輸入車
更新日:2019.12.31 / 掲載日:2019.12.31
ジョンクーパーワークス(JOHN COOPER WORKS)

文●ユニット・コンパス
※中古車参考価格はすべてグーネット2019年12月調べ。
※写真は一部本国仕様の場合があります。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2020年2月号の内容です)
高級、高性能を極めるハイパフォーマンス・ブランドに注目。歴史、ラインアップ、おすすめ中古車まで多角的な内容で紹介します。
伝説のエンジニアの名を掲げるシリーズ最上のスポーツモデル
ミニの存在を世界に知らせたラリーカー
ミニという小さなクルマが20世紀を代表する自動車となったのには、画期的なメカニズムや愛らしいスタイルに加え、モータースポーツでの活躍が大きな手助けとなった。1964年、世界ラリー選手権ラリー・モンテカルロに出場したミニは、モンテカルロの山道で自分よりもふたまわりも大きなクルマを敵にまわして大活躍。なんと4年間で3勝という戦績を残したのだ。
それを手がけたのが、レーシングコンストラクターのクーパー・カー・カンパニー。59年と60年にはF1のコンストラクターズチャンピオンを獲得した実力派だ。F1のチャンピオンチームが認めたコンパクトカーということで、ミニは人々の心を鷲掴みにしたのだ。
現在でも人気のミニ・クーパーというネーミングは、このコラボレーションから名付けられたもの。レースの歴史にミニの名前を刻んだ、まさに伝説のネーミングである。
2001年にBMWの元で新生MINIが誕生した際にも、当然スポーツモデルにはクーパーの名前が使われた。そして、そのイメージを高めるべく、さらなる高性能仕様が企画されることになる。その白羽の矢がたったのが、クーパー・カー・カンパニーの創業者であり、伝説のエンジニアであるジョン・クーパーの存在だった。
当初、メーカー純正チューニングキットとして登場したJCW(ジョン・クーパー・ワークス)は瞬く間に人気を集め、2代目にはカタログモデルに昇格。以降、シリーズの最上級スポーツモデルとして、ラインアップの頂点に君臨している。
HISTORY
世界ラリー選手権での活躍

ジョン・クーパーが手がけたレース仕様がラリー・モンテカルロを3度制覇(1964年、1965年、1967年)したクラシック・ミニ。
ワンメイクレースも開催

新しいMINIの誕生に合わせて2002年から英国ではJCWチャレンジというワンメイクレースが開催。MINIのスポーティイメージを高めた。
各モデルにJCWをラインアップ

MINIファミリーが拡大していくのに合わせて、JCWモデルもラインアップを充実させた。最大7モデルが販売されていた時期も。
レースへの挑戦は現在も続く

クロスオーバーの登場をきっかけに2012年から継続して参戦し、数多くのクラス優勝を遂げているダカール・ラリー。2020年も挑戦予定。
ラインアップの最上級モデルとして君臨するJCW

2008年に3ドアハッチバックのJCWが登場してから10年以上が経過し、現在JCWは、MINIの最上級スポーツモデルとして確固たる地位を築いている。その特徴は、パワフルなパワートレーン、サーキット走行にも耐えられるよう強化されたシャシー、そしてスポーティな内外装。専用ボディカラーそしてJCWモデルであるエンブレムも与えられる。価格も標準モデルに比べて高価だが、それゆえ希少価値が高く、リセールバリューも高い。

JCWモデルにはラインアップにおける最上級モデルとしての役割も与えられている。内外装に専用部品が使われ、質感もさらに高まる。
JOHN COOPER WORKSの現行ラインアップ
3ドア
現行モデルは2018年に登場。JCWの旗艦車種。ベースモデルは同時に5ドアも登場したが、現時点ではJCWの設定はない。
コンバーチブル
スポーティでありながらも3ドアに比べてよりラグジュアリーなイメージが与えられているオープンモデル。トランスミッションはATのみ。
クラブマン
2019年10月に登場。最高出力306馬力というパワフルなエンジンを搭載。0-100km/h加速は4.9秒(欧州仕様)と俊足だ。クロスオーバー
クラブマンと同じタイミングで登場したクロスオーバーのJCWモデル。加速はクラブマンに劣るものの、最高速度は250km/hで同じ。
いまオススメの中古MINI JCW
クロスオーバー(先代)

人気のSUVスタイルを取り入れて、MINIのファンを大きく広げることになったクロスオーバーのJCW版。エンジンは当時最強の218馬力で6速ATも用意。しなやかな足まわりも人気の秘密。
中古車参考価格帯:160万円~330万円(11年~17年 JCWクロスオーバーのみ)
3ドア(先代)

MINIが持つ走りの楽しさをギュッと凝縮したのが、ベーシックなハッチバックモデル。サーキットでのスポーツ走行が楽しめる本格派ながら、6速MTに加えて6速ATもラインアップする。
中古車参考価格帯:150万円~300万円(08年~16年 JCWのみ)
コンバーチブル(先代)

JCWの持つ高度なスポーツ性能をオープンドライビングとともに堪能できるのがコンバーチブル。ある意味でもっとも贅沢な1台。トランスミッションはMTとATの両方が選択可能だった。
中古車参考価格帯:240万円~320万円(12年~15年 JCWコンバーチブルのみ)
クラブマン(先代)

上質なコンパクトワゴンというキャラクターにスポーティさを加えたのがクラブマンのJCWモデル。211馬力の最高出力によって加速は爽快。ロングホイールベースにより乗り心地もいい。
中古車参考価格帯:130万円~330万円(10年~15年 JCWクラブマンのみ)
ペースマン

SUVのクーペスタイルというユニークなキャラクターがペースマン。JCWモデルはすべて4WD。SUVであってもフットワークは引き締められていてロールは最小限。中古車物件は少なくレアだ。
中古車参考価格帯:200万円~230万円(13年~15年 JCWペースマンのみ)
クーペ

ハイパフォーマンスモデルのなかでもJCWは中古車の多さが魅力だが、このJCWクーペは非常に珍しい。2シーターで走りを突き詰めたモデル。オープン版の「ロードスター」はさらに希少。
中古車参考価格帯:270万円~340万円(11年~15年 JCWクーペのみ)