

初心運転者標識や高齢運転者標識、聴覚障害者標識、身体障害者標識は、それぞれ対象となるドライバーに合わせて定められた重要な標識です。

単なる目印ではなく、法律で表示が義務付けられているものや努力義務として周囲の配慮を促すものもあります。自身の安全だけでなく、周囲のドライバーや歩行者の安心にもつながります。

ただし、マグネットが付かないボディや視界を妨げない取り付け位置など、車両ごとに注意点もあります。もし、マークの表示に不安があるときは、点検や整備の際にプロに相談しておくと安心です。

グーネットピットなら、お近くの整備工場を簡単に探せるので、マークの取り付けを含めた安全なカーライフの準備にも役立ちます。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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