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更新日:2022.03.22 / 掲載日:2021.10.06
SUZUKI ワゴンRスマイル詳報
ダイハツ・ムーヴ キャンバスが独占してきた軽ハイトワゴン+スライドドア部門に強力なライバルが登場した。 後発ならではのアドバンテージはあるのか!? その詳細をお伝えする。
●文:川島茂夫 ●写真:澤田和久
この記事の目次
スズキ渾身の“キャンバスキラー”の出来映えは!?

【NEW!!】SUZUKI ワゴンRスマイル
●価格:129万6900〜171万6000円 ●発売日:9月10日(8月27日発表)

ボディカラーは全12色

待望のスライドドア仕様が新登場!!
【ココがスマイル!】リヤスライドドアを採用


【ココがスマイル!】全高はほどほど、必要十分!!

軽ハイトワゴンの使い 勝手がグンとアップ SUVと1BOXを除く軽乗用を全高で分類すると、標準(2BOX)系、ハイト系、スーパーハイト系の3タイプになる。スズキのラインナップでは標準系がアルト、ハイト系がワゴンR、スーパーハイト系がスペーシアとなり、新規モデルとして誕生したワゴンRスマイルはその車名のとおりハイト系に分類されるが、全高はワゴンRの45㎜増、スペーシアの90㎜減。ハイト系ではちょっと高めの設定だ。車体寸法だけ見れば、これほど細かく分ける必要もないと思うのだが、スマイルにはパッケージング以上に重要な特徴がある。リヤドアである。 ハイト系は前ヒンジの一般的なドアを採用するのが標準的だが、スマイルはスーパーハイト系と同じくリヤスライドドアを採用する。機能的にはワゴンRにスライドドアの利便性を加えたモデルなのだ。言うまでもなく、スライドドアの利点は狭い場所でも全開にでき、オープン時に開口部前方にドアがないため乗降時の脚さばきも容易。また、パワースライドとの組み合わせてリモコンでのドア開閉も可能であり、頻繁に乗降するタウンユースでは利便性向上にかなり効果的。使い勝手にこだわるユーザーのためのハイト系モデルなのだ。
エクステリア&インテリア
ワゴンRよりスペーシア に近いキャラクターだ 外観にワゴンR派生の印象はない。全高設定が異なるだけでなく、キャビン周りのデザインセンスがまったく違っている。フロントピラーの縦長三角窓、水平基調のベルトラインと大きく開口したサイドウインドウ、長いルーフ長と立ち気味のフロントウインドウはスペーシアのデザイン志向に近い。また、ゴーグルを付けたような個性的なフロントマスクが示すように、実質本位というよりも親しみやすさや遊び心を狙ったデザイン。方向性は異なるが、これもスペーシアと似たキャラ付けである。 ステアリング奧のメーター配置やパッドPC型ディスプレイなど、操作系/メーター系のレイアウトもスペーシアに近いが、棚型インパネではなく、意外とオーソドックスなデザインでまとまっている。 キャビンスペースは室内高が低くなるもののレッグスペースはスペーシアに等しく、軽乗用では最大級。また、ヘッドルームは長身の男性にも余裕がある。後席の床面からの座面高はスペーシアより若干低く、その分だけ前席バックレストによる閉鎖感が強くなる。後席格納はワンタッチダイブダウン式。左右独立のスライド&リクライニング機構も備わり、ユーティリティ面も優等生である。

















メカニズム&装備
目を引く飛び道具はないが 現代的な装備が揃う 軽乗用の主力モデルではNA仕様とターボ仕様の2タイプのエンジンを用意するのが一般的だが、スマイルはNA仕様のみで、標準型とISGを用いたマイルドハイブリッドが設定されている。車重はスペーシアとほぼ等しく、ワゴンRよりも約60㎏重い。最近の軽乗用NA車の低中速域での動力性能は良好だが、高速域では非力。スペック的にはタウンユース向けの印象を受ける。ただし、ハイブリッド車はセーフティパッケージのOP装着により高速長距離用途の運転支援で効果的な全車速型ACCを装備できる。 そのOPでは軽乗用では最新装備にもなるHUDも装着される。車線維持支援が警報式になるなど、上級クラスには及ばないが、軽乗用ではトップレベルと言える。 ナビ/オーディオ、インフォテインメント関連は全グレードともOP対応。ディスプレイには9インチの高解像度型を採用し、ナビはメモリー式を採用。専用の車載ITは用意されていないが、アップルカープレイやアンドロイドオートにより、スマホアプリとの連携が可能。なお、全方位型車体周辺モニターはライン装着ナビに含まれるほか、カメラパッケージ単体としても用意されている。




主要諸元表/主要装備一覧


おすすめグレード
ハイブリッドX

オプションを追加するなら 標準装着の上位グレードもチェック ベーシックグレードのGは安全&運転支援装備のOPがなく、スライドドア周りの機能が省略されるなど、利便性を求めるとコスパも今ひとつ。ファミリー&レジャーならマイルドハイブリッドの上位2グレードが狙い。機能面ではSが買い得だが、2トーンルーフパッケージ車を狙うなら、同装備が標準採用で外装がグレードアップするXがいい。
【仮想対決】vs ムーヴキャンバス
先行ライバルに対しては 設計の新しさがアドバンテージ キャンバスの登場は今から5年前だが、ハイト系+スライドドアでファミリー&レジャー向けに、というコンセプトはスマイルと共通している。後席座面下トレイの採用など使い勝手向上の工夫も多い。スマイル同様にNA仕様のみの設定であり、なかなかの好勝負だが、運転支援機能は1世代前のレベル。軽乗用のNA車としては高い価格設定も泣き所である。

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