車検・点検・メンテナンス
更新日:2018.05.30 / 掲載日:2018.05.30
エアコンメンテ塾 エアコンの簡易診断
エアコンシステムの簡易診断にチャレンジ
冷媒の圧力測定や効きの判定を行うには、専用のゲージや経験が必要になり、アマチュアには手強いものだが、DIY診断を簡単に行うためのキットが販売されている。またクルマに備わっているダイアグ機能を活用することでセンサー異常を見つけることもできる。
高価なマニホールドゲージを使わなくてもDIYで手軽に冷媒の圧力や冷えの状態の良否判定ができる。オイルチェッカーは使い捨て型だがネットオークションでも入手できる(オイル量の判定用とされる)。
エアコンのオイルの状態までチェックできる
カーエアコンの診断には、専用のゲージや温度計、湿度計などがないと、正確な判定は難しいものだが、チェックを簡単にするためのキットが販売されている。今回利用したACチェッカーは、低圧側の冷媒圧力を測るACチェッカー、内部を循環しているオイルの色をサンプリングするため3個のオイルチェッカー、吹き出し口の温度を測る温度計の3種がセットになっている。オイルチェッカーはネットオークションでも入手できる。
ACチェッカーは、冷えが悪いとなるとすぐに問題視される冷媒の圧力を簡易的に診断するもので、原理的にはバー式のタイヤゲージをエアコンの低圧ポート用にアレンジしたものと考えられる。測定時は、チェッカーの当て方によって冷媒が皮膚に直接触れることを防ぐため、長袖や手袋、ゴーグルを着用する。次にエンジンを掛けてエアコンの風量を最大にして30秒経過した時点でエンジンを止めて、ACチェッカーを低圧ポートにあてがった時のゲージの値を読み取っておく。再度エンジンを掛け、エアコンONで設定温度を20℃以下にして風量を最大した時の吹き出し口温度をチェック。この時の温度を10℃以下、10~12℃、12℃以上という3パターンで分類し、付属の表でACチェッカーの圧力と組み合わせた良否判定を行う。たとえば、温度計が10℃以下で、圧力がLとHの中間にあれば正常と判断し、Lの位置なら冷媒がやや不足と判断するといった状態だ。もし適正値を外している場合は、電装専門店などで診断してもらう。
オイルチェッカーは、ACチェッカー使用後5分以内に低圧バルブに約1秒押し当てて、冷媒の圧力で配管内のオイルが押し出されたものをキャッチする。採取したオイルは識別表を見比べて劣化状態を判定する。
ゲージ/チェッカーの使い方 タイヤのエアゲージのように低圧ポートに押し付けるだけ
オイルチェッカー
エアコンは冷媒と一緒にオイルも配管内を循環している。ムシ押しで押し込むと内部のオイルが押し出されてきてキャッチされる。ネットオークションで売っているオイルチェッカーは中央の線までオイルが来れば適正値という判定だ。
POINT オートエアコンはダイアグやカスタマイズも活用したい
オートエアコンの自己診断では、各種センサーやダンパー、冷媒圧力などの異常を診断できる。先程のマークXではAUTOと内外気切り替えスイッチを同時押しでエンジン始動状態にすると開始する。
スキャンツールがあると故障コードの確認が簡単に行える。日射センサーの判定では夜診断すると故障コードが出力されるので明るい日中に行う。またデータモニター機能では、センサー値やダンパー開度、冷媒圧力を読み取ることができる。設定温度の表示値と実際値に差を持たせるなどのカスタマイズも可能。
提供元:オートメカニック