中古車購入
更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.01
ついに公道で乗ったゼ! 日産リーフ最速試乗!!
町田市でリーフ試乗

さっそくi-MiEVと比較試乗
【本記事は2011年3月にベストカーに掲載された記事となります。】一昨年の8月にお披露目され、昨年4月に価格発表(予約受注開始)、12月に正式発表となった日産リーフ。すでに今年度生産の国内割り当てぶん6000台は完売しているが、個人向けの納車はいっこうに始まらず、本企画担当をはじめ多くの「リーフの性能が気になってしかたがない人々」は、やきもきしていた。リーフの納車は昨年12月下旬、神奈川県の公用車からスタートしており、(埼玉県)さいたま市、(東京都)町田市などの地方自治体に順次届けられていた。本誌は「リーフを予約した」という本誌関係者や販売店幹部と連絡を取り合い、1月下旬に納車されるはずだというリーフを探していたが……個人ユーザーへの納車はほとんどが2月中旬以降にズレ込んだため、試乗ができなくなってしまった。そんな時に力を貸してくれたのが町田市。カーシェアリング用として2台納車されたリーフのうち1台を試乗させてくれるという。なんて太っ腹! 聞けば町田市の石阪丈一市長は本誌の読者だとか。石阪市長! ありがとうございます!
「町田リサイクル文化センター」

試乗したのは町田市内の一般道。混雑する夕暮れ時で、バス通りは渋滞。外気温5度だったのでヒーターを使用した
そんなわけで取材班は、本誌社用車である先輩EV、i-MiEVを駆って、リーフが置いてある「町田リサイクル文化センター」まで向かった。入り口にドンと急速充電器が置かれたリサイクル文化センターの駐車場には、白いボディに町田市のカッティングシートが貼られたリーフが鎮座。さっそく担当の町田市環境資源部環境総務課、水越祐介課長補佐に話しを聞けば、「1月19日に納車したばかり」とのこと。「乗ってみるとまず静かで驚きました。次に驚くのは加速です。V6、3Lクラスのトルクを感じます」それは楽しみ! 町田市はカーシェアリングの社会実験として2台のリーフを導入したが、どちらも予約はすぐ埋まってしまうとのこと。
ハンドリング&加速チェック

どちらも2名乗車で往復約22kmの道のりでテスト。注目度は抜群で、道行く人が振り返る。これがなかなか快感であった。町田市には急速充電施設が多く、安心してEVが購入できる地域でもある
さっそく乗り込み、エンジン……もとい、モーターを始動。ブウン、カチ、カチというメカニカル音とともにインパネが光って「Ready」の文字が点灯する。ここらへんはi-MiEVとほぼ同じ。まずはスルスルと構内を走ってみると、走行安定性に驚く。i-MiEVでも床下にバッテリーがある関係でノーマルのiよりだんぜん安定性が高いが、リーフは薄いラミネート型バッテリーを床下に敷き詰めている関係から、さらに重心が低く、安定した走りを見せる。これぞ「オン・ザ・レール」。アクセルを踏んだぶんだけ真っ直ぐシュパーンと加速していくわけだ。室内の静かさも特筆すべきもの。30km/h走行時の室内遮音性能は、レクサスを上回っている。音が静かで走行安定性が高く、加速も鋭いため、結果として上質感が大変高く感じるのだ。本企画担当、先日乗ったフーガHVなみと感じました。ブレーキフィールは若干固めのセッティング。VW車のように「遊び」が少なく、踏めばガチッと効くパターン。ここらへん、比較的ガソリン車のフィーリングに近いi-MiEVとは対照的だった。もうひとつi-MiEVとの違いが際立ったのがアクセルオフによる回生。i-MiEVは通常の「D」「ECO」レンジにしてもそうだし「B」レンジにすると特に、アクセルオフで強めの(エンジンブレーキに似た)回生ブレーキがかかる。しかしリーフの回生は比較的「緩め」。これは「D」レンジにしても、回生を強める「ECO」レンジにしても感じたことで、「もうちょっとガシガシ回生してほしいのにな」と思ってしまった。
そして気になる「電費」は?

晴天だったが、外気温は5度でかなり寒かった。リーフはヒーターをつけた途端、走行可能距離が40km以上減った。いい意味でバッテリー残量の計算がシビア。標準装備のナビには最寄りの急速充電器表示機能もある 加速や走行安定性、静粛性はリーフが予想以上のポテンシャル!! (i-MiEV)i-MiEVは10・15モード燃費で160km走行可能 (リーフ)リーフはJC08モードで200km走行可能 i-MiEVも充分以上に満足だが……
今回試乗ルートに選んだのは町田市リサイクル文化センターから約8km先にある「三井アウトレットモール多摩南大沢」。混雑する夕暮れ時の一般道を往復すると、走行距離は22kmとなる。同じ道をi-MiEVが追走することで、「電費」の比較をしてみたい。リサイクル文化センターを出る時点で両車の充電状態は満タン。i-MiEVは16セグメント、リーフは12セグメントに切り分けられたバッテリー残量計は、ともにフル充電で埋まっている。走行可能距離はリーフが「160km」、i-MiEVが「100km」と表示されていた。通常の使用と同じ条件でテストするため、スイッチオンと同時にヒーターをつける。その瞬間、リーフの走行可能距離が「122km」にガクッと減る。やはりEVにヒーターは鬼門か。両車連なって丘陵地帯特有のアップダウン路を走行。町田街道(都道47号線)を北西に進むと、バス通りのためか渋滞中。エアコンはつけたままなので、急速にセグが減っていく。リーフは3km走った時点で1セグ消え、もう3km走った時点でさらに1セグ消えた。レンジは常に「D」モードに固定。アウトレットモールに辿り着き、南大沢の駅をぐるりと一周回って帰路につく。そのさい「ECO」モードに入れて走行フィールをチェックすると、確かにアクセルによる回生ブレーキが強くなり、アクセルオン時の加速が「緩く」なるのが体感できた。街中走行ならこれで充分だろうが、今回は「D」モードでの電費チェックのため、再び「D」へ戻す。出発地点であるリサイクル文化センターに戻り、i-MiEVとの電力消費量をチェック。●リーフ/12セグメント中3セグメント消費●i-MiEV/16セグメント中4セグメント消費どちらも「満タン充電から4分の1を消費」という点では互角だが、バッテリー容量はリーフが24kWhなのに対しi-MiEVは16kWhと、およそ3分の2しかない。つまり今回の電費競争では、i-MiEVのほうが消費電力は少なかった。今回のコースは比較的i-MiEVに有利な一般道の混雑路だったこと、i-MiEVは社用車だったため運転に慣れていたことなど、i-MiEVに有利な条件が揃ったとはいえ、リーフはもうちょい電費を稼いでほしかった!
リーフの更なる実力は?

今回は町田市の「リサイクル文化センター」を起点にしてテストを実施。町田市のカーシェアリング、詳細を知りたい方はhttp://windcar.jp/machida/index.html参照
もちろん今回のような短距離ではリーフの実力はわからない。次号では高速走行も含めた長距離ドライブでリーフの実力をさらに明らかにしたい!