コーティング・クリーニング
更新日:2024.05.24 / 掲載日:2023.11.30
車のコーティングで傷消しできる?消せる傷や施工方法、注意点を解説

車に傷がついてしまった……けど、業者に修理を依頼するほどではないし、自分で傷を消したい。長年車を運転していると、こういった悩みを持つ人は多いのではないでしょうか。
この記事では、コーティングで消せる傷や消し方を解説します。また、施工方法や注意点も紹介していますので、自分で傷を消したい人は参考にしてください。
1. コーティングで車の傷を消せる……?
車についた傷は、コーティングで消すことが可能です。ただし、完全に傷を消せるわけではなく、コーティングによって目立たなくさせるという方法になります。なお、傷の種類や深さなどによって、消せる傷と消せない傷があります。
(1)コーティングで消せる傷
コーティングで消せる傷は以下のような傷になります。
・こすれば消える傷
・車をタオルなどで磨いたときの擦り傷
・洗車機を利用したときのブラシ傷
これらの薄い傷は、その傷のなかにコーティング被膜が形成されることで傷の凹凸が埋まり、ボディに光沢が出ます。その結果、傷が目立たなくなり、消えたように見えるのです。
コーティング施工車の場合、被膜がこれらの薄い傷からボディを保護してくれるため、そもそも車自体には傷が達していないでしょう。
(2)コーティングで消せない傷
コーティングで消せない傷は以下のような傷になります。
・ぶつけたときの大きな傷
・塗装が剥がれるほどの傷
・下地が見えるほどの傷
・爪で引っかかる傷
これらの傷は損傷が大きく、傷が深いため、コーティングでは消せません。コーティング施工車でも塗装面そのものに傷がついたり、ボディがへこんでいたりすると、目立たなくすることも難しいでしょう。
2. 傷消しにはガラスコーティングがおすすめ
車の傷消しには、ガラスコーティングがおすすめです。ガラスコーティングとは、ガラス成分をベースとしたコーティング剤で、強度の高い被膜や光沢力、耐久性に優れているのが特徴です。
硬度の高い被膜が薄い傷の凹凸を埋め、光の反射によって傷自体が目立たなくなります。ボディは新車のような輝きを取り戻し、汚れや傷がつきにくい美しい状態を長期間維持できるでしょう。
また、ガラスコーティングよりも強度や保護能力が高い、セラミックコーティングで傷消しする方法もあります。しかし、施工費用が高い点や、専用の除去剤でないとコーティングが剥がせないほどの強度という点から、傷消しには向いていないと考えられます。
その他、樹脂(ポリマー)系や油脂系は施工しやすく、ツヤが出るのが特徴ですが、傷消し効果や保護効果が弱いため、傷消しには向いていません。
3. おすすめのガラスコーティング3選
車の傷消しをしたいときにおすすめのガラスコーティングを3つご紹介します。
(1)OHAJIKI|コートG

出典:コートG|Amazon
通常の硬化型のガラスコーティングと違い、固まらない非硬化型のコーティング剤です。施工はスプレーして拭き上げるだけ、再施工やリセットも簡単なため、コーティング初心者でも比較的簡単におこなえます。塗装面だけでなく、ホイールや樹脂部品、ガラス面などにも使えます。
(2)BEAUTIFUL CARS|イージーグロスコートナノ

出典:イージーグロスコートナノ|BEAUTIFUL CARS
この商品はただ水を弾くだけでなく、汚れがつきにくい超微撥水仕様です。ナノダイヤを配合することで、汚れを除去しながら被膜を形成し、施工後は汚れが付着しづらくなります。この効果により古い被膜も取り除かれるため、使えば使うほどきれいな状態を保てます。
(3)ピカピカレイン|ピカピカレインプレミアム【滑水性】

