新車値引き情報
更新日:2019.02.26 / 掲載日:2019.02.26

【新車購入】X氏の値引きにチャレンジ大作戦

「究極のコストカッター」登場! 「嫁御」を武器に最安値を狙う!! 「限界値」~からのぉ一発勝負!!!

【プロローグ】 シエンタの中古車を購入して早3年。初めてのマイカーなので愛着もあるし、まだまだ元気に走ってくれていますが、子供が二人になると、やっぱり手狭で使い勝手の悪さを強く感じます。家族で遠くにドライブ旅行に出かけたいし、車中泊もしてみたい。だったら、ミドルクラスのミニバンを買うしかないでしょ!
 嫁御に買い替えを提案して「子供たちのため出費はやむを得ない!」と訴えたところ、見事に予算案が通過しました。ちなみに、私自身が以前から大きいミニバンに乗りたい欲を強く持っていたことは伏せてあります(笑)。
 我が家の駐車場の幅があまり広くない(娘が横をチャリで通るときガリってやりそうで怖い)ので、候補は5ナンバーサイズの両側スライドドアのミニバン。さらに、通勤の足として使うので、燃費に優れたハイブリッドを選びます。
 本命はステップワゴン。対抗はセレナe-POWER。もちろんノア/ヴォクシー/エスクァイアのトヨタ三兄弟もノミネート。
 付属品はフロアマットのみ、ナビやドライブレコーダーは社外品を購入します。
 なお、これまで乗ってきたシエンタは実家の父に譲るので、下取り車はなし。値引き条件の上乗せだけに絞って究極のコストカッターに徹します。
 攻めに攻めて攻めまくるぞー!

【12月23日(日)】 最寄りディーラーにあらかじめアポをとって試乗と商談の予約をとっておき、まずはエスクァイア。年末のフェアを開催中で、店内は活気に溢れている。早速、試乗へレッツゴー! トヨタのハイブリッドは仕事で使っていることもあって新鮮さはとくになし。嫁御はシエンタに比べて車内の高さと2列目の広さに感動していた。
 店に戻って商談開始。
X「付属品はフロアマットのみでお願いしますね」
セ「いろいろと付けてもらえると、頑張れますけどねー」
X「あれ!? 値引き額がないけれど、まさかの定価ってわけじゃないですよね?」
セ「本格的に考えていただけるなら、精一杯頑張ります」
X「どれくらいいけますか?」
セ「逆にどれくらいいければ、買ってもらえますか?」
 ありゃ、質問返しかい。様子見感がすごいわ。
X「じゃ、軽く20くらいはいけるって考えていいですね」
セ「頑張らせていただきます」
X「他店もまわってきます」
▼エスクァイア 
 値引き20万円 支払い総額3 29万8978円(特別色3万 2400円/付属品5万30 28円含む)
 次はヴォクシー。店内は空いていて活気がない。うちの嫁御はこういう印象をけっこう気にするタイプなので、値引きで挽回してもらえたらいいけど……。
セ「まだ12月ですが、特別に初売りの条件を適用できるようにして28万円引きにします。これは今日だけの数字です」
 おっと、さっきのエスクァイアと違って、いきなりきたね~。 
セ「本来なら純正ナビを付けてもらわないと、28万円引きにはできないんです。Xさんはナビなしですが、特別に出しました」
X「ありがとうございます! でも、まだクルマ選びを始めたばかりなので、さすがに今日は決められません。それにもっと破壊力のある数字を期待していますよ」
▼ヴォクシー 
 値引き28万円 支払い総額 307万984円(特別色3万2400円/付属品6万588 0円を含む)
 本日の最後はノア。友達がこの店からノアを買ったので、担当の営業さんを紹介してもらった。とても熱心で、やる気満々だ。
セ「お友達の顔を潰すわけにはいきません。本来、お客様にはこういうことは言わないのですが、私の限度額の15万円引きからスタートしましょう。ここから先はXさんのために店長にどんどん掛け合っていきます」
X「とりあえず本気はまだとっといてください。ステップワゴンとセレナに乗ったらまた相談します」
 トヨタはかなり緩く、どこもまだまだいけそうな感触でした。ちなみに、子供たちは3店すべてのキッズコーナーを制覇し、大満足の1日だったようです。
 年末の商談はこれにて終了。初売りに勝負をかけます。

