車のメンテナンス
更新日:2026.07.05 / 掲載日:2026.07.05
ホンダCR-Vベースの新型3列シートSUVを開発! オデッセイ国内販売終了の受け皿に

ホンダが、現行型「CR-V」をベースとした新型の3列シートSUVを開発しているという情報をキャッチした。2026年度内とされる現行「オデッセイ」の国内販売終了によって生じる“大型ホンダ車”の空白を埋める受け皿として投入されるとみられ、デビューは2027年半ばが有力だ。パワートレーンは現行CR-Vの第4世代e:HEVを踏襲し、ライバルにはマツダ「CX-80」を見据える。生産は現行オデッセイと同様に中国で行われる可能性が高い。
ホンダは、ミニバン「オデッセイ」の国内販売を2026年度内にも終了する方針のようだ。現行(5代目)オデッセイは狭山工場の四輪生産終了にともない2021年末でいったん国内生産を打ち切り、2023年末からは中国で生産したモデルを輸入する形で販売を再開していた。しかし往年の人気は戻らず、直近の販売台数はピーク時から9割以上落ち込んでいる。
今回情報をキャッチした新型3列シートSUVは、まさにこの“刷新の主役”にあたる存在だ。ミニバンからSUVへと需要の重心が移って久しい現在、オデッセイが担ってきた「大きく乗れるホンダ」の役割を、より時代に合ったSUVのかたちで引き継ぐ狙いと見られる。
新型のベースとなるのは、2026年2月に日本市場へ復活したばかりの現行型(6代目)CR-Vだ。CR-Vは北米・中国を中心に世界で売れているグローバルSUVであり、すでに高い完成度と十分な車格を備えている。これを土台にボディを延長し、3列目シートを備えた7人乗りクラスへと仕立てるというのが開発の骨子だ。
現行CR-Vの全長は約4.8mだが、3列化にともなってホイールベースと全長は拡大され、全長5m級・全幅1.9m級というマツダCX-80に肉薄するサイズへと成長するとみられる。CR-Vで磨かれた上質な内外装の質感をそのままに、3列目までしっかり使える居住性をどう確保するかが、商品力を左右する最大のポイントになりそうだ。
パワートレーンは、現行CR-Vが搭載する第4世代e:HEVをそのまま踏襲する公算が大きい。具体的には、2.0L直噴アトキンソンサイクルDOHCエンジンに2モーター内蔵の電気式CVTを組み合わせ、CR-V専用に追加されたハイ/ローの2段エンジン直結ギアによって、登坂や高速巡航での効率と力強さを両立する構成だ。駆動方式はFFに加え、進化したリアルタイムAWDを設定すると見られる。
新開発のパワートレーンを起こすのではなく、すでに実績のあるCR-Vのハイブリッドを流用することで、開発コストと投入までのスピードを抑える狙いがうかがえる。経営の立て直しを進めるホンダにとって、既存資産を最大限に生かす“賢い派生車”という性格が色濃い一台になりそうだ。
新型3列シートSUVが真っ向からぶつかる相手として想定されるのが、マツダのフラッグシップSUV「CX-80」だ。CX-80は3.3L直6ディーゼル、同ディーゼル+48Vマイルドハイブリッド、2.5LガソリンPHEVという3本立てのパワートレーンを持ち、価格帯は約478万円〜約714万円と幅広い。直6・FRベースの走りと上質感を強みとするCX-80に対し、ホンダはCR-V由来のe:HEVがもたらす扱いやすさと電動らしい滑らかさで対抗する図式になるだろう。
デビュー時期は2027年半ばが有力とみられる。価格は3列シート化に応じてやや上に振られる可能性が高く、CX-80を意識した戦略的なプライシングをどう仕掛けてくるかが注目される。
ホンダはオデッセイの後継となる新型ミニバンの開発もすでにスタートさせているという情報もあるが、市場投入の順番としては、今回の新型3列シートSUVが先行するとみられる。SUV人気が続く市場環境を踏まえれば、まずSUVで“大きなホンダ”の受け皿を用意し、ミニバンはその後に続けるという判断は理にかなっている。
そして見逃せないのが生産地だ。新型3列シートSUVの生産は、現行オデッセイと同じく中国で行われる可能性が高い。理由はシンプルで、この新型SUVが日本専用ではなく、中国市場でも販売されるモデルとして開発されているからだ。ホンダは中国に計120万台規模の生産能力を抱える一方、2025年の現地生産は約63万台にとどまり、工場の一部休止に踏み切るなど稼働の最適化を迫られている。中国で売り、中国で作るグローバルSUVを日本へも導入するという座組みは、オデッセイで築いた中国生産・日本輸入のスキームをそのまま活用できる点でも合理的だ。
オデッセイが静かに表舞台を去る一方で、その需要を受け止める新たな主役として、CR-Vベースの3列シートSUVがどんな姿で登場するのか楽しみに待とう。