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更新日:2020.11.20 / 掲載日:2020.11.19

【ホンダ N-ONE】「N」の魂を継承。8年ぶりのフルモデルチェンジで内容を一新

ホンダ N-ONE

ホンダ N-ONE

文●大音安弘 写真●ユニット・コンパス

 ホンダは、2020年11月19日、軽自動車「Nシリーズ」のトールワゴン「N-ONE(エヌワン)」に初となるフルモデルチェンジを実施し、11月20日より発売を開始することを発表した。新価格は、159万9400円~202万2900円となる。

 第2世代となる新型は、東京オートサロン2020でプロトタイプがサプライズ公開され、大きな注目を集めた。ただ初代そっくりな姿でもあったため、様々な憶測を呼んだことも記憶に新しい。もちろん、全面刷新となる新型だが、そっくりな秘密がある。

 ホンダの乗用車の原点である「N360」の面影を映すN-ONEは、Nシリーズ第3弾として2012年にデビュー。8年ぶりの全面刷新が図られている。そのエクステリアは、初代そっくり。実車同士を見比べても、新旧の違いを瞬時に言い当てるのは難しいほどだ。

 それもそのはずで、ボンネット、ルーフ、ドアパネル、フェンダーなどのパーツが初代から受け継がれている。さらに前後マスクのデザインも基本的なフォルムは変わらない。しかし、前後マスクを良く見ると、フロントグリルやバンパーデザイン、ランプ類のデザインが一新されていることが分かる。ボディパネルを受け継いだのは単なるコスト削減ではなく、N360から受け継いだ無駄のないシルエットと愛らしさを継承するためN-ONEのコンセプトが、初代から揺るぎがないことを示すものといえる。

  • ホンダ N360

    ホンダ N360

  • ホンダ N-ONE(先代)

    ホンダ N-ONE(先代)

プレーンなデザインが魅力の「オリジナル」

「オリジナル」

「オリジナル」

 デザインは、グレードの個性に合わせて3タイプを設定。標準車となる「オリジナル」は、機能美を追求したプレーンさが魅力。メッキパーツによる加飾がなく、グリルも小さめ。初代とも最もイメージが重なる仕様となっている。足元には、14インチ仕様で愛らしいホイールキャップが標準となる。

質感を高めた上級グレード「プレミアム」

「プレミアム」

「プレミアム」

 質感を高めた「プレミアム」は、メッキパーツを多用し、落ち着きある振舞いを見せる。高級感のある横基調の大型メッキグリルが備わる。リヤには小型のテールスポイラーも装備。足元は、14インチスポークアルミホイールを装着。ターボエンジンとなる「プレミアムツアラー」には、メッシュデザインの15インチアルミホイールにアップデートされる。

MTも選べるスポーティな「RS」

「RS」

「RS」

 スポーティな「RS」は、シックなN-ONEをボーイズレーサーに仕立てたもの。フロントグリルは、大型のハニカムデザインのものにRSバッチを装着。メッキパーツもダーククロームメッキで精悍さを強調。テールゲートには、性能の高さを予感させる大型リヤスポイラーが備わる。RSグレードは、ターボエンジン専用車となり、足元には、マットブラック仕上げのメッシュデザイン15インチアルミホイールが装着されている。

多彩なボディカラーを用意

「オリジナル」のボディカラーは全10色(RSは全5色)

「オリジナル」のボディカラーは全10色(RSは全5色)

 ボディカラーは、モノトーンと2トーンをいずれにも設定。ボディカラーは、全10色(RSは全5色)が用意されるが、グレードごとにベストなカラーをチョイス。さらにブラックルーフとなる2トーンも、グレード毎にベース色を厳選した4タイプをそろえ、選ぶ楽しさを提案する。

インテリアを刷新。足元の広さと視認性を向上

N-ONE インテリア

N-ONE インテリア

 一方、インテリアは、初代から受け継ぐシンプルイズベストな作りだが、そのデザインは大きく刷新された。初代同様に水平基調のデザインながら、インストルメントパネルの一体感を生み出すことで視覚的な広さを演出。ナビゲーション及びオーディオユニットのパネル位置を独立させ、出来る限り高く配置することで視認性を向上。シフトレバー位置は、インパネシフトだが、より下段に配置することで、フロアシフト同様の操作性を実現させている。まだダッシュボードデザインは、無駄をそぎ落とすことで、前席の足元スペース拡大にも貢献している。

 メーターパネルはアナログ式を継承するが、独立式レイアウトから速度計と回転計を一体パネルに収め、シンプル化。初代同様にサブモニターが備わるが、RSではGメーターとブースト計を追加。これもボーイズレーサー演出の気づかいだ。

