新型車情報
更新日:2020.02.28 / 掲載日:2020.02.28

DAIHATSU タフトコンセプト vs SUBARU 新型ハスラー速攻対決

この記事の目次

東京オートサロンでもニューモデルが発表されるなど、昨年から続く新車ラッシュは、年が明けても加速する一方のようだ。今回は新たに判明した最新事情を踏まえて、気になるライバル同士を先取り比較してみたい。

[特報] 新ライバル 先取り超対決1. 人気の軽クロスオーバーに 強力ライバルが殴り込み!

タフト コンセプトVS新型ハスラー速攻対決ハスラーの一人勝ちだった軽クロスオーバーに満を辞して殴り込み。タフトの登場はユーザーからすれば大歓迎だろう。どちらが優れているのか? 見逃せない戦いが間もなく始まるのだ。●文:川島 茂夫/編集部 ●写真:長谷川 徹/編集部

  • DAIHATSU タフト コンセプト

    ●主要諸元TAFT CONCEPT●全長×全幅×全高:3395mm×1475mm×1630mm ●駆動方式:2WD ●トランスミッション:CVT ●エンジン排気量:660cc

  • DAIHATSU タフト コンセプト

2019TMSで話題を集めた 「WakuWaku(ワクワク)」が 市販化モデルとして登場

昨年の東京モーターショーでお披露目された「WakuWaku」(ワクワク)が、タフトコンセプトの前身に当たるモデル。カラフルでユニークなエクステリアや遊びゴコロ溢れるキャビン&ラゲッジが与えられるなど、この段階ですでにスズキ・ハスラーを意識した内容だった。

  • 1974年にデビューした初代タフトは、現代のタフトとは異なり悪路走破性を重視した本格的な4WDオフローダーだった。車格的にはランクルとジムニーの間を埋める存在だった。

  • SUZUKI ハスラー迎え撃つ新型ハスラーは 東京オートサロンで 魅力的なカスタムモデルを発表!

    正式発売されたばかりの新型ハスラーも、遊びゴコロ溢れる楽しいキャラを踏襲。東京オートサロンでもストリートスタイルに仕上げたカスタマイズモデルを披露。万全の体制でタフトを迎え撃つ。

  • SUZUKI ハスラー迎え撃つ新型ハスラーは 東京オートサロンで 魅力的なカスタムモデルを発表!

タフト コンセプト詳報

  • 4本スリットが入ったフロントグリルと、タフなイメージのフロントバンパーを採用。左右には丸型フォグランプを配置している。

  • 展示車両にはグットイヤーのオールシーズンタイヤ「Vector 4Seasons」を装着。タイヤサイズは175/65R15。アルミはWORK製。

  • バンパー下にはシルバーのアンダーガードを配置。アウトドアティストを意識させる手法の一つ。

展示車両はカーキ色にペイント。前後いっぱいにタイヤを配するなど、ホイールベースも長く取られている。大型フェンダーなどSUVらしい演出も巧みに取り込んでいる。

  • 正式発売時は変更される可能性もあるが、ヘッドライトはデイライト/ウインカー内蔵タイプを採用。

  • フロントウインドウの上部にはステレオカメラを装着。ダイハツ最新の次世代スマートアシストが装着されることが予想できる。

最新メカ&装備を武器に 人気ジャンルに再挑戦



 ロッキーに続いてタフトも復活。ただし、新型は軽クロスオーバーに生まれ変わった。ハードクロカンを目指した初代に対して、悪路対応力を強化したレジャーワゴンという流れは、先に発売されたロッキーと同じだが、タフトのキャラに近いのは、1990年代に発売していたテリオスキッドやネイキッドだ。テリオスキッドはややラフロード寄り、ネイキッドは街中重視と若干キャラが異なっているが、タフトはこれら2車の良いとこ取りを狙った、後継モデルとも言えるだろう。

 当然、ライバルとして想定しているのは、現在のところ軽クロスオーバーとして一人勝ちし続けている、ハスラーであることは間違いない。

 お披露目された東京オートサロンでは、車両内容に関してはほとんどが非公開あるいは未定となっているが、ハードウェア構成は昨年発売されたタントがベースになることは間違いなく、タント、ロッキーに続く、DNGAモデル第三弾として登場するはずだ。

