新車試乗レポート
更新日:2018.11.07 / 掲載日:2018.01.30
エクリプスクロス徹底解剖

本当に知りたい部分を最速CHECK
発売前から大人気! その秘密はデザイン?走り?装備?
今、最も注目されているSUVと言っても過言ではないエクリプスクロス。現在、予約受注も開始されているがその反響は予想以上。そこで本誌ではエクリプスクロスを細部にわたり徹底的に検証&解剖。ユーザーが気になるアレコレを、総力を挙げてCHECKした。
発売前にもかかわらず大注目のそのワケは!?
先月号でプロトタイプインプレッションをお届けしたエクリプスクロスだが、いよいよ正式発表までカウントダウンとなっている。新生三菱の第一弾ということで昨年のジュネーブモーターショーでの世界初公開以降、長期的なティザーが行なわれている。ちなみに年始からTV-CMも開始されており、目にした人も多いはず。
三菱らしいウエッジシェイプのクーペスタイルと居住性/積載性を両立させたパッケージング、新開発の1.5Lターボ+CVT、オールホイールコントロール理論によるランエボ譲りのオンロード性能とパジェロ譲りのオフロード性能をバランスさせた走りが魅力。国内外でプロトタイプに試乗した自動車メディアの評価の高さも後押しし、注目が集まっているようで、ディーラーには多くの来場者が押し寄せるなど嬉しい悲鳴も。
また、東京オートサロン2018では、何と発売前にもかかわらずカスタマイズモデルをお披露目。スタイリッシュさに磨きをかけた「プレミアムスポーツコンセプト」とタフなイメージを引き上げた「フィールドアスリートコンセプト」の2台は会場でも大きな注目を集めていた。早くも今年を代表する一台になりそうな勢いだ!!
より際立つカッコ良いエクリプスクロス登場!
東京オートサロン2018 話題のコンセプトモデル
東京オートサロン2018(期間:1月12~1月14日 場所:幕張メッセ)では2台のエクリプスクロスのコンセプトモデルが早速登場し、会場を沸かせた。ノーマルでもスタイリッシュなデザインがよりスポーティに、そしてアクティブに仕上げられた2台。すぐにでも市販化を望みたいモデルだ。
エクリプスクロス PREMIUM SPORTS Concept

上質でスポーティなハイスピードツアラーをイメージ。フロントバンパー及びサイドドアガーニッシュをボディ同色とし、ボディ下部をモノトーンに統一。フロントアッパーグリルはダークメッキ化。
煌びやかでドレッシーな20インチのRAYS製アルミホイール。
スエード調人工皮革&合皮のコンビシートが専用で備わる。
エクリプスクロスFIELD ATHLETE Concept

外装色にはノーマルでは設定のないブロンズメタリックを採用。エンジンフードプロテクターを装備し、パジェロにも通ずるアクティブなイメージを醸しだしている。
大地を疾走するダイナミックなSUVをイメージ。
18インチのRAYS製アルミホイールがより力強い印象を与える。
徹底解剖1 エクステリア&実用性

高いデザイン性と共に実用性もしっかり両立
エクステリアは前傾姿勢で上半分がパキッとしたスマートかつ都会的な洗練さ、下半分は筋肉質で安心感のある三菱のSUVらしさを表現。ウエッジシェイプのスタイルは都会に溶け込む有機的なデザインが多いライバルに対して、逆に新鮮で個性的に見えるはずだ。ボディカラーはこのデザインをより活かすべく上塗り工程を2回行なうこだわりの赤「レッドダイヤモンド」が新開発された。
クーペスタイルと言うと「カッコ優先で居住性は二の次」と思われがちがだが、緻密なパッケージングによってカッコよさを損なわずに高い居住性と取り回しの良さを実現。特に後者は175mmという比較的余裕ある最低地上高によって、高いアイポイントを実現したことにも因る。これにより、すれ違いのシーンなどにおいて1.8mを超える全幅をあまり意識せず運転できるはずだ。ただしその高さのため、乗降性は賛否両論。特に子供や小柄な女性の場合、足着き性はあまり良くないだろう。逆に成人男性は乗降のしやすさを感じるかもしれない。勿論、高さの分、悪路走破性は高まっていることも踏まえると、同車がカッコだけのSUVとは一線を画すことは理解できるはずだ。