ガラスコーティング特有の高級感のあるツヤを自然に出してくれます。施工は塗って拭き上げるだけのため、専門知識のない人でも簡単にコーティングできます。ボディ以外のマフラーやグリル、エンジンルームなどにも利用可能です。
4.コーティングの手順と注意点
自分でコーティングするときの手順と注意点をご紹介します。
(1)コーティングの手順
自分でコーティングをおこなう基本的な手順は以下のとおりです。
1.車全体に水をかけて、ある程度の汚れを落としてください
2.カーシャンプーを使い、細かな部分の汚れを落とします。洗車で落ちない汚れは、クリーナーなどを使います。
3.水をかけて、カーシャンプーやクリーナーを洗い流します
4.下地処理剤を使い、表面の鉄粉や油分を取り除きます
5.コーティング用スポンジやクロスを使い、ボディにコーティング剤を均一に塗りこんでください
6.コーティング剤が乾く前に、コーティング剤を拭き上げます。拭き上げ用クロスは、水を含ませたものをしっかり絞り、丁寧におこないましょう
なお、コーティング未施工、または前回施工から時間が経ち、効果が薄れている場合は、車全体をコーティングしましょう。まだ効果がある場合は、傷が入ったパネルのみ施工します。パネルとは、傷がある場所が運転席の場合はドアパネル1枚、ボンネットの場合、ボンネット1枚のことを言います。
傷の部分だけ施工すると、その部分が目立ち、見た目の美しさを損なうことにつながるため、残りの効果を見極めながら施工してください。
(2)コーティングするときの注意点
自分でコーティングするときの注意点は以下の3つです。
1.コーティング剤の塗りムラや拭きムラをなくす
2.真夏の昼間や風が強い日は避ける
3.コーティング後は水分に触れさせない
順にご紹介します。
①コーティング剤の塗りムラや拭きムラをなくす
コーティング剤の「塗りムラ」や「拭きムラ」はコーティング効果が不均一になるだけでなく、見栄えにも影響します。
原因 | 対策 | |
---|---|---|
塗りムラの原因 | ・洗車や下地処理が不十分のまま、ボディにコーティングしている ・一度に広い範囲をコーティングしている | ・カーシャンプーを使い、細かな汚れを落とす。水アカは専用クリーナーで取り除く ・下地処理剤で鉄粉や油分を取り除く ・パネルごとなど、部位を分けてコーティングする |
拭きムラの原因 | ・コーティング剤の量が多い ・コーティング剤が乾いた状態で拭き上げている | ・コーティング用スポンジやクロスに染み込ませる液剤の量を適正にする ・パーツごとに塗布し、こまめに拭き上げる ・コーティング剤が急速に乾かないように、気温が低いときに施工する |
下記の記事では、コーティング剤の塗布や拭き上げにおすすめのスポンジやクロスを紹介しています。自分でコーティングする人はぜひご覧ください。
コーティング用スポンジおすすめ3選 作業手順や注意点を紹介【整備士監修】
【整備士おすすめ】車用コーティングクロス6選 選び方や使い方も紹介
②真夏の昼間や風が強い日は避ける
施工するときの環境は非常に重要になります。とくに真夏の昼間や風が強い日の施工はできるだけ避けましょう。
真夏の昼間など気温が高い時間帯は、車の表面温度も高くなるため、塗布したコーティング剤が急速に乾燥し、拭きムラができやすくなります。コーティング剤が定着する前に乾燥すると、期待する効果が得られない可能性があります。
もし、その時間帯に施工する場合は直射日光を避け、洗車時にしっかりと水をかけて車の表面温度を下げてからおこないましょう。
また、風が強い日はホコリや砂が飛んできやすくなります。コーティング面にホコリや砂が付着したまま乾燥し拭き上げた場合、ボディを傷つけてしまうかもしれません。
さらに、強風時もコーティング剤が予想以上に早く乾燥するため、拭きムラの原因になります。
③コーティング後は水分に触れさせない
コーティング施工後はコーティング剤が乾き、塗装面に完全に定着するまでは水分に触れさせないでください。完全に定着することを、完全硬化と言います。
コーティングは車の塗装面に被膜を形成し、汚れや紫外線、酸性雨などのダメージからボディを保護します。完全硬化する前に水分に触れると硬化不良を起こし、コーティング効果(撥水効果や維持期間、光沢)の低下につながります。
完全硬化する時間はコーティング剤によって異なるため、取扱説明書を参考にしてください。完全硬化する前に水分に触れた場合は、早急に拭き上げましょう。
5. コーティングで消えない傷にはコンパウンド……?
コーティングで消えなかった傷は、コンパウンドを使うことで目立たなくなるかもしれません。ただし、すべての傷に対応できるわけではありません。誤った使い方をすると傷がより目立つ可能性もあります。
(1)コンパウンドとは
コンパウンドとは、車のボディについた細かい傷を目立たなくする研磨剤のことです。傷の箇所に塗り込み磨くことで、傷の凹凸を滑らかにし、目立たなくします。研磨剤の粒子の大きさによって、粗目(広い傷用)や中目(通常の傷用)、細目(仕上げ用)などの用途があります。
ただし、コンパウンドが目立たなくできる傷は、基本的にコーティングが対応できる薄い傷です。コーティングとの違いは、傷を直接研磨する点です。そのため、傷の種類によっては、コーティングよりきれいな仕上がりになるでしょう。
以下のように傷が深い場合は、コンパウンドでも対応できません。
・ぶつけたときの大きな傷
・塗装が剥がれるほどの傷
・下地が見えるほどの傷
・爪で引っかかる傷
コンパウンドでは傷を完全に消せませんが、業者に依頼するより安価に目立たなくできる傷もあります。きちんと傷を修復したい場合は、ディーラーやカー用品店など専門業者に依頼しましょう。
(2)おすすめのコンパウンド3選
おすすめのコンパウンド3選をご紹介します。
①3M|コンパウンド ハード1/ハード2/ウルトラフィーナプレミアム 3本セット

