ポルシェ　全モデルにクラシックカラーを復刻設定

　ポルシェは現地時間の11月29日、全モデルにおいて歴史的なボディカラーを復刻することを発表した。これはポルシェのカスタマイズサービスを担う「ポルシェ・エクスクルーシブ・マニュファクチャー」によるもので、同部門ではカスタムペイントのオプションとして新たに「Paint to Sample」と「Paint to Sample Plus」という二つのサービスを開設することで実現。クラシックカラーは「Paint to Sample」で選択可能としており、「Paint to Sample Plus」はさらに個性的な車両を望むユーザー向けにオーダーメイドのカラーを受注するサービスになるとしている。

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急激に高まるカスタムペイントの需要に応える

　ポルシェでは今回のカスタマイズプログラム新設により、特別なエクステリアカラーの範囲拡大を図る。部門責任者のAlexander Fabig氏は「個性的な塗装は、ポルシェの歴史の中で長らく親しまれてきたものであり、他者との差別化を図る重要な要素です。今回の提案では、カルト的な人気を誇るクラシックカラーを復活させ、全モデルシリーズの標準色と特別色の範囲を160色以上に拡大しています」と語る。
　近年、ポルシェに対するカスタムペイントの需要は急激に高まっているとしており、同部門では塗装の分野において生産能力を大幅に向上させた。ツフェンハウゼンの本社工場では、新たに導入したカラーミキシングベンチが稼働、塗装のスペシャリストにより数十種類の原料をミリグラム単位でブレンドし、希望の色合いを実現する。車体はパーツにより素材が異なるため、塗布方法や乾燥温度を調整して作業が行われるという。

「Paint to Sample」　カルト的な人気のクラシックカラーを再現

　ポルシェではこれまで、カスタムペイントのプログラムを「Custom Colour」として一括していたが、プログラムの新設によりその内容の再編にも着手。「Paint to Sample」では、ポルシェの塗装スペシャリストによって技術的に承認された定義済みのカラーを提供する。その一例として、1990年代に登場したマリタイムブルー、ミントグリーン、ルビースターなどは911（タイプ964）にも採用され、ファンの間でカルト的な人気となった。これらのカラーリングも、現行モデルで塗装が可能になる。
　具体的には、モデルシリーズや生産地によって範囲が異なるとし、911と718のモデルシリーズでは100色以上の追加ペイントカラーを選択可能。パナメーラ、マカン、カイエンでは50色以上、タイカンは65色のカラーバリエーションが用意される。
　「Paint to Sample」は新車オーダー時に選択可能で、納期は通常に比べ約3か月延長、価格は911と718のほとんどのモデルでは8,806ユーロ（約113万円）から、718 GTと911ターボ、ターボS、GTモデルの場合は9,877ユーロ（約126万円）から。サービス開始は2022年初頭からとしている。

「Paint to Sample Plus」　個別のカラーリクエストに対応

　もう一つのカスタムペイントプログラムとして用意される「Paint to Sample Plus」は、塗装仕上げをほぼ自由に選択できるのが大きな特徴。911、718、タイカンのモデルラインで利用可能としており、希望する色のサンプルがあれば、ハンドバッグやマニキュアの色などを作ることも可能だという。
　こちらはカラーテストや作業内容によって納期も流動し、価格は911および718のほとんどのモデルで17,612ユーロ（約226万円）から、718 GTおよび911ターボ、ターボS、GTモデルが19,754ユーロ（約253万円）から。万一、通常の品質基準では希望の色が実現できないと判断された場合、カラーテストの費用をポルシェが負担するとしている。

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