【1月4日(金)】 インターネットで調べたら、隣県のホンダA店(我が家から近い)に私の欲しいブルーのボディカラーのステップワゴンが試乗車としてあったため、アポなしで出向いてみました。
 残念ながら他店へ貸し出しのため、この場では試乗はできないとのことでしたが、とりあえず「ブルーの現物」を見ることができたので満足。思った以上にいい色でした。
 初売り客で賑わっており、営業さんたちは忙しそう。アポなし訪問の私はまったく相手にされなくて寂しい……心の中で(俺は超ホット客だぞ!)と叫ぶ(笑)。
 仕方がないので自分から申し出る。長い間、待たされてようやく営業さんが来ました……遅いよ!
 例のごとく「付属品はフロアマットだけ」と言うと、何気に嫌な顔をされました。
セ「ナビとか付けないんですか……付属品が少ないと値引きが大きく出せないんですよね」
 結局、はっきりした値引き額の提示はなかった。

対決! 日産推しVSホンダ推し、どちらも店長決裁で徹底抗戦!

【1月5日(土)】 近所の日産A店でセレナe-POWERを試乗。営業さんはハキハキして気持ちがいい。同じくらいの子供がいるとあって雑談の段階から大いに盛り上がる。つかみはバッチリだね。
 ワンペダル方式にビックリ!プロパイロットや走行モードの種類など試乗しながらわかりやすく説明してくれました。でも、なぜか1歳の娘が終始泣いていて、集中できなかった(泣)。セレナと次女の相性が悪いのかな?
 嫁御は2列目のロングスライドした時の広さに驚く。「座った態勢から足を伸ばしても前席に当たらないのでのんびりできそう」と大いに気に入った様子。デュアルバックドアにもご満悦。「セレナでもいいじゃん!」なんて言い始めた。ちなみに嫁御は教習所を卒業して以来、一度も運転したことがなく「どっちがブレーキペダル?」というぐらいの、完璧なペーパードライバーです(笑)。
セ「ほかにはどんなクルマをお考えですか?」
X「トヨタの三兄弟も検討しましたが、私的にはステップワゴンが有力候補ですね。このあとホンダに行く予定なんですが、嫁御がセレナをえらく気に入っちゃったので期待していますよ」
セ「全力で協力します!」
 なんかノリがいい。5分後、
セ「この場では値引き15万円ですけど店長に掛け合えば25万円はいけると確信しています」
 ほうほう、なかなかいい数字ですな……でも、顔には出さず、
X「ステップワゴンを見たらまた来ます。ホンダを超えるような数字、お願いしますね」
▼セレナ
 値引き25万円 支払い総額 345万6524円(付属品6万4584円を含む)
 地元のホンダB店へ。私と同年輩の営業さんが待ち構えていた。
 ステップワゴンに試乗。動力性能は申し分なし。インパネや内装も趣味に合う。嫁御の感想は「2列目の広さはセレナの勝ちだけど、3列目の床下格納と荷室の広さ、バックドアの使い勝手はステップワゴンの勝ち」とのこと。
 お店に戻って商談開始。見積もり待ちの間、嫁御と臨時作戦会議を開催。「今後はトヨタを外して、ステップワゴンとセレナの2強に絞って商談を進めよう」ということになる。気持ち的にはステップワゴンが若干リードで、あとは値段しだいどす。
セ「お見積もり、お持ちしました。新春セール中なので、25万円引きでいかがでしょうか?」
X「実は、セレナもいきなり25万円引きでした。しかも、もっと張ってくれそうな雰囲気でしたよ」
セ「ここからは店長の許可が必要です。今日、決めていただけるようでしたらさらにいけます!」
X「今日は無理ですね。営業さんの感覚でいいんですけど、店長さんにお願いすれば、あとどれくらいいけると思いますか?」
セ「おそらく5から10(万円)くらいだと思います」
 この営業さん、年が近くて話がしやすい。最終的にキーマンになるかもしれない……などと思いつつ「明日もういちどお伺いします」と告げて退散しました。
 経営の異なるホンダC店へ。相手はいかにもやり手という感じのベテラン。なんだかやりにくい。
X「日産のe-POWERか、それともホンダのハイブリッドか?正直、迷っています。セレナはいきなり25万円引きで、30万円引きオーバーは確実ですね。ステップワゴンはどうですか?」
セ「うちはそこまでちょっと……乗り心地や機能、燃費には絶対の自信を持っていますので、そこで判断してもらえると……」
 拍子抜けですわ。やっぱりベテランはそうくるか。ステップワゴンなら、さっきのホンダB店と勝負したほうが良さそうです。