出典:コンパウンド ハード1/ハード2/ウルトラフィーナプレミアム 3本セット|Amazon
粒子の大きさが違う3種類のコンパウンドがセットになっており、使いやすい商品です。傷の大きさや深さなどに合わせて使います。
②3M|コンパウンド DC-1L

伸びが良く、施工しやすい液状のコンパウンドです。塗装後のゆず肌(表面が波打った状態)を落としたり、硬化が進みすぎた塗膜を肌調整(波打った表面を研磨し、均一にする)したりもできます。また、仕上がり性が向上しており、次の工程がより楽におこなえます。
③シュアラスター|スピリットクリーナーダーク

シャンプーでは取れない小傷や水アカを落とすことが可能。傷の凹凸を滑らかにし、ボディの美しさを取り戻します。こちらの商品は、塗装色に合わせて2種類ラインナップされています。
(3)コンパウンドの使い方と注意点
自分でコンパウンドを使って傷消しする方法と注意点をご紹介します。
①コンパウンドの使い方
以下の手順で車の傷消しをおこないます。
1.洗車し、砂やほこりなどを洗い流す
2.マスキングテープなどで周辺を保護する
3.コンパウンドで研磨する
4.コンパウンドを拭き上げる
5.仕上げ磨きをする
6.再コーティングする
下記の記事では、コンパウンドの使い方について解説しています。詳しく知りたい人は、ぜひご覧ください。
コーティングした車にコンパウンドは使える?基礎知識や施工手順を解説
②コンパウンドを使うときの注意点
コンパウンドを使うときは、以下の点に注意してください。
1.塗装面以外に付着させない
2.浅い傷にのみ使い、優しく磨く
コンパウンドを使うときは、研磨する塗装面以外に付着しないようにしてください。ガラスやパッキンの近くは、マスキングテープなどで保護すると安心です。樹脂やゴムなどに付着すると、化学反応により変色する可能性があります。
コンパウンドはボディのクリア層(保護層)を削っています。そのため、強い力で磨くとクリア層だけでなく塗装が剥がれる可能性があるため、浅い傷にのみ使い、優しく磨きましょう。
6. 傷の修理はグーネットピットにお任せください
車についた薄い傷は、コーティングによって目立たなくすることが可能です。コーティング被膜を傷の凹凸に埋めることで傷をわかりにくくし、ボディの光沢や太陽の光の反射によって、さらに傷が見えづらくなります。
また、コーティングしても目立つ傷は、コンパウンドを使うことで目立たなくなるかもしれません。しかし、コンパウンドを誤った方法で使うと、さらに傷を悪化させ目立たせてしまう可能性があります。
もし、傷の修理に自信がない人はグーネットピットにお任せください。グーネットピットには、車の補修に関する専門知識が豊富なスタッフが在籍しています。傷の程度に合わせた、適切な方法をご提案し、丁寧に施工します。