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更新日:2025.12.03 / 掲載日:2025.12.03
今度はプラグインHV! BYDはシーライオン6でさらなる積極攻勢に

文と写真●内田俊一
BYDオートジャパンは、5つ目の日本導入モデルであり、日本初となるブラグインハイブリッドモデルのBYDシーライオン6を正式に発表。価格はFWDのBYDシーライオン6は398万2000円、四輪駆動のBYDシーライオン6AWDは448万8000円での発売となった。納車はFWDモデルが2026年1月末頃、AWDモデルは2026年の3月頃を予定している。
シリーズパラレルハイブリッドを搭載

シーライオン6のDM-i(デュアルモードインテリジェンス)と呼ばれるシステム構成は高効率ガソリンエンジンとハイブリッドシステムが組み合わされたもの。エンジンは自然吸気の1.5リッター(FWD)と1.5リッターターボ(AWD)が搭載される。
そこに組み合わされるDM-1専用のブレードバッテリーの容量は18.3kWh、モーター最高出力145kW、最大トルクは300Nmだ。そしてAWDの場合はそこに加えてリアに150kW、300Nmのモーターが組み合わされる。結果としてWLTCモードでのEV航続距離はFWDで100km、AWDは80km。エンジンと組み合わされることでFWDは1200km、AWDも1000km以上の走行が可能となる。なおこれら数字は現在型式認定申請中のため自社調べの値である。



走行モードはバッテリーのみで走行するモーター走行。ガソリンエンジンを発電だけに利用し、そこで充電したバッテリーを使うシリーズハイブリッドモード、そしてモーター走行に加え、エンジンの動力をクラッチを通して直接つなぐシリーズパラレルモードの3つがある。インポーターによると市街地では80%以上がEVモードでの走行になるという(SOC<25%)。また、高速道路の場合、通常は高効率なエンジンが主軸になるが、シーライオン6はモーターで一気に165km/hまで加速が可能とのことなので、いずれのシーンでもモーターが主でエンジンは従という関係性であることが強調された。
もちろん最大6kWの普通充電だけでなく、CHAdeMOによる18kWの急速充電にも対応。また車外への給電(V2L)や、家庭への電力供給(V2H)も可能だ。

快適便利装備も抜かりなく

デザインは、シール、シーライオン7の流れを組むBYD海洋シリーズのデザイン哲学を継承したオーシャンエックスフェイスを採用。リアビューは、横一文字に走ったリアコンビネーションライトの光の演出により立体感を強調し、先進的なSUVであることを表現している。
荷室容量は、後席使用時に425リッター、後席格納時は1440リッターに拡大。フロントシートはパワーシートの採用とともにシートヒーターとシートベンチレーションを装備。後席も5段階のリクライニングが可能とされた。
また、「はいBYD!」と呼びかけるボイスコントロールが備わり、エアコンや窓の開閉などの操作が可能となった。




乗用車ビジネスを活性化させる1台

BYDのプラグインハイブリッドの歴史は長く、2008年に世界初の量産プラグインハイブリッド乗用