 一見、アウトドアギアのような遊び心を感じるエクステリア&パッケージに目を奪われるが、注目すべきは中身の部分。まずパワートレーンは、大量クールドEGR下での急速燃焼を実現するための強タンブル流吸気設計やマルチスパーク放電が与えられた新世代ターボ&NAユニットや、遊星ギヤを用いた動力分割機構を副変速機に用いて効率低下を避けながら変速比幅を拡大したD-CVTなど、タントで採用された最新技術が導入されるのは確実だろう。

 さらにプラットフォームもDNGA技術が注がれた新世代シャシーを採用。タント同様に骨格設計の変更や高張力鋼板材採用部の拡大などにより、基本フレームから軽量高剛性や防振遮音対策を盛り込んでいることが予想できる。つまり、タントやロッキーと同様に、走りも相当高いレベルに仕上げてくるだろう。

 なおサスペンションに関してはFF駆動の展示車両で確認した限りでは、フロントはストラット、リヤはトーションビームを採用している。4WD車については未公表となっているが、タフトのために新開発するとも考えにくく、これもタントと同様に3リンクリジッドを採用することが予想できる。また、4WDシステムも軽自動車としては標準的なVCU(ビスカス・カップリング)の採用が有力。本格的なオフロードは厳しいものの、悪路走破系メカニズムが設定されることで、ラフロードを難なくこなす性能が与えられるはずだ。

 そして見逃せないのはACCやLKAも含む、スマートアシストプラスの採用だ。もはや軽自動車にも運転支援機能が用意されるのは当たり前になりつつあるだけに、タフトにはタントと同等以上の機能が用意されるのは間違いない。むしろ気になるのはグレード設定で、タントのスマートアシストプラスは標準系/カスタム系ともに、最上級のターボ車のみのOP設定に留まっていた。タフトのグレード展開については未定とのことだが、アウトドアレジャー志向が強い軽クロスオーバーと考えれば、ロングドライブに強いスマートアシストプラスとターボ車は、タフトの成功を占う重要なキーポイントになる。正式発売の暁にはこのあたりも注目してみたい。

  • 展示車両のリヤシートはスライドレス仕様だったが、この状態でも足元のゆとりは相当確保されている。居住性は十分なレベルだ。

インパネのデザインは、コンセプトモデルのWakuWakuに近いイメージをそのまま採用。運転席は適度に包まれ感があるなど、遊びゴコロと実用性を上手に融合している印象が強い。

  • コンソール周りにオレンジベゼルやシフトレバー上部にエアコン吹き出し口を配置するなど、ユニークな魅せ方も見所の一つ。

  • 左右席の間にはスマートフォンなどを置くことができるトレイを配置。その後端にはパーキングブレーキの操作スイッチが設けられる。

  • 展示車両にはサンルーフが装着されていたが、重量が嵩むガラスタイプではなく、軽量高耐久の樹脂タイプ。このまま採用される可能性が高そうだ。

リヤシート格納はシンプルな前倒式。展示車ではやや傾斜が付いたものの広々としたスペースが確保される。フロア素材も樹脂仕様と防汚性に配慮した設計。

ポイント別 徹底チェッ! 共に遊びゴコロ溢れる 個性的なスタイリングを採用 [エクステリア比較]

新型ハスラー

ちょっとずらした丸目のヘッドランプなど、先代のキュートなイメージを継承しながら、存在感を高めたスタイリングが印象的。アウトドアレジャーの道具のような唯一無二のイメージも、個性を求めるユーザーには堪らないだろう。

タフトコンセプト

パッケージングはハイト系相当であり、全高を活かしたボックス型キャビンのプロポーションを持つ。面取りされた死角や立方体をモチーフとし、タフネス系のイメージを持たせるデザインといえる。機能感を主張するスタイルだ。

タフト登場で状況一変 主役交代も十分ありそう



 すでに発売されたハスラーの走行メカニズムの基本構成は、ISGを用いたマイルドハイブリッドをベースとしたNA車とターボ車で、共にFF車と4WD車を設定する。フロントサスはストラットで、リヤサスはFF車がトーションビーム、4WD車はITLを用いる。パワートレーンがマイルドハイブリッドであることはアドバンテージだが、タフトの高効率新世代パワートレーンと燃費面で大きな隔たりがあるとは思えない。また、リヤサス形式は異なるが、共に伸びストロークを稼ぎやすいタイプが採用されており悪路踏破性の面でも有利である。