【1月6日(日)】 嫁御も私も気持ちはステップワゴンに傾いていますが、セレナe-POWERにもまだ未練が残っています。日産B店へ出向いてみました。
 相手は感じのいいセールスレディさん。根っからのクルマ好きのようで、セレナのことをまるで子供のように話す。こちらも正直にこれまでの経過を伝えて、嫁御はセレナ推し、私はステップワゴン推しという設定で攻めました。
X「支払い総額315万円になりませんか?」
 逆算すると、値引きは55万円になる。すかさず店長の登場!
店長「付属品をたくさん付けていただけると頑張れますが……」
X「必要のないコストはかけたくないんです。正直、すでに大詰めにきています。だから限界値を教えていただけないでしょうか?」
店長「315万円は私の権限でも厳しいので、もう少し待っていただいてもよろしいですか?」
 奥に消える。さらなる上層部と相談するらしい。
10分後、提示してきた見積もりには日産A店と同じ支払い総額345万円となっていました。店長さんの雰囲気からすると、あと10万円くらいの上乗せ(値引き35万円)はいけそうですが、希望の315万円にはほど遠い。
 ここでいったん帰宅。家族を家に残してホンダB店へ。私一人なら契約を強く迫られた場合「嫁御に相談しないと決められない」との逃げ口上が使えるからです。
 例の「キーマンになりそう」と思っている営業さんと商談。
X「嫁御が『セレナがいい!』とノリノリなんです。正直、日産が30万円を大きく超える値引きを出してきているんで、ホンダ派の私は旗色が悪いんです。どうにか助けてください!」
セ「え~そんなにですか……わかりました。店長に相談してきます」
「店長タイム」から戻ってきて、提示してきた条件は支払い総額325万円。逆算すると値引きは約30万円。ちょっと顔がニヤけそうになりますが、しっかり我慢する。
X「セレナは4年半のメンテパックを含んで335万円なんです。決めるといえば330万円くらいはいけそうですよ。こちらの場合、メンテパックは2年半で325万円だから4年半のトータルコストで考えると、セレナのほうが安くなっちゃうんですよねー」
セ「う~ん……お待ちください」
 再び「店長タイム」。
セ「お待たせしました。メンテパックを3年・車検費用込みのタイプに変更しました。これで支払い総額を325万円にします。決めていただけませんか?」
X「嫁御と相談させてください。あとで電話をします」
 帰宅して家族会議を招集。ステップワゴン一本に絞ることに決定。早速、ホンダB店へ電話。
X「嫁御もステップワゴンに傾いていますが、高い買い物なのでここはひとつ冷静になろうってことで、1週間待ってください」
 なお、トヨタと日産に電話を入れて丁寧にお断りしました。