スタイリッシュなクーペフォルムだが全高は思いのほか高く1685mm。トヨタC-HRやスバルXVのプラス約100mmある。この高さだと立体駐車場では厳しい場面もあるが、その分最低地上高は175mm確保。
ヒップポイントとサイドシル構造を最適化した結果、乗降性は良好だが、足着き性は体格差が出る。
リヤウインドウはデザイン等の関係上、上下2段に分かれるが視界は十分確保されている。
エントリーグレードのタイヤは16インチ。18インチとは異なる落ち着いた雰囲気だ。
エクリプスクロスの登場は歴史上、偶然ではなく必然
一昔前ならスペシャリティカーは2/3ドアクーペと相場が決まっていたが、クーペ市場の衰退と相まって台頭したのがパーソナル&スペシャリティ志向のSUVである。その点では一時期は“三菱・スペシャリティ”の看板を背負っていたエクリプスの名を冠したのも大いに納得できる。
ただし、外観を見ても分かるようにスポーティなキャラを与えてもアウトドア志向のレジャーワゴンとして、パジェロの血統が濃く受け継がれている。さらにハード面ではアウトランダーの流れを汲み、ラフ&オフロード適性やキャビンユーティリティを配慮した設計が施されているのはマジメだ。
また、同車のスペシャリティカーとしての訴求点として、4WDスポーツを支える走りの技術も見逃せない。ランエボで磨いたオン&ラフロードでのフットワークや圧倒的なターボのパワーは三菱のお家芸。とりわけ今回のエンジンは、三菱の登録車では久々の新型ガソリンターボである。しかも、ポート噴射/直噴併用などの最新技術を導入。期待値は高まるばかりだ。そう考えていくと、エクリプスクロスは時流に乗った結果ではなく、三菱の伝統と血脈の必然的帰結と考えるべきだろう。
徹底解剖2 ドライバビリティ

走りの良さはホンモノだ!
■1.5L直噴ターボエンジン。 燃料噴射を精密に制御し、2.4L NA並みのパワーを達成。気になる燃費は15.0km/L(JC08モード)と一般的。
■ストラットタワーバー。ボディのフロント部に3点式のストラットタワーバーを装着し剛性を高め走りの質が向上。
■CVT(8速スポーツモード付き)。CVTの癖を感じさせないスムーズなフィーリングが魅力。パドルシフトも装備している。
自慢のS-AWCはココがポイント!
路面にあわせた走行モードを任意でも選べる(通常はAUTO)。
45度の傾斜も楽々こなす実力を備える。
前後の駆動力配分とブレーキによって各輪の動きをそれぞれ制御し、意のままにクルマを走らせられるのが特徴。だから、ワイディングから悪路まで楽しく、安全に走ることが出来る。2WDとの価格差はあるものの、価値ある機構だけに積極的にオススメしたい。
徹底解剖3 インテリア&居住性
オーソドックスなインパネだが使い勝手は良好。写真のスマホ連携ディスプレイは最上級グレードしか選択できないものの、このグレードだとナビレス仕様を選べない。
スマホと連携しない場合、ナビ機能などは使えない点も注意。なお、ヘッドアップディスプレイはエントリーグレードを除き標準。
電動パーキングブレーキ。エントリーグレード以外標準となる。
スマホ連携ディスプレイ。最上級グレードにのみ標準。タッチパッドコントローラーで指先のみでも操作できる。
電動パノラマサンルーフ。前席側は開閉するが後席側は固定式。エントリーグレード以外にOP設定。
身長170cmの成人男性が前後共に窮屈な思いをせず、快適に過ごせる室 内空間を実現した。特に後席膝回りの余裕はライバルを圧倒している。
後席は前後に約20cmスライドする。
8段階のリクライニング機構と合せれば成人男性が脚を組んでゆったりと過ごすことも出来るスペースに。
奥行最大1370mm、幅最大1320mmを誇るラゲッジ。
ラゲッジアンダーボックスは複数の間仕切りによって使い勝手を高めており実用性に優れる。
フロントドリンクホルダーは照明付き。
フロアコンソールボックスは500mlのペットボトルが縦に入る深さ。
グローブボックスは便利な2段タイプ。
提供元:月刊自家用車