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更新日:2025.12.22 / 掲載日:2025.12.22
《先取り大研究》マツダ・新型CX-5
JMS2025で出会った要注目モデル「深掘り」大研究!
ジャパンモビリティショー(JMS2025)では、数多くの最新モデルがお披露目されたが、その中で外せないのは市販を前提としたモデルたちの動向だ。ここでは来年以降に市場投入が有力視されるクルマを徹底リサーチしてみるぞ。
●文:川島茂夫 ●写真:澤田和久
※本記事の内容は月刊自家用車2026年1月号制作時点(2025年11月中旬)のものです。
MAZDA 新型CX-5【デビュー予想:2026年夏】

スペース効率を向上させて現行型の弱点を克服
FR(縦置)プラットフォームを用いたCX-60が登場したことで、CX-5はFF(横置)プラットフォームを採用するマツダ車としては、最上級モデルとなった。マツダのラインナップ戦略としては、プレミアム性ではFRプラットフォーム車が上位設定、FFプラットフォーム車は実用寄りという棲み分けがなされるようで、その流れを受けて新型CX-5は、実用性向上をひとつの柱として開発されている。
全長とホイールベースはともに現行型より115㎜長くなっていて、これがそのままキャビン寸法の拡大に向けられる。新型のサイズ感は、ちょうど現行型CX-5と先代CX-8の中間的な設定であり、以前の流れからすれば「CX-6」と名付けられてもおかしくない。実際、車体寸法はミドルSUVとしては最大級だ。
実用性向上の工夫は、後席&荷室ドアでも実感。後席も荷室もドア開口部が拡大されたことで、乗降性や積載性は向上。ファミリー&レジャー向けの改善を売り物のひとつとしている。
ここはCX-60との棲み分けのポイントのひとつ。現行型は他社のミドルSUVと比べるとキャビン&荷室のスペース効率で劣る部分があったが、改良が加えられた新型は競争力も高まるだろう。
パワートレーンは、発表済みの欧州仕様車では2.5ℓの4気筒マイルドハイブリッドに6速ATの組み合わせになる。ディーゼル車に関しては、ディーゼルの人気が高い欧州でラインナップされないとなれば、国内で展開される可能性は低いだろう。
国内導入の当初は2.5ℓの4気筒マイルドハイブリッドのみのラインナップになりそうだが、ISGが組み合わされることで、燃費面は現行型の2ℓガソリン車に勝る省燃費性能を達成している。
ただ、このパワートレーンは繋ぎの感が強い。本命は2027年に導入が予定されているスカイアクティブZエンジン車(ガソリン)だ。スカイアクティブXエンジンの開発で得た大量EGRと急速燃焼による高熱効率化のノウハウを活かした新世代エンジンで、マイルドハイブリッドよりも強力な電動駆動を実現するストロングハイブリッドシステムとの組み合わせで、CX-5に搭載される。他社に比べると出遅れた感は否めないが、マツダならではのファントゥドライブの訴求と相まってハイブリッド車の台風の目になりそうだ。
走りに関してもオンロードでの走りの良さに加え、新型はマツダの走りの根幹となっている「人馬一体」を深化させ、同乗者にも魅力的な良質を備えた走り、自然で穏やかな安心感のある運転感覚や快適性の向上が図られる。いずれにせよ、次の世代の「魂動デザイン」と「人馬一体」は、新型CX-5から始まるようだ。
新型CX-5《エクステリア》
スポーティなイメージは健在
キャビン長が10㎝超えているが、全体のプロポーションは現行型から大きく変化していない。ボンネット長を長く見せるデザインはマツダらしいが、フロントマスク周りを軽やかにしたことで、FRプラットフォーム系モデルとは違ったスポーティな雰囲気がある。



新型CX-5《インテリア》
実用性向上の工夫が盛り込まれる
現行型と同様に本革仕様なども積極的に扱うのは間違いないだろう。新型の開発要点である実用性向上の工夫は、現行型に対してレッグスペースは64㎜、ヘッドルームは29㎜拡大。リヤドアは開口幅を約70㎜拡大し、乗降時の頭抜け及び脚捌きを改善。荷室は奥行きを45㎜拡大するほか、後席格納時の段差も減少させている。









新型CX-5《パワートレーン》
2027年にはストロングHEVも投入
現在、欧州で展開されているモデルは、2.5ℓガソリン+マイルドハイブリッドのみで、ディーゼルの設定はない。ただ、2027年には強力な駆動モーターが組み合わされるストロングハイブリッドの導入が決定している。現在は多くのライバル勢がハイブリッドを主力としているだけに、早い時期の導入が望まれる一台だ。