フロントシートは左右独立式に

N-ONE フロントシート

N-ONE フロントシート

 もうひとつ大きな進化を遂げたのが、シートだ。フロントを左右独立式に刷新。運転のし易さを高めるべく、ホールド性にもこだわり、コーナリング時でも姿勢が安定するように作り込んだ。シート表皮も質感の高いものをセレクト。触感や座り心地を向上されている。また幅広いユーザーに対応すべく、シートリフターを上下に25mmの調整可能としたこともトピック。リヤシートは、2分割可倒式ベンチタイプを引き継ぎ、フルフラットならラゲッジルームの拡大と座面のはね上げ機構による背の高い荷物の積み込みも可能だ。

  • N-ONE リヤシート

    N-ONE リヤシート

  • N-ONE ラゲッジルーム

    N-ONE ラゲッジルーム

ボディの構造を刷新して基本性能を高めた

N-ONEにおけるハイテン材適用部位イメージ(写真:ホンダ)

N-ONEにおけるハイテン材適用部位イメージ(写真:ホンダ)

 走りと安全の基本となるボディは、2代目となる現行型N-BOXのプラットフォームをベースに構造を刷新。構造接着剤による接合部の拡大や高強度のハイテン材の活用により、高剛性化と軽量化を両立。また静粛性を高めるべく、効果的に防音・遮音材の配置し、さらにプレミアムとRSには遮音機能付きのフロントウィンドウも投入している。この辺もNシリーズの質感の高さの拘りが感じられる部分である。

 パワーユニットは、Nシリーズ第2世代のパワートレインを採用。基本となる660cc3気筒DOHCエンジンは、最高出力58ps/7300rpm、最大トルク65Nm/4800rpmを発揮。燃費消費率は、WLTCモードで、23.0km/L(FF)~21.0km/L(4WD)となる。

 高性能ユニットとなるターボエンジンは、最高出力64ps/6000rpm、最大トルク104Nm/2600rpmを発揮する。燃費消費率は、WLTCモードで21.8km/L(FF車・CVT)~20.2km/L(4WD車)となる。ターボ車としてはNA車との差が少なく、実用的なエンジンだ。基本はCVT車となるが、つい待望の6速MTが投入。これは、RS専用に設定されるもので、S660と同じギアレシオによる軽快な走りが特徴。フィットRSの後継車に当たるモデルともいえるだろう。

Hondaセンシングを全車に標準装備。軽のMTモデルにもACCを装備

軽のMT車として初となるアダプティブクルーズコントロール(ACC)と車線維持支援システム「LKAS」も備わる

軽のMT車として初となるアダプティブクルーズコントロール(ACC)と車線維持支援システム「LKAS」も備わる

 時代が求める先進の安全運転支援機能「Hondaセンシング」を全車に標準化。これはRSのMT車も同様で、軽のMT車として初となるアダプティブクルーズコントロール(ACC)と車線維持支援システム「LKAS」も備わるのが特徴。Hondaセンシングの内容は、他モデルと基本的に共通で、衝突被害軽減ブレーキ、前後の誤発進抑制機能(CVT車のみ)、歩行者事故低減ステアリング、標識認識機能、路外逸脱抑制機能、オートハイビームを備えている。Hondaセンシングの標準化により全車で電子制御パーキングブレーキが備わり、日常での駐停車時の安全性も高まっている。

標準装備も充実している

 最後に基本装備を簡単に紹介しておくと、オートブレーキホールドやパーキングセンサー、前後のLEDライトユニット、スマートキー、プラズマクラスター機能付フルオートエアコンなどが全車に標準化とし、充実した内容を誇っている。

ホンダの新たなるアイコンになりうる存在

 似ているけど全面刷新となる2代目N-ONE。普遍性のあるデザインコンセプトは、良いものを長く愛用したいユーザーには好意的に受け止められるだろうし、かつてのMINIのように、ホンダの新たなアイコンとなる期待も込められている。もちろん、内部や機能は、徹底的な進化が図られているので、乗ってビックリの新型軽となることは期待して良さそうだ。

ホンダ N-ONE オリジナル(CVT)

■全長×全幅×全高:3395×1475×1545mm
■ホイールベース:2520mm
■トレッド前/後:1305/1305mm
■車両重量:840kg
■エンジン:直3DOHC
■総排気量:658cc
■最高出力:58ps/7300rpm
■最大トルク:6.6kgm/4800rpm
■サスペンション前/後:マクファーソン/車軸式
■ブレーキ前/後:ディスク/トレーリング
■タイヤ前後:155/65R14

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