車のエンタメ
更新日:2018.11.11 / 掲載日:2016.10.26
迷子になりたい少年の、ちょっと困った大冒険

クルマが大好きな少年が、大好きなクルマに乗るために、たったひとりで冒険に出かける――そんなキュートなCMがありました。2012年にドイツで制作された、メルセデス・ベンツの「The Journey」。
少年のロードムービーみたいな構成で、メルセデスのCMなのにメルセデスは内装しか出てきません。だけどメルセデスって魅力的だなぁって心底思わせてくれる、とてもすてきな作品です。
おとなしく寝たと思わせておいて、抜け出す準備万端……っていうのは、こどもの冒険物語のセオリーですね。コートにマフラー、帽子までフル装備で布団をかぶっていたのではさぞかし暑かったのではないかでしょうか。

どうやら目的地ははっきりしているよう。冒険の準備をはじめた少年は、地図をしっかり確認。


抜き足差し足、すっかり安心して眠っている両親を起こさないように、そーっとそーっと家を抜け出します。


なかよしクマくんも一緒に暗い夜道を歩きはじめます。どこに行くのかなぁ、怖くないのかなぁ、とハラハラしますが、少年は笑顔です。


途中でサンドイッチも食べて、まだまだ歩く。


電車にも乗りました。隣りのお兄さんに「こんな時間に坊主ひとりでどこ行くんだ?」って顔を向けられても、いたずらっぽい目で「ナイショだよ」の合図。


大きなビルが並ぶ街に到着。道をまちがえないように、ちゃんと地図を見て……って、横断歩道で地図を見てたらあぶないよ! 急ブレーキが間に合って、無事に横断。よかったー! 大きな地図に隠れるような少年が夜中に歩いていることに、ドライバーのおじさんもビックリしてますね。

ようやく目的地に到着!

見上げた場所は……「POLIZEI(警察署)」!?


建物の中では、強面の警察官がお仕事中。ちょっと困ったような上目遣いで見上げる少年。ご両親のことかなにかで困ったことがあって、こんな大冒険をしてきたのかなぁ?

警察官に「迷子になっちゃった」と助けを求める少年。え? 地図を見て、電車まで乗って来たよね!? ところが警察官は慌てた様子もなく「でも、この前もそう言ってきたじゃないか。ちがったか?」と少年に問いかけます。

「あ、バレちゃった?」。少年はあっというまに満面の笑顔に。こんな天使みたいな顔で見上げられたら怒れないですよねー。

パトカーの後部座席におとなしく座って、シートベルトもしっかり装着。お隣にはクマくんも座らせて、とっても嬉しそうにしています。

そんな少年の様子を見て、警察官も「しょうがないなぁ」という雰囲気に。

差し込んだキーには、スリーポインテッドスター。メルセデスのパトカーに乗りたくて、大冒険を敢行したんですね。

きっと、少年は過去にも迷子になってメルセデスのパトカーで家まで送ってもらったことがあったんでしょう。「もう一度、あのパトカーに乗りたい」という夢を大冒険で叶えてとっても幸せそうですが、事故に遭ったり、事件に巻き込まれたりするかもしれないんだから、もうぜったいにこんなことしちゃダメだよ!

このかわいい大冒険。本編には収録されていない、とってもかわいいシーンがあるんです。本編にはパトカーの外観は出ていませんでしたが、こちらにはメルセデスとBMWの2台のパトカーが並んだところも映っています。