コーティング・クリーニング
更新日:2023.11.30 / 掲載日:2023.11.30

車用ガラスコーティングの技術と特徴 おすすめのコーティング剤3選

車用ガラスコーティングはシリカを主成分に使うことで、防汚性や耐久性、耐酸性などが優れています。そこで、この記事ではシリカがもたらす効果やガラスコーティングの技術、特徴などを解説します。おすすめのガラスコーティング剤や施工手順も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

1. ガラスコーティングとは

ガラスコーティングとは、ガラスに使われている成分を使い、コーティングの強度を上げたコーティング技術です。他のコーティングと比較して耐久性が高く、長期間保護効果が持続します。

(1) ガラスコーティングの技術

ガラスコーティングは、シリカ(二酸化ケイ素)を主成分とした被膜(ガラス被膜)を形成するコーティング技術のことを指しています。

シリカとは水晶(石英)のことを言い、クリスタルのような輝きや美しさが特徴です。紫外線や酸性雨に対して強いだけでなく、防汚性や耐久性にも優れています。空気中に含まれる水分と温度によって化学反応が起こり、塗装面に被膜を形成します。

ただし、通常ガラス被膜を形成するには、1,000度を超える高熱を加えなければいけません。車のボディは、1,000度の高熱に耐えられないことからコーティング剤に応用できませんでした。

しかし、技術の進歩により、低温でもガラス被膜が形成できるようになったのです。これを「ゾルゲル法」と言います。ゾルゲル法によって、ガラスコーティングが施工しやすくなったため、今では世界中で人気のコーティング剤です。

ちなみに、ガラスコーティング剤は化学反応が起きないように密閉性が重要なため、瓶に入れて保管します。多くは茶褐色で光を通しにくい瓶を使います。

(2) ガラスコーティングには2種類ある

ガラスコーティングには大きく分けて、「ポリシラザン系」と「シロキサン系」という2種類があります。両方とも無機物のコーティングになります。

①ポリシラザン系

ポリシラザン系は水晶に似た構造で、ケイ素と水素、窒素が結合してできた化合物です。20年以上前からガラスコーティングとして使われており、当初はすべてポリシラザン系でした。

ポリシラザン系は、耐紫外線、防汚性、耐熱、撥水性に優れているのが特徴です。膜厚硬度が9Hと硬いため擦り傷に強く、光沢力もあります。鳥の糞や花粉といった有機汚れに強い反面、イオンデポジットなどの無機汚れには弱い傾向があります。

また、水晶に似た構造であるがゆえに施工が難しく、高度な技術が必要です。さらに、ポリシラザン系は高価なため、市販ではあまり販売されていません。基本的には、専門知識と技術を持つコーティング専門業者が、ポリシラザン系のガラスコーティング剤を使っています。

②シロキサン系

シロキサン系は、ケイ素と酸素が結合してできた化合物です。ポリシラザン系と同じく、耐紫外線、防汚性、耐熱、撥水性に優れています。さらに、一般の人でも施工しやすいのがシロキサン系の大きな特徴です。

そのため、市販のガラスコーティング剤はシロキサン系が多く、ディーラーやカー用品店などでも使われるようになりました(フッ素などを混ぜたものもあります)。

シロキサン系のコーティング剤も無機汚れに対して弱く、イオンデポジットなどのシミや汚れが付着しやすくなる傾向があります。また、シロキサン系の被膜は薄く、施工が不十分だと剥がれやすくなる恐れがあります。

(3) ガラス系コーティングとの違い

ガラスコーティングとガラス系コーティングは名前が似ていますが、コーティング剤の成分や効果などに違いがあります。

種類ガラスコーティングガラス系コーティング
成分基本的に無機物のみ有機物も含まれる
施工難易度難しい簡単
自浄作用高いガラスコーティングに劣る
効果持続力3年程度半年から1年程度
費用高価安価

ガラスコーティングには、基本的に無機物のみしか含まれていません。一方、ガラス系コーティングには、シリコンやフッ素などの有機物を含んでいます。

また、無機質のガラス被膜は硬度が強いため、傷や汚れからボディを守ります。さらに、汚れなども定着しにくく、雨などで流れ落ちやすいのが特徴です。

ただし、ガラスコーティングは施工が難しく比較的高価なため、一般の人が施工するにはガラス系コーティングのほうがよいかもしれません。

2. ガラスコーティングは重ね塗りで効果が上がる

ガラスコーティングは重ね塗りすることで、その効果が上がります。

1.持続力が高まる
2.ボディをダメージから守る
3.光沢が増す

順にご紹介します。

(1) 持続力が高まる

ガラスコーティングの重ね塗りは被膜を強化し、保護効果の持続力を高めます。

最初のコーティングが完全に硬化した後に新たにコーティングすることで、被膜の厚みが増し、耐久性が上がります。その結果、保護効果が長期間持続し、コーティング寿命が長くなるため、メンテナンスする回数を抑えられるでしょう。

(2) ボディをダメージから守る

被膜が厚くなることで硬度が増すため、紫外線や鳥の糞、小傷などのダメージは被膜が受け止め、ボディを守ることが可能です。また、強い水弾き効果によって、車に付着した汚れなども雨や水で流れやすくなります。洗車時も洗い流すだけである程度の汚れが落とせるでしょう。