 キャビンスペースは目視レベルで分かるほどの大きな差はなかった。共に高めのアイポイントで運転感覚も良好。パネルデザインや意匠で差はあるが、キャビンの前後スペースも広々。余裕ある室内高を活かしてレッグスペースを稼ぎ、同時に見晴らしや開放感を高める設計を採用している。サイドウインドウからの広がり感は多少ハスラーが上回るが、水平基調のベルトラインや四角いサイドウインドウの雰囲気もよく似ている。

 なお、リヤシート機能はタフトのバックレストは左右独立前倒式だが、座面スライドは左右一体型となっていた。ハスラーの座面スライドは左右独立式でシート格納もワンタッチダイブダウン式を採用している。展示車両を見る限りでは、タフトのシートは座り心地も含めて平均的な仕様で、リヤシート&ラゲッジのユーティリティはハスラーに分がありそう。ちなみにラゲッジフロアは共に防汚タイプが採用されていて、泥汚れなどには強そうだ。

 安全&運転支援機能に関しては、タフトはタントに準じると仮定しての話になるが、その場合、両車ともに全車速型ACCとLKAまで設定される。ただしLKAはハスラーは車線逸脱抑制までだが、スマートアシストプラスは60km/h以上で走行ライン制御も行う。

 ちなみにハスラーのACCとLKAはターボ車のみの標準装備であり、NA車はOP設定でも選べない。真正面からぶつかるライバル関係を考えれば、タフトもターボ車には標準装着となる可能性が高い。つまり、フル装備状態ではタフトの安全運転支援機能はハスラー以上となる可能性がある。

 現時点でのタフトのデビューは2020年央とアナウンスされており、ハスラーと戦うのはまだ先になるが、タフトの価格やグレード&装備の設定次第では、主役交代も十分にありそうだ。

タフトは意外に堅実路線 個性はハスラーが明らかに上 [キャビン比較]

● タフトコンセプト操作パネルを中央に集中し、パッド感覚のDA(ディスプレイオーディオ)を配置するなど、最新の乗用車系のデザインとレイアウト。吹き出し口ベゼルの加飾でカジュアルな演出をしているが比較的オーソドックスな仕様だ。

● 新型ハスラーメーターやモニター、グローブボックスを色鮮やかな大型ベゼルで囲ったデザインは、昨今のクルマにはない斬新さを感じる。好き嫌いが分かれそうだが、インパネを見た瞬間にハスラーと実感できる個性的なキャビンだ。

汚れに強い設計は共通だが アレンジ面はハスラーがリード [ラゲッジ比較]

● タフトコンセプト展示車両はシングルフォールディングの後席格納でフラットになるように床面高は高めの設定。リヤドアトリムの形状や色調をフロント周りと変えているなど、ラゲッジ空間との一体化を狙っているのが印象的だ。

● 新型ハスラーワンタッチダイブダウンの採用やラゲッジ側からの後席スライド操作など、タウンユースからレジャー用途まで配慮された機能設計が光る。使い勝手も考慮した設計を採用することで、多用途性を高めている。

パワートレーン&安全&運転支援はどう違う?

[パワートレーン比較] 共に新世代ユニットを採用 高いレベルの走りは確実

  • ※写真はタント

● タフトコンセプトD-CVTを核とするダイハツ新世代軽モデルのパワートレーンは、踏み込み直後から過不足ないトルクを立ち上げ、巡航ギア維持力が高いことが売り。タフトもタント同様の傾向と予想され、軽クラスとしてはトップレベルの性能が与えられるだろう。

● 新型ハスラー他のスズキのマイルドハイブリッド車の特性から予想すれば、ハスラーもISGを用いたパワーアシストにより踏み込み時の加速反応や巡航ギヤ維持力に優れているはずだ。ただし、高速道路などでは余力があるターボ車ではないと厳しいだろう。

[安全&運転支援比較] 軽クラスとしては 最高レベルの機能を採用

  • ※写真はタント

    ● タフトコンセプトタントのスマートアシストプラスには、停車保持機能こそ付かないが全車速型ACCとLKAを採用。LKAには走行ライン維持支援機能も備わる。タフトにこれが採用されるならば、クラスをリードする存在に躍り出るだろう。

  • ● 新型ハスラー全車速型ACCとLKAが、ターボ全車に標準装着される。ただ、ACCは停車保持機能がなく、LKAも車線逸脱抑制に限定されるが、軽自動車としては充実した装備と機能が用意されていることは大きな武器だ。

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