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車検・点検・メンテナンス
更新日:2023.09.27 / 掲載日:2023.09.27

「ジャッキアップ」の正しいやり方を大検証!手順を間違えると、錆リスクが増大……

古いクルマをメンテしていると、ジャッキアップポイントから錆が発生している個体を見かけることがあるが、正しい手順で行っていれば避けることができるリスクだけに、なんとももったいない。ここでは実証テストを交えながら、最適なジャッキアップのやり方を考えてみたぞ。

●文&写真:ハリー山崎

ジャッキポイントが錆で完全に消失している。この状態だと車検が通らない可能性が高い。整備視点でもジャッキポイントの強度の低下は、命にかかわる大問題だ。

なぜジャッキアップポイントは破損してしまうのか?少しの傾斜でもジャッキは垂直に上がらない!

 ボディフレームは繊細なもので、正しい位置(ジャッキポイント)に当てずに持ち上げてしまうと、塗装やシーラーが剥がれて地金が露出してしまう。

 その状態で水分が付着する状態が続いてしまうと、錆が発生。

 さらに厄介なことに錆は吸湿性が高いため、放置していると、錆は一気に進行してしまうのだ。

 それゆえジャッキアップの際は、ジャッキアップポイントにダメージを与えないように行う必要があるのだが、フロアが微妙に傾いていたりするとジャッキは間違いなく垂直に上がらない。

 今回はフロアの傾斜や路面状況の違いで、どれだけジャッキの荷重具合が変わっていくのか? 検証してみることにする。

マイクロメーターを使って、実際にかかる荷重を計測してみた

今回のテストでは一般的な油圧ジャッキを使用。あえてジャッキポイントを保護せず、マイクロメーターを用いてサイドシル下部にかかる荷重を測定する。

上昇時は孤を描き手前側に荷重がかかる

油圧ジャッキは、持ち上げるとアームは弧を描きながら手前側に移動してくる。本体のローラーがスムーズに動けるように平坦なフロアで使用することが重要なのだ。

平坦フロアでも完全垂直は無理

スムーズなフロアでも、サイドシルの合わせ目下部は手前方向に約0.4㎜変形。ただ、ジャッキを下すと元に戻る。フレームまわりへのダメージはほぼ考えなくていいだろう。

ジャッキが動かないと荷重も大きく増大

次は砂利の不整地で、ジャッキが動かない状態を想定。すると車体は手前に引かれて反対側のタイヤがズズズッと横ずれほどの力が加わり0.8㎜変形した。かなり危険な状態だ。

乱暴な操作は絶対にNG!!

あえて乱暴にジャッキアップ作業を再現してみたところ、御覧の通りジャッキポイントが変形。輸入車によくある多パッド付のジャッキポイントだと、この手の心配は少ないのだけど。

パンタジャッキは実は優秀なのだ!

ちなみに、パンタグラフジャッキだと真っすぐに上がるため変形しなかった。油圧ジャッキは便利だが、車両へのダメージという視点では少し劣っている。

ジャッキパッドは正しく使えば極めて有効!

一体型のジャッキパッドは変形リスクを大きく低減してくれるが、モデルによってはサイドシル側面に無理な力が加わることも。

一体側のジャッキは真っすぐ持ち上げられるのがメリット。ある程度の高さが必要なので車種が限定されるが、とても使い勝手が良い。

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内外出版/オートメカニック
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