中古車購入
更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.28

三菱アウトランダーPHEVのツインモーター4WDのコントロール性は想像以上

普通の4WDとまったく変わらない

滑りそうで滑らない! フロントに60kW、リアに60kWのツインモーター4WDを採用。プロペラシャフトがなく、瞬時に駆動が生まれるため、レスポンスがよくコントロール性に不満はない

滑りそうで滑らない! フロントに60kW、リアに60kWのツインモーター4WDを採用。プロペラシャフトがなく、瞬時に駆動が生まれるため、レスポンスがよくコントロール性に不満はない

【本記事は2014年3月にベストカーに掲載された記事となります。】発売から1年以上経過したアウトランダーPHEVながら、今まで雪道での試乗をしていなかった。このクルマの“売り”は「ECOカーの4WD」だということを考えれば、何で今まで試してなかったの、ということでございます。言い訳から書かせて頂けば、雪道を走ろうとすれば広報車用にスタッドレスタイヤ+予備ホイールを用意しなければならないなど、けっこう大変なのだった。アウトランダーPHEVを売りたい三菱自動車としちゃ、ぜひ性能を試して欲しい、ということなんだろう。そんなこんなで氷上試乗会でございます。厚さ40cmに凍結した女神湖の特設コースで存分に走り回ってください、という。果たしていかに? 結論から書くと「前輪と後輪が完全に独立している4WDもガンガン走れますね!」。もっと正確に表現すれば、普通の4WDとまったく変わらないのだった。

三菱自動車ならではのノウハウ

リチウムイオンバッテリーが床下にレイアウトされ、低重心の走りを生み出す。氷上でもそのメリットを存分に発揮する

リチウムイオンバッテリーが床下にレイアウトされ、低重心の走りを生み出す。氷上でもそのメリットを存分に発揮する

普通、後輪を小さいモーターで駆動するタイプの4WDは、発進時のみしか稼働しない。50km/hくらいになったら、ほぼFFといっていい状態になる。しかし大容量の電池&大出力モーターを搭載しているアウトランダーPHEVは、高速域までキチンと後輪にも駆動力を伝えられるのだった。アクセル戻した時の回生ブレーキだって後輪に作用しているため、減速時のバランスもいい。少しばかり専門的になるが、回生ブレーキ中にロックした時のABSの稼働なんかすばらしい! 当然ながら微妙なコントロールを苦手とする回生をカットし、すぐ油圧系の制御入れるのだけれど「4WD作りの歴史が長い三菱自動車ならではのノウハウですね!」と感心しきり。まったく違和感ないです。長い実績を持つ従来型の4WDシステムから乗り換えたって、まったく違和感なし。

ツインモーター4WDのメリットとは?

ツインモーター4WDのメリットとは?いっぽう、モーター駆動のメリットってないのか? 私は「ある」と考えます。ガソリンエンジンの場合、アクセル踏み込むと必ずトルク変動出てしまう。クラッチつながる時もトルク変化する。だからこそ滑りやすい路面では丁寧にアクセル操作しろ、といわれるワケ。モーター駆動だと伝達トルクをコントロールするのが簡単。変速ショックすらない。多少ラフにアクセル操作しても普通に走れてしまう。また、前後の駆動力配分だって自由自在。前後に付いているモーターの出力を別個に制御すればいいだけ。アウトランダーPHEVの『AUTO』モードは基本的なトルク配分が前輪45%、後輪55%になっているそうな。いうまでもなく前輪の伝達トルクを小さくすれば、ハンドル切った時、素直に曲がれるようになる。その気になれば後輪駆動車のような駆動力配分だって可能。実際、滑りやすい状況だとAUTOモードの方が、前輪55%の後輪45%となる『LOCK』モードより回頭性がよかった。滑りやすい道だとアンダーステアよりハンドル切った方向を素直に向く「ニュートラルステア」の方がビギナードライバーでも安心なのだ。立っているのもやっと、というくらいツルツルのアイスバーンになったら、どんな駆動力配分だって激しく滑りますけどね。三菱自動車としちゃ「エラそうに評論するけど、どのくらいのテクニックを持ってるのか?」と興味深かったんだろう。「余興ですが」ということでメディア対抗のタイムアタック競争なんぞ企画していましたね。編集とライターの総合タイムで順位を付けようというもの。結果はサテオキ、何より驚いたのは、12回も連続してアクセル全開走行しても、電池容量含めまったく問題なかったこと。タフだ。

アウトランダーPHEVに弱点はあるか?

アウトランダーは電子制御カップリングによる4WDだが、こちらもコントローラブルだ

アウトランダーは電子制御カップリングによる4WDだが、こちらもコントローラブルだ

アウトランダーPHEVに弱点はあるか?さて。アウトランダーPHEVを氷道で走らせた時の弱点はないの? 見当たりませんね。一般道だと「EVモードで巡航している時からアクセル全開した時のタイムラグ」が大きな課題になっているものの、滑りやすい氷道じゃこれ以上パワーあっても使い切れない感じ。ECOカーが苦手とするヒーターのききも、エンジン掛かっていればいくらでも暖房用お湯を供給できるため問題なし。ちなみに今回の試乗車はヨコハマのジオランダーIT-Sと、BSの新製品ブリザックVRXを履いていた。アイスバーンをはじめ、少しグリップのある新雪など走ってみたが、両者互角といった感じ。最も性能の差が出やすいブラックアイス性能についても甲乙付け難し。コーナーで横G掛かった時のしっかり感はいい勝負。少なくとも今回の2銘柄なら日本の雪道を安心して走れると思いました。

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