新車試乗レポート
更新日:2018.11.15 / 掲載日:2017.07.20
プジョー 3008 試乗レポート
フルモデルチェンジを受けた3008は、力強いルックスを備えた正統派SUVに進化した。先進の電子制御システムを備えることで、前輪駆動ながらも悪路走破性能も期待できる。
知的なたたずまいと力強い走りを備えた新型3008
プジョー3008がフルモデルチェンジを受けた。カジュアルなクロスオーバーだった先代から一転し、新型の外観は典型的なSUVスタイルとなったのが見どころ。試乗会場で実車を目の当たりにすると、写真で見る以上に視覚的インパクトがある。長くてフラットなボンネット、高めのウエストラインには無骨な力強さがある。一方ボディサイドから眺めてみると、ドアシル下部にアーチ上のクロームトリムが与えられており、このおかげで前後フェンダーが力強く盛り上がるように見える。それはまるで鍛え抜かれた筋肉のような有機的造形である。またシャープなヘッドライト、獅子の鉤爪を表現した3D LEDリヤコンビランプのデザインは、過去のどのプジョーよりも洗練された印象を与えている。
コックピットに乗り込んでみて最初に感じたことは、細部に渡る質感の高さ。インパネやサイドドアの一部にキャンバス生地が取り入れられ、これがとても洗練。また新型3008から新世代の「iコクピット」が導入され、知性を感じさせる秀逸なデザインが大きな特徴だ。ステアリングは上端と下端が水平にカットされて小ぶりなサイズとなったことでメーターの視認性が向上し、足もとのスペースにもゆとりが生まれた。インパネ中央部には12.3インチのデジタルディスプレイが配置され、目的に合わせて4つのモードが選べる。そしてなにより、シートのつくりが非常によい。たっぷりとボリュームのあるサイズで、サイドサポートもしっかりしている。シートタイプは全車テップレザー&ファブリックが採用され、「GTラインデビューエディション」のグレードのみ「スポーツ」と呼ばれる専用デザインとなっている。そのほか、パノラミックガラスルーフが、限定車「デビューエディション」の全モデルに標準装備される。前半分がスライドしてオープンにできるので、これからの季節にぴったりだ。紫外線や熱線をカットする特殊なガラスが使用されているのもうれしい。
今回のフルモデルチェンジにあたり、シャシーが新世代のものへと切り替えられた。「EMP2」と呼ばれる新プラットフォームは、軽量で高剛性なのが売り。そこに積まれるのが最高出力165馬力を発揮する1.6L直4ターボで、トランスミッションは6速ATが組み合わされる。駆動方式は前輪駆動のみとなるが、「アドバンスドグリップコントロール」を採用することで悪路でも心強い。このシステムは舗装路を走るための「ノーマルモード」に加え、雪道走行を想定した「スノーモード」、ぬかるんだ泥地を走行するための「マッドモード」、砂地走行を想定した「サンドモード」、そしてスタビリティコントロール(ESC)を解除するための「オフモード」から選べる。さらに急斜面の下りを走る際にブレーキを踏まずとも低速走行可能な「ヒルディセントコントロール」が加わったことで、FFながらも、あらゆるシチュエーションで安心の走りが楽しめるようになった。
そんな背景もあり、プジョーが用意してくれた試乗コースはなんとオフロード。コース上には草むら地帯、砂利、そして激しいアップダウンがあり、かなり過酷。にもかかわらず、3008はこの悪路を難なく走破してみせた。サポート性に優れたシートのおかげもあり、走行中も十分快適。そのほか、日本人には馴染みのあるトルコン式ATを採用しているのでカジュアルな感覚でドライブできるのも注目すべきところ。SUVとしての実力の高さは本物である。
文と写真●GooWORLD
問い合わせ プジョーコール TEL:0120-840-240
Detail Check
先代と比べて全長は85mm、全幅は5mm大きくなり、逆に全高は5mm低くなった。サイドドア下部のクロームトリムも外観上の見どころである。
コックピット
コックピット
新世代の「iコクピット」が与えられた新型3008。12.3インチのデジタルディスプレイには、さまざまな情報が表示される。ダッシュボード中央には8インチタッチスクリーンを配置。
インテリア
インテリア
前後席ともに十分なスペースが確保され、フル乗員でも大人がしっかりくつろげる空間。大きくてサイドサポート性に優れたシートも魅力で、これならロングドライブでも疲れにくいはず。
装備
装備
限定車「デビューエディション」にはパノラミックサンルーフを標準装備。高めの目線と相まって、開放感は抜群。
エンジン
エンジン
現在ラインアップされるエンジンは、ガソリンの1.6Lターボとディーゼルの2Lターボとなる。トランスミッションはどちらも6速ATの組み合わせ。
ラゲッジスペース
ラゲッジスペース
フル乗員で520Lの容量を実現した荷室。先代と比べると88Lも拡大しているほか、張り出しが少なくて使いやすい。ハンズフリー電動テールゲートも装備。
タイヤ・ホイール
タイヤ・ホイール
タイヤサイズは225/55R18のアルミホイールが、限定車も含めた全グレードに装着される。ブラックアウトされたホイールアーチもSUVらしいポイント。
主要諸元:プジョー 3008 GTライン デビューエディション(6速AT)
全長×全幅×全高 | 4450×1840×1630mm |
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ホイールベース | 2675mm |
トレッド前/後 | 1580/1590mm |
車両重量 | 1500kg |
エンジン | 直4DOHCディーゼルターボ |
総排気量 | 1598cc |
最高出力 | 165ps/6000rpm |
最大トルク | 24.5kg m/1400-3500rpm |
サスペンション前/後 | ストラット/マルチリンク |
ブレーキ前/後 | Vディスク/ディスク |
タイヤサイズ前後 | 225/55R18 |
全国メーカー希望小売価格(発売 2017年3月)
3008 アリュール(6速AT) | 354万円 |
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3008 アリュール LEDパッケージ(6速AT) | 369万円 |
3008 アリュール デビューエディション(6速AT) | 398万円 |
3008 GTライン デビューエディション(6速AT) | 400万円 |
3008 GT BlueHDi(6速AT) | 426万円 |
Body Color
□パール・ホワイト ■ペルラ・ネラ・ブラック ■アマゾナイト・グレー ■ハリケーン・グレー ■マグネティック・ブルー ■メタリック・コッパー ■アルティメット・レッド |
低燃費と悪路走破性能を備えたFWDオフローダー
SUVといえば四駆という時代を過去のものにするのが、新型3008に装備される「アドバンスドグリップコントロール」。これは5つの走行モードに加え、下り坂で速度を制限しながら走る「ヒルディセントコントロール」がセットになった機能で、なかなかのオフロード走行が可能となっている。