(3) 光沢が増す

被膜が厚くなることで塗装面の奥行きが増し、光沢が向上します。また、塗装面の凹凸を埋めて滑らかにするため、光の乱反射が少なくなるのです。これらの効果によって、ボディの透明感が増し、美しさが高まります。

3. 【厳選】ガラスコーティング剤3選

厳選した、おすすめのガラスコーティング剤を3つご紹介します。

(1) ながら洗車丨ファストガラス BASEセット

出典:ファストガラス BASEセット丨Amazon

水シミや雨染みに強く、しかも施工時間はたったの2時間。従来のガラスコーティングでは、定着までの時間が1カ月かかるところを大幅に短縮できます。鏡のような光沢感が得られ、防汚性も高いため、美しさを保ちやすいです。

(2) Zeusclear|シラザン50 ダイヤモンドプラス

出典:シラザン50 ダイヤモンドプラス丨Zeusclear

優れた防汚性が汚れの定着を防ぎ、落としやすくしてくれるコーティング剤。強固なガラス被膜により、圧倒的な光沢感や撥水性を維持します。塗装面だけでなく、ガラスや樹脂のパーツにも使えます。

(3) ピカピカレイン丨アルティメットピカピカレイン

出典:アルティメットピカピカレイン丨Amazon

国内最高水準のガラス成分含有量を誇り、最高級の光沢とツヤを提供するガラスコーティング剤。ガラス被膜の効果は3年間続きます。これひとつだけで愛車の美しさを維持できるように、下地処理用品とケア用品も同梱されています。

4.ガラスコーティングの施工方法

ガラスコーティングの基本的な施工方法をご紹介します。

(1) ガラスコーティング前の下地処理

下地処理は、コーティングの品質を大きく左右します。手順は以下のとおりです。

1.車全体を洗車する
2.下地処理剤を塗布する

順にご紹介します。

①車全体を洗車する

車全体を丁寧に洗車し、細かい汚れや砂、ほこりなどを取り除きます。まずは、車全体に水をかけて、ある程度の汚れを落としましょう。

カーシャンプーやスポンジ、クロスを使い、車に付着している細かい汚れを落としてください。カーシャンプーや汚れが残らないように、大量の水をかけて車を洗い流しましょう。
ここで、水の拭き上げをしっかりおこなってください。エアーブローを使える環境であればエアーブローで乾かしましょう。

②下地処理剤を塗布する

専用の下地処理剤を塗装面に塗布します。車に付着している鉄粉や油分を取り除き、コーティング剤の密着度を高めてくれます。

専用スポンジやクロスを使って、塗りムラがないように均一に塗布しましょう。

(2) ガラスコーティングの手順

ガラスコーティングの基本的な手順は以下のとおりです。

①ガラスコーティング剤を塗布する

ガラスコーティング剤を専用のスポンジやクロスに含ませ、塗装面に塗り込みます。

一度に大量に塗りすぎると塗りムラや拭きムラの原因になります。少量ずつパネルごとなどに分けて塗りましょう。

下記の記事では、コーティング用のおすすめスポンジやクロスを紹介しています。こちらもご覧ください。

コーティング用スポンジおすすめ3選 作業手順や注意点を紹介【整備士監修】 
【整備士おすすめ】車用コーティングクロス6選 選び方や使い方も紹介

②ガラスコーティング剤を拭き上げる

塗布した後は、コーティング剤ごとに決められた時間を待ってから拭き上げてください。専用のクロスを使って、丁寧に余分なコーティング剤を除去します。

重ね塗りする場合は2日程度あけて、洗車をした後に2回目のコーティングをしましょう。洗車せずに2回目のコーティングをすると、塗装面に付着した花粉やホコリなどが原因で傷がつく可能性があります。

(3) ガラスコーティング後のメンテナンス

ガラスコーティング後は、定期的にメンテナンスしましょう。時間がたつにつれて、塗装面を保護する力は弱くなります。

そこで、メンテナンスによって被膜が受けている紫外線や汚れなどのダメージを取り除くことで、保護効果を長持ちさせられます。

コーティングメンテナンスについては下記の記事でくわしく解説しています。こちらも参考にしてください。

コーティングメンテナンスとは?効果やおすすめの方法、注意点を解説! | 車検や修理の情報満載グーネットピット

5. コーティングはグーネットピットにお任せください

コーティング剤の主成分としてシリカを使っているガラスコーティングは、硬度の高い被膜が形成されます。被膜は耐久性が高く、長期的に保護効果を維持できるのが特徴です。ただし、これまでは車のボディが高熱に耐えられなかったため、車用のコーティングには使えませんでした。

今ではゾルゲル法と言われる、低温で被膜を形成する方法が確立されたため、世界中から注目を集めるコーティング方法です。

しかし、シリカを含むガラスコーティングは施工が難しいため、専門知識がない一般の人ではきれいにコーティングできないかもしれません。

きれいにガラスコーティングする自信のない人やプロの業者に依頼したい人は、グーネットピットにお任せください。グーネットピットには、コーティングに関する知識や経験が豊富なスタッフが在籍しています。コーティング後のメンテナンスも丁寧に対応しますので、安心して任せられます。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

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車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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