激突! キーマンVS笑顔マン、決め台詞は「会いたかった!」

【1月13日(日)】 いよいよ最終決戦の日。ホンダB店に勝負をかけるつもりですが、もう1店、別会社のホンダD店が残っています。この店から知り合いがクルマを買っているため、担当の営業さんに紹介を入れてもらうことができます。松本さんに電話を入れて、このことを相談すると、
松本「まずは一番手応えを感じているホンダB店に出向いて、最終交渉をします。もしも納得のいく条件が出たら、この時点で終了です。ただし、納得できなかったらホンダD店に一発勝負を仕掛けてみたらいいでしょう」
 なるほど。さらに土壇場で有効な決めゼリフを何個か授かった。
 ホンダB店へ乗り込みました。
X「年齢も近いし、今後の付き合いも含めてあなたからステップワゴンを買いたいです。条件しだいでこの場で決めます!」
セ「ありがとうございます。ご希望額はいくらですか?」
X「えーと、嫁御に『サイドバイザーは必要だ』って怒られちゃったので追加します。それからナンバープレートロックとフレームもお願いします。メンテパックを車検費用2回込みの「5年もの」に変更してください。これで総支払い額320万円になるなら、この場で印鑑を押します!」
セ「う~ん……値引きが50万円になっちゃいます……さすがにそこまでは厳しいですね、ともかく、店長に相談してみます」
X「実は、友達から別のホンダ店を紹介してもらっていて、いつでも商談できる状態なんです。でも、そこと商談したら、友達の手前、決めなきゃいけないって雰囲気になっちゃいますよね。だから、もしもこちらで320万円にOKが出たら、向こうはすぐに断ります。厳しいお願いばかりして申しわけないです。無理はしないでくださいね」
セ「いえいえ、頑張ります!」
 こっちもドキドキです。ジュースを飲んで待ちました。
セ「Xさん、なんとか332万円で決めてもらえませんか。これが本当の限界です」
 う~ん……実は、325万円なら妥協するつもりでいたけど、332万円か……決められません。
X「嫁御と昼食を食べながら相談しますね。また連絡します」
 ホンダD店へ、レッツゴー!
店内はビックリするくらい大盛況。あとからわかったのですが、なんと、このときクルマを誘導してくれたのは店長さんでした。店長さん、めっちゃ走ってた(笑)。
 紹介してもらった営業さんはとても話が上手な「笑顔マン」。雑談も今までの誰より盛り上がりました。フィーリングバッチリで、この時点で買う気マンマンになってしまいましたが、なんとか冷静に挑みました。
X「実は、セレナが第一候補だったので、いままでこちらを紹介してもらわなかったんです。買えなかったら友達の顔を潰しちゃいますからね。でも、試乗してステップワゴンが大好きになりました」
セ「ありがとうございます。お友達にはたいへんお世話になっておりますので頑張ってやります!」
X「正直、他のホンダさんで決める決めないの土壇場まできてるんですよ。もう覚悟はできているので、今日、一発勝負で決めるつもりです!」
セ「実際、あちらではいくらになっていますか?」
X「332万円が出ています。決めればもうひと踏ん張りしてもらえるかもしれません。でもあなたに会いたかったので、夕方まで保留にしてもらっています」
セ「ありがとうございます!」
X「友人からは営業さんはとても面白くて誠実な人と聞いていましたが、本当にその通りだと思います、家から一番近いホンダということもあって、こちらから買いたいです」
セ「わかりました。ちょっと計算してきますね。ご希望額はありますか?」
X「325万円なら即サインします。印鑑も持ってきています!」
 これでダメなら仕方ない。言う事は言いました。
 しばらくして戻ってきました。
セ「328万円が限界ですけど……325万円でやりましょう! 今後ともよろしくお願いします」
 目標達成! 最終的な条件は車両本体と付属品9万6984円/メンテナンスパック16万4250円から46万7214円引きとなっていました。

購入データ
From神奈川県
HONDA ステップワゴン
スパーダハイブリッドG
トータル値引き 46.7万円

値引き採点 5
 初めての新車購入ですが、ベテラン顔負けの交渉を展開してくれました。なによりX氏のモットーである「明るく、楽しく、したたかに!」を実践していることを高く評価します。
 作戦面では「夫婦仲違い戦法」に注目してください。本誌ではおなじみのやり方ですが、今回も大きな効果を得ています。また、紹介の店にはX氏がやったようにライバル店の条件が出揃ったところで一発勝負を仕掛けると大いに有効です。さらにメンテナンスパックの期間を含めたトータルコストで攻めたのも説得力がありました。
 ステップワゴンからこれだけの値引きが取れれば大成功。付属品を抑えているため値引き率は13.6%となっています。



提供元:月刊自家用車


この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