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更新日:2018.11.14 / 掲載日:2017.11.30
2018年夏デビュー TOYOTA 次期クラウン

■主要諸元 ●全長×全幅×全高(mm):4910×1800×1455 ●ホイールベース(mm):2920 ●乗車定員:5名
1955年に初代が登場して以降、日本のモータリゼーションの発展と共に進化・熟成を重ねてきたクラウン。一部海外輸出も行われたが、基本は「日本専用モデル」。このスタンスは不変で、まさに「日本人のための高級車」を体現したモデルである。
歴代モデルを振り返ってみよう。純国産設計で開発された初代、丸みを帯びたスタイルを採用した4代目(通称クジラ)、フルモノコックボディとなった10代目、V6エンジンやプラットフォームなどゼロから開発した12代目(通称ゼロクラウン)。そして4気筒(ハイブリッド)搭載やピンクのボディカラーが話題となった14代目と様々なチャレンジが行なわれてきたが、15代目となる次期モデルは「レボリューションクラウン」と言いたいくらいの刷新が行われている。
エクステリアは4ドアセダンボディを踏襲しつつも、Cピラー(伝統の太いピラーを廃止)を寝かせた6ライトの伸びやかなスタイルは、ジャガーXJのようなプロポーションバランスを実現。
また、フロントマスクは大胆なデザインで話題となった現行モデルのイメージを受け継ぐものの、よりスマートなデザインへと進化。ちなみに新型はドライバー主体の戦略と若返りを図るため、従来のアスリート発展系のモノシリーズ展開となり、従来のロイヤルサルーンはグレードの一つとして設定されるようだ。
パッと見るとボディサイズが大きくなっているように思えるが、実際は全長4910×全幅1800×全高1455mm、ホイールベース2920mmと、現行モデルと比較すると、全長は+15mm、全幅は変更なし、全高は+5mmとなっているだけ。全幅はタワーパーキング対応寸法に収められているのは、日本専用モデルならではの計らいだ。一方でホイールベースは+70mm伸びているが、これは後席スペース拡大に用いられている。
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これまでのCピラー部分にもウィンドウが設けられる6ライトウィンドウを初採用。車高を落としたローポジションは、スポーツ心を巧みに刺激する。
Cピラーを寝かせたスタイリングは、アスリート系の流れを強く汲んだ結果。クーペ風味が強くなり、スタイリッシュな趣が強まっている。
従来型とは異なるシャープ感の強いライト形状も新鮮。小型化されながらもイルミネーション機能も内蔵されるようだ。フォグはLEDイルミネーションランプが採用さる。
滑らかな曲線が印象的なリヤコンビランプ。流麗なフォルムは、これまでのクラウンのイメージとは明らかに異なる。
展示車のグリルにはRSのエンブレムを確認。RSが示す内容は明かされていないが、普通に考えればレーシングスピリットなどの意味を持っているのだろう。
異形5スポークのアルミホイールには、否応にもスポーツを意識させるポテンザが組み合わされる。タイヤサイズは235/45R18。現行アスリートの上位グレードと同じサイズが収まる。
TNGA技術の投入で シャシー性能が大きく強化

トリムから続く白ラインがインパネ上部で繋がるデザイン。このまま市販化されるかは不明だが、通信機器の標準化など先駆的な装備が盛り込まれるだけに、大胆な造形が採用されるのは確実だろう。
インテリアもエクステリアと同様に刷新され、よりスマートなデザインとなっている。特徴的なのは上下のツインモニターだろう。
これは現行モデルで採用された「トヨタマルチオペレーションタッチ」の進化版と言えるアイテムのようで、上部モニターはインフォメーション表示、下部はナビゲーションや空調、オーディオなどのコントロールをタッチパネルで行なう仕組みになっている。インターフェイスは刷新されているが、操作レイアウトは従来モデルから変更されていない模様なので、歴代オーナーならば説明書を見なくても操作可能だと言う。
居住性は、これまでTNGA採用モデルはヒップポイントを低めにとることが多かったが、新型クラウンは現行モデルとほぼ同じ。頭上スペースはルーフラインを工夫することで、見た目以上の広さを実現している。基本はドライバーズセダンだがフォーマルセダン需要にもシッカリと対応する。
走りの部分は10代目のゼロクラウンから使われてきたプラットフォームに別れを告げ、「TNGA」に基づいたプラットフォームを採用。レクサスLC/LSで採用されるGA-Lがベースで、幅が狭いナロー仕様である。フロントミドシップ、低重心と原理原則に基づいた設計はもちろん、日本専用モデルながらも自動車開発の聖地「ニュルブルクリンク」で走行テストも実施。クラウンらしい快適性を継承しながら、200km/hオーバーまで想定した意のままに操れるハンドリングや走行安定性を実現している。ズバリ、走りのライバルはジャーマン3だそうだ。
また、新型クラウンには車載通信機(DCM)が全車に標準装備され、ビッグデータの活用やITSコネクトの普及など、クルマと社会、クルマと道、クルマとクルマなどの様々な「つながり」を持たせることで、安全はもちろん、カーライフの充実も目指す。正式デビューは来年夏とされるが、さらに深化を進めた新しいクラウンは、かなりの人気を集めそうな予感がしてならない。
展示されていたクラウンコンセプトのステアリング。センター部にクラウンマークが配される。全体の意匠は現行カムリに近い。右側スイッチはACC系、左側スイッチはオーディオ系に統一される。
展示車両のレザーシートは。内装色に合わせたホワイトレザー仕様。乗員の身体を優しく包み込む居心地の良さは、新型にも踏襲される。年配ユーザーを意識し着座位置をいたずらに低くしない設計はクラウンらしい配慮だ
エンジンやミッションの詳細は明らかにされていないが、ミッションはおそらく現行モデルにも搭載されている8速ATが組み合わされるはずだ。
上下にモニターが配されるツインモニター仕様。上は車両情報を表示するインフォメーションディスプレイ、下はナビ画面などを表示するメインディスプレイ。タッチパネル操作にも対応する。
ルームミラーは、後方カメラの映像をリアルタイムで表示するミラーレス仕様。おそらく通信機能との連携で様々な情報も表示できるはずだ。ミラーユニットの裏側にはカメラ&センサーユニットが配される。
欧州モデルのガラスルーフ装着車の中には、ルーフ全体にガラス面が広がるモデルもあるが、クラウンのガラスルーフはオーソドックスな形状だ。
提供元:月刊自家用車