輸入車
更新日:2019.08.22 / 掲載日:2018.09.27

ジャガーから電気自動車のSUV「I-PACE」が登場!

文と写真●内田俊一

 ジャガー・ランドローバー・ジャパンは9月26日に、フルバッテリー電気自動車のSUV、ジャガーI-PACEの受注を開始した。価格は959万円から。

ユニークなプロポーション

 I-PACEはキャブフォワードのユニークなデザインプロポーションを纏っている。発表に際し来日したジャガー・ランドローバー・アドバンストデザインディレクターのジュリアン・トンプソン氏によると、「ジェームスボンドの映画にも出たC-X75のモチーフを取り入れながらデザインされています」と明かす。

 その特徴はショートノーズ、キャブフォワード、ショートデッキというプロポーションだ。フロントにエンジンがないことからショートノーズを実現。また、3mにも及ぶホイールベースに対し4.7mに満たない全長のバランスから、キャビンの大きさがうかがえ、実際のスペースもラージサイズのSUVに匹敵するものだという。

 フロントフェンダーは少し盛り上がりを見せ、「まるで動物のジャガーの肩まわりのように見せ、また動きも感じさせています。どのジャガーも1時間に100マイル(約160km)は走りそうだ、止まっていてもそのスピードを感じさせていますので、このI-PACEも同様に仕上げているのです」という。またキャブフォワードのデザインは「まるでミッドエンジンのスポーツカーのようなレイアウトで、ユニークな雰囲気を醸し出すとともに、モダンさも感じさせているでしょう」とトンプソン氏はいう。

 このボディは、多くの時間を風洞で費やしCd値0.29をも実現している。その空気の流れは、フロントグリルから入り、ボンネット上に抜けフロントウインドウに沿ってリアに向かって流れていく。また左右のバンパーの端にあるエアインレットからホイール周りに抜いてボディにも沿わせているという。これらにより、リヤウインドウが汚れることがなくなり、リヤワイパーの必要がなくなったという利点も生まれた。この空力の利点はリヤまわりのエッジを効かせたデザインも有効に働いている。

 収納関係も充実しており、センターアームレスト下に10.5Lのストレージ、リヤシート後方に656Lのラゲッジスペース(最大1453L)、リヤシート下のタブレットやラップトップの収納スペース、ボンネット下には27Lの“フルート”と呼ばれるスペースなどがあり、有効なスペースを活用している。

ツインモーターAWD

 パワートレインは、永久磁石の同期式電動モーター前後にひとつずつ搭載。フロントモーターは前輪を駆動し、リヤモーターは後輪を駆動するAWDだ。この2つを合わせて最高出力400馬力、最大トルク71.0kgmを発揮し、0から100km/h加速は4.8秒を記録している。

 その一方、航続距離はWLPTモードで470kmを有している。またいわゆるワンペダルフィーリング、ジャガーではシングルペダルドライビングも可能だ。

 ボディの94%はアルミを使用。前後重量配分は50対50を実現している。また特筆すべきはねじり剛性で、ジャガーFタイプの33kNm/degを上まわる36kNm/degを実現している。これにより、「乗っていて安心で酔わないスムーズな走りとともに、前ダブルウィッシュボーン式、リヤはインテグラルリンクというサスペンションから、素晴らしい乗り味と走行性能を両立しています」とジャガー・ランドローバー・ジャパンマーケティング広報部ディレクターの若林敬一氏は述べる。

 さらにエアサス搭載車については車高調整が可能で、悪路では+50mm、乗降時は40mm下げることが可能で、高速走行時には10mm程下げるということができる仕様になっている。

 またジャガー・ランドローバー社のクルマらしく渡河水深度も500mmと確保されているのも大きな特徴といえるだろう。

 そのほかADAS系の装備も、走行中(0-180km/h)、カメラとレーダーが連動して前方の車両とレーンをモニターして車両をレーン中央に維持しながら、前方の車両に応じて速度を自動で調整するステアリングアシスト付きアダプティブ・クルーズコントロールを初搭載。そのほか、緊急ブレーキ、エマージェンシーブレーキアシスト(EBA)など、豊富なドライバー支援システムが装備されている。

 また、人工知能(AI)アルゴリズムを使用した“スマート・セッティング”を初採用。リモートキーとスマートフォンの Bluetooth を介して、近づいてくるドライバーを認識し、ドライバーの好みに応じて、温度設定やインフォテインメント、シート位置等を自動調整するおもてなし機能も搭載されている。

普通、急速充電の両方に対応

 充電関係では、最大7kWの普通充電と100kWのDC急速充電(日本では50kWのCHAdeMO規格)急速充填の両方に対応しており、0%から80%までバッテリーを充電する際、100kWの場合は約40分、50kWの場合は約85分、7kWの場合は、約10時間で充電可能だ。

 さらに、保証期間もI-PACE独自のもので、通常のジャガー車の3年10万kmの保証に対し、5年走行距離無制限の新車保証となる。また、バッテリーに関しては最長8年間、または16万kmの保証で、その容量が70%以下なった場合にはこれを交換するという。メンテナンスフリーパッケージについても他のモデルの3年間から2年延長して5年間となっている。

シビれる電気ジャガー

 今回の発表会会場には“JAGUAR ELECTRIFIESシビれる電気ジャガー”という文字があちらこちらに散見された。このELECTRIFIESとは、「電動化を進めるという意味と、電気は刺激にもなりますから、刺激を与えるという意味も込めました。まさにこれを日本語にすると“シビれる”となります。そこで、感性をシビれさせる、感性が刺激されるクルマがI-PACEと考え、このワードを使っています」と若林氏はコメントする。

 そのほか、ジャガー・ランドローバーのオンラインセールスアドバイザーというシステムから、3台のみだがI-PACEをいち早く購入することが可能となっている。また、10月1日に有明にオープンするジャガー東京の新ショールームでも11月14日から12月20日の期間で先行試乗と受注会を開催。ここではカスタム受注も用意されており、「現在の受注状況では3月納車ですが、この期間のパーソナライズでの受注では、4月から5月納車のクルマをベースに自分好みのクルマをオーダーできる販売プロモーションです」と述べた。

すごくスムーズでまるで空を飛んでいるかのよう…錦織圭

プロテニスプレイヤーの錦織圭選手

 最後に2014年からジャガーのブランドアンバサダーを務めるプロテニスプレイヤーの錦織圭選手が登場。I-PACEの第一印象を問われると、「パワフルな印象とともに、電気自動車ですが格好良さや速さを感じるクルマですね」と高評価な様子だ。また、試乗した感想は、「乗り心地がすごくよくて、電気自動車ならではの音の静かさがすごく印象的で、未来感をフィーリングで感じました。すごくスムーズに動くので、まるで空を飛んでいるようなイメージでした」とうれしそうに語った。


ジャガー I-PACE FIRST EDITION(CVT、4WD)

全長×全幅×全高 4682×2011×1558mm
ホイールベース 2990mm
車両重量 2670kg
モーター最高出力 400ps
モーター最大トルク 71.0kgm
サスペンション前/後 ダブルウィッシュボーン/インテグラル
ブレーキ前後 Vディスク
タイヤ前後 235/45R18

販売価格 959万円~1312万円(全グレード、FIRST EDITIONを含む)




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グーネットマガジン編集部

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