ドライブ
更新日:2021.03.31 / 掲載日:2019.09.17
運転を続けてしてもいい時間ってどのくらいの長さが目安になるのか調べてみた

グーネット編集チーム
長時間の運転は集中力や判断力が低下することによって、運転操作にも遅れが出ることがあるなど、大きな事故に繋がる恐れがあります。そのような事故を防ぐため、運転前には十分な睡眠を取り、運転中は定期的な休息・休憩を取ることが重要です。
運転者は、疲れや眠気は感じていないからといって、まだまだ継続して運転しても大丈夫だと過信してはいけません。ここでは、安全運転を実践する上で、どのくらいの時間を目安に休憩を取るべきか解説します。
連続して運転しても良い時間の目安とは?
長時間の運転に対して必要な休息や休憩については、プライベートで運転をする場合と、仕事で運転する場合で基準が違ってきます。
連続して運転しても良い時間の目安については、プライベートの場合では明確な基準は定められていませんが、長距離運転のトラック運送の仕事などの、仕事で運転する場合を対象に定められた基準に「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」というものが厚生労働省より発表されています。
今回はその「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」における「拘束時間と休息期間」や「連続した運転時間」の制限を確認するとともに、プライベートの場合での基準についても考えていきましょう。
拘束時間と休息期間
拘束時間とは、労働時間と休息時間(仮眠を含む)の合計の時間のことで、始業から終業までの時間を言います。1日(始業開始から24時間)の拘束時間は13時間以内が基本となり、延長する場合でも16時間を限度としています。しかし、15時間を超える延長は1週間に2回までと制限されており、1ヶ月の拘束時間は原則として293時間が上限です。
休息期間とは、勤務を終えて次の勤務が始まるまでの時間を言い、労働とは関係なく自由な時間として過ごせます。休息期間は、1日(始業開始から24時間)8時間以上が必要とされています。
連続した運転時間の限度
連続運転が4時間が限度とされており、4時間運転をした後は30分以上の休憩をしなければなりません。1回につき10分以上の休憩をするならば、4時間以内または4時間直後に休憩を分割することも可能です。また、高速道路の長距離運転では、2時間以上運転する場合は10分以上の休憩が必要です。
仕事として自動車を運転するドライバーには、上記のような基準が定められていますが、一般のドライバーに向けた基準は設けられていません。しかし、トラックドライバーなどに比べて長距離運転に不慣れなので、より頻繁に休憩を取るようにしましょう。
1日で無理なく運転できる距離とは
年齢や体調、クルマの車種などにより個人差はありますが、一般道と高速道路を使った1日で無理なく運転できる距離の目安は次の通りです。安全に無理なく移動できる最長距離とご理解ください。
一般道の場合の1日で無理なく運転できる距離の目安
一般道では、法定速度の制限や信号待ちなどによって、平均的な走行速度は時速20km~30km程度となります。安全に無理なく移動できる距離となると、1日8時間の運転時間がおすすめです。
1日8時間で平均速度30kmの良いペースで移動できたとすると240kmが1日で運転できる距離の目安となります。さらに、余裕をもって、途中3時間程度の食事や仮眠などの休憩を挟むとすると、150km程度が1日で無理なく運転できうる距離と考えられます。
高速道路の場合の1日で無理なく運転できる距離の目安
高速道路では、渋滞等がない場合は平均的な走行速度として時速60km~70km程度となります。1日8時間で時速70kmを維持できたとすると最長500kmが目安となります。ただし、渋滞や休憩などを考慮して3時間程度の余裕をもつとすると1日290km程度が無理のない距離と言えるのではないでしょうか。
長時間の運転による危険性とは

グーネット編集チーム
休憩を取らずに運転を続けると、どのような運転リスクが増えるのでしょうか。
判断力や集中力などの認知機能の低下
疲労によって、信号や標識を見落としたり、スピードコントロールに異変が起きたり、適切な車間距離を維持するのが難しくなったりします。また、思考力が低下し、ハンドル操作やペダル操作にミスが起きる可能性があります。万一の際、回避能力に支障が出る可能性があります。
眠気に襲われる
疲れは眠気を誘発するため、居眠り運転に繋がる恐れがあります。
あくびや目のかすみなどの症状が現れたら、無理をせずクルマを停めて体操や顔を洗うなど眠気を覚ましましょう。どうしても眠い場合は無理をせず、15分でも30分でも仮眠を取ると眠気が軽減します。
また夜間運転は昼間の運転よりも、周囲の景色が見えないことで刺激が少ないため、眠気を誘う傾向があります。
反応時間の遅延
疲労が蓄積されると、危険を察知してからのハンドル操作やブレーキを踏むまでの反応時間が、平常状態と比べて遅くなるリスクがあります。高速道路の一般的な法定速度100km/hで換算すると、1秒間で27.8m進むことになり、反応時間の遅延は致命的な運転リスクになりかねません。
運転をし続けると言うことは、疲れやストレスが蓄積すること意味します。
疲れやストレスは運転を荒くするとともに、事故を誘発するなど、数々の運転リスクが増えることに繋がります。
適切な休憩、運転時間で安全なドライビングを
長時間の連続運転は、疲労によって様々なリスクを引き起こします。大きな事故に繋がる恐れがあるので、小まめに休憩する必要があります。どんなに急いでいても、疲れを感じていなくとも、自分を過信せず適切な休憩を取ることが大事です。
疲れや眠気は突然やってくるので、すぐにクルマを停めることのできない高速道路を走行中は、サービスエリアやパーキングエリアで早め早めの休憩を取るように心がけましょう。
休憩を取る際にはクルマから降りて、身体をストレッチするなど血液の循環を促すとともに、脳を刺激してリフレッシュすることで、疲れや眠気の軽減が図れるでしょう。