ボルボ、自動運転テスト用車両としてXC90を提供　ロボットタクシー事業の拡大見据え

　ボルボ・カーズは現地時間19日、世界有数のモビリティ技術プラットフォームであるDiDi Chuxing（ディディチューシン）の自動運転技術部門DiDi Autonomous Driving（ディディオートノマスドライビング）は、DiDiの自動運転テスト用車両に関する戦略的コラボレーション契約を締結したと発表した。

　ボルボ・カーズは、ステアリングやブレーキなどの機能に必要なバックアップシステムを搭載したXC90をDiDiに提供し、DiDi Autonomous Drivingと協力して、自動運転に必要な追加のソフトウェアとハードウェアを統合する。

　XC90はDiDi Autonomous Drivingの新しい自動運転ハードウェアプラットフォームであるDiDi Gemini（ディディジェミニ）と統合し、将来的にはDiDiのネットワークで配車サービスに展開されることを目指している。

　XC90に搭載されているバックアップシステムや安全機能は、DiDi Autonomous Drivingの高度な自動運転システムと組み合わせることで、最終的にはロボットタクシーサービスにおいて、安全を確保する運転手無しでの運行を可能とする。

　ボルボ・カーズとDiDi Autonomous Drivingは、本日の合意に基づき、DiDiが米国と中国で自動運転テストフリートを拡大し、商用ロボットタクシー事業の規模を拡大していく中で、長期的なパートナーシップを構築する予定だ。

　DiDiは、世界有数のシェアードモビリティ技術プラットフォームとして、ネットワーク運用に関する深い専門知識と膨大な実走行データを活用し、商用の自律型交通サービスを開発している。

　2020年、ボルボ・カーズはDiDiに複数のボルボXC60を提供し、それらは上海初のパイロット・ロボットタクシー・プログラムに使用された。上海の特定の地域に住む人々は、DiDiのアプリでロボットタクシーによる移動を予約し、車は自律的に運転される一方で、安全を担保する運転手とエンジニアによってモニターされる。

　「DiDi Autonomous Drivingとの戦略的なコラボレーションは、世界の主要な配車サービス企業に選ばれるパートナーになるという我々の取り組みを証明するもの。DiDiの拡大するロボタクシープログラムと当社の安全な車を組み合わせることで、自律走行型配車サービスに対する消費者の信頼を築くための素晴らしいマッチングが実現する」とボルボ・カーズのCEOであるホーカン・サミュエルソンは述べている。

　「世界の自動車業界のリーダーとのパートナーシップを拡大する中で、将来の都市交通システムにとって共有された電気自動車や自律走行車のネットワークが、最高の安全性と持続可能性の基準を達成するために極めて重要になると考えている。当社の新しい自動運転ハードウェアプラットフォームであるDiDi Geminiには、上海での旅客サービスのテスト運用から得られた重要なハードウェアの改良が組み込まれている。ボルボ・カーズの安全面でのリーダーシップにより、将来の自律走行サービスに向けて新たなマイルストーンを達成できることを楽しみにしている」とDiDi Autonomous DrivingのCEOであり、DiDi ChuxingのCTOであるBob Zhang（ボブ・チャン）氏は述べた。