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更新日:2021.06.17 / 掲載日:2021.06.17
BMW 水素燃料電池車のテストを欧州でスタート X5をベース、2022年後半の発表目指す

テストドライブ中のBMW i Hydrogen NEXTプロトタイプ
BMWは現地時間の6月16日、欧州で開発中のBMW i Hydrogen NEXTプロトタイプを公開した。
BMW i Hydrogen NEXTはX5をベースに水素燃料電池のドライブトレーンを搭載、2022年後半の発表を目指す。
フィールド・テストでは効率性や安全性に加え、ドライビング・プレジャーを重視

リヤには水素燃料電池車のプロトタイプであることを示す“HYDROGEN FUEL CELL TEST VEHICLE”の文字が入る
水素燃料電池技術は、BMWグループのフレキシブル・ドライブトレイン戦略において、バッテリー駆動車に並ぶ選択肢になり得ると位置付け。
BMW AGの開発担当であるFrank Weber取締役は「水素燃料電池技術は特に大型車クラスにおいて、持続可能なドライブトレーンのための魅力的な選択肢となり得る。現在実施中の、水素燃料電池ドライブトレーンを搭載した車両の路上テストは、当社の研究開発における重要なマイルストーンとなっている」とその重要性を語った。
このほど開始されたテスト・プログラムでは、CO2フリーのドライブトレイン、モデル固有のシャシー・テクノロジー、カー・エレクトロニクス・システムが、実際の環境下でどれだけ効果的に機能するかを検証。
BMW i Hydrogen NEXTの水素タンクは、従来の内燃機関モデルの燃料タンクと同様に、3~4分で充填することができ、あらゆる天候下で数百kmの航続距離を確保できるとしている。
現在行われているBMW i Hydrogen NEXTのロード・テストでは、すべての運転・操作機能を制御するソフトウェアの微調整が中心になっているという。
フィールド・テストでは日常的な条件下におけるコンポーネントの効率性や安全性のほか、BMWモデルの特徴であるドライビング・プレジャーを重視し、水素燃料電池車でもこれまでのモデルと変わらない乗り心地を確保できるよう設計、調整が行われる。
燃料電池はトヨタの協力を得て開発

テストドライブの様子
BMW i Hydrogen NEXTは、2013年以来、協力関係を結ぶトヨタとの製品開発協力による燃料電池を使用。
燃料電池はトヨタからの供給を受け、燃料電池スタックと駆動システムはBMWグループが独自に開発を行う。
このドライブシステムは水素燃料電池技術と第5世代のBMW eDrive技術を組み合わせたもので、その出力は直列6気筒ガソリン・エンジンにも匹敵する275 kW/374 hpを実現し、将来的にはBMW iXとBMW i4への実装も視野に入れているという。