輸入車
更新日:2020.05.07 / 掲載日:2020.05.01
【フィアット パンダ】個性派スモールカーがアンダー100万円で探せるように

創業以来、コンパクトカーの名車を数多く生み出してきたフィアット。先日、フィアット500の新型が発表されるというホットな話題もあったばかりだ。ここ最近フィアットといえば500のトピックスが目立つが、メカニズムの多くを共有するパンダの存在も忘れてはならない。パンダは、500よりも車高が高いミニバンフォルムのスモールカーで、現行型が登場してからもうすぐ7年が経過する。中古車市場を覗いてみると、手頃な価格の物件が充実しており、コンパクトな輸入車を探しているならオススメの1台となっている。今回は、現行型フィアット パンダに注目し、その動向を探ってみたい。
フィアット パンダってどんなクルマ?
ジョルジェット・ジウジアーロが手がけたボディをまとった初代パンダは、1980年にデビューした。全長およそ3.4m、全幅1.5mと現在の軽自動車とほぼ同サイズのボディに大人4名が座れる秀逸なパッケージングが評価され、1999年まで続くロングセラーとなった。とくに、角ばったヘッドライトや全体のフォルムは、サイズこそ小さいものの個性が光るデザインで、今でも初代パンダのファンは少なくない。2003年には2代目パンダが登場。ベーシックなスモールカーの初代から一転、2代目は全高1580mmのSUVライクなフォルムが特徴だった。この全高のおかげでリヤシートの居住性が改善され、2003年ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーも獲得している。
それから10年後の2013年6月、3代目(現行型)へとフルモデルチェンジ。先代よりも丸みを帯びたデザインとなったが、高めの全高を持つクロスオーバー的なフォルムはそのまま継承された。エンジンは、フィアット500にも採用された875ccの2気筒ターボ(ツインエア)を採用。トランスミッションも500と同様、デュアロジックと呼ばれる自動変速の5速ATを組み合わせる。独特のサウンドを奏でるツインエアユニットは、初代を思わせる軽快なパンダの復活でもあった。なお、2013年デビュー時の新車価格は208万円。
フィアット パンダの年式別中古車価格相場は?

年式別中古車平均価格を見る前に、改良遍歴を振り返ってみたい。2013年6月登場時点でのグレードは「イージー」のみ。2014年9月、4WDに6速MTを組み合わせた「パンダ4×4」も追加された。さらに同年10月には100台限定の5速MTモデルも登場。これは車両価格も199万8000円と、ATよりも安いことも魅力だ。2015年11月には、価格を据え置きながら、衝突被害軽減ブレーキ「シティブレーキコントロール」を標準装備。ロントウインドウ上部のレーダーセンサーが前方の車両を検知し、衝突の危険が迫ると自動でブレーキを掛ける安全システムである。
2017年1月には初のマイナーチェンジが行われ、ステアリングやメータークラスターのデザインが一新された。さらにファブリックシートはステッチ入りのバイカラーとしたほか、ダッシュボードをブラックに変更するなど、落ち着きのある内装に仕立てられている。なお、シティブレーキコントロールも引き続き標準装備。11月には、一新された4WD仕様も100台限定で登場している。
年式 | 中古車平均価格 |
2013年式 | 70万円 |
2014年式 | 103万円 |
2015年式 | 116万円 |
2016年式 | 119万円 |
2017年式 | 116万円 |
2018年式 | 160万円 |
2019年式 | 174万円 |
5年落ち(2015年式)ならば100万円以下の予算でOK
イタリアンスモールカーとして考えると、意外と物件が充実しているパンダ。各年式で偏りなく分布しているから、どの年式も入手しやすい。とはいえ、2018年式以降は相場も高めで、お買い得感はそれほど高くない。低価格の物件が充実するのは2015年式以前だ。この年式帯なら70万円前後の物件が揃い、買いやすい状況。しかし、現在では不可欠な自動ブレーキシステム「シティブレーキコントロール」装着車を探すなら、2016年式以降に絞られる。この年式でも100万円台前半の予算があれば、多くの車両が選択候補に入ってくるだろう。
フィアット パンダのグレード別中古車価格相場は?

現行型パンダのグレード構成はシンプル。2WD+5速デュアロジックの「イージー」、4WD+6速MTの「4×4」の2モデルが基本となっており、このほかさらに、個性的な限定車も数多くリリースされている。ここではカタログモデルに加えて2WD+5速MTの限定車「MT」の中古車平均価格をチェックしてみたい。
ベーシックな2WDモデル「イージー」が大半を占める
→ ベーシックな2WDモデル「イージー」が大半を占める 中古車選びの際、まず決めたいのは2WDと4WDのどちらを選ぶかだ。市場に流通する物件の大半は2WDの「イージー」となっており、こちらはAT免許でも乗れる5速デュアロジックを採用するから、多くのひとはこれが選択肢となるだろう。また4WDのJC08モード燃費が15.5km/Lなのに対し、2WDは最大18.4km/Lなのも魅力。しかしながら、輸入車は趣味性も重要なポイントで、あえて6速MTの「4×4」を探して見るのも手。物件は少ないが、積極的に運転を楽しみたいひとはこちらを選ぶのも楽しいかもしれない。なお、2WDの「MT」はわずかに流通するから、欲しいひとはじっくり探してみよう。
フィアット パンダの中古車価格相場のまとめ

以上のように、現行型フィアット パンダは登場から7年が経過し、価格はかなり下がっている。コミコミ100万円の予算で探せるのは、輸入車ファンとしては嬉しい話だ。しかし、ここで気になるのは同胞であるフィアット500の存在。ほぼ同じサイズで、メカニズムも共有するから、パンダと競合するモデルと言っていい。現行型フィアット500の中古車平均価格は現在102万円。こちらは2008年デビューなので、パンダよりも古いモデルとなるが、かなり手頃な価格となっている。同年式で比較してもパンダとほぼ同等の相場となっているから、検討の余地は十分ありだ。