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更新日:2022.05.13 / 掲載日:2022.05.13

【スタークラフトクラシックデイ】クラシックカーとエキゾチックカーの華やかな共演【九島辰也】

文●九島辰也 写真●スタークラフト、九島辰也

 神戸を基盤とするクラシックカーのレストア専門ショップ「スタークラフト」が、先日富士スピードウェイでイベントを行いました。ヨーロッパのクラシックカー、特に60年代から70年代初頭のメルセデス・ベンツやポルシェなどをメインに扱う知る人ぞ知るショップです。世界中のマーケットから厳選して仕入れた車両の販売はもちろん、整備や修理だけでなく本格的なレストアを得意とします。板金やメッキ塗装、各部のオーバーホールまでいろいろ。

 特に最近は3Dスキャンによる各パーツのデータ化を積極的に行い、データというカタチで欠品パーツをマネージメントしているとか。例えば、日本でスキャンしたデータをベトナムでCAD化し、それをもとに各地でパーツ製造をするというシナリオです。確かに、そうすれば、物流コストは抑えられますね。データに輸送費はかかりませんから。素晴らしいグローバル展開です。

 そんなビジョンを持ったレストアショップには、あらゆるオーダーが集まります。90年代や2000年頃の話題となったあのモデルを探して欲しいとか、最新のスーパーカーを手に入れたい、といった様々な依頼です。ナンバーの付かないフォーミュラマシンなんかも手がけたり……。

 今回富士スピードウェイでは、そんな顧客のニーズに応えそのハートをさらに盛り上げるためのイベントが行われました。フルコースを使っての走行会です。よってピットに並べられたクルマはかなり個性的。往年のクラシックカー、スーパーカー、フォーミュラマシンが顔を連ねるからユニーク。普段それぞれ見る機会はあっても、同時に拝むことはありませんね。

 そしてそこに花を添えたのがアストンマーティン。オーナーカーとして、ヴァルカンとV12スピードスターマーベリックがピットに置いてありました。しかも、実際にオーナーの手によるサーキット走行も。仕事柄ジャパンプレミアで数々のスペシャルなモデルを取材しますが、実際の走りを見られるとは限りませんのでこうした機会は貴重です。特にV12スピードスターはコロナ禍での発表ということもあり、本国から配信された資料だけという関わりでした。

 このクルマの特徴を簡単にいうと、アストンマーティン社のビスポークを手がけるパーソナライズサービス部門「Q by Aston Martin」が担当しました。“Q”はおわかりですよね。映画「007」シリーズに登場する兵器担当者です。オメガのスピードマスターが爆発したり、ボンドの体内に探知器を埋め込んだりしてきました。ボンドカーもそう。火を吹いたり、ロケットを発射したり、見えなくなったりするのを考えます。歴代シリーズ人間が代わっても呼び名はずっと“Q”です。ちなみに、上司は“M”、秘書は“マネーペニー”ですよね。GW期間中にロジャームーアからダニエルクレイグまでのシリーズのほとんどを観ちゃいました。

 エンジンはオールアルミ製5.2リッターV12ツインターボが搭載されます。最高出力は700hp、最大トルクは753Nmを発揮します。0-100km/h加速は3.5秒だそうです。最高速度は推定時速300キロ。まぁ、屋根のないこんなスタイリングですから、想像はつきます。戦闘機からインスパイアされたくらいなので、とてつもなく速いはずでしょう。販売台数は88台限定です。

 この他では、アストンマーティン・ヴァンテージGT3などを使った同乗走行が行われました。プロのレーシングドライバーの運転で富士スピードウェイを走るのはきっといい体験になると思います。コーナリングスピードが違いますからね。それとアストンマーティンの迫力と高いパフォーマンスも知ることになるでしょう。惚れちゃうかも。

 ということで、久しぶりにサーキットイベントに顔を出しました。ようやくこうした屋外イベントに遠慮なく行けるようになったと思います。まだまだマスクは手放せませんが、クルマのイベントはやっぱ楽しいですね。

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九島辰也(くしま たつや)

ライタープロフィール

九島辰也(くしま たつや)

外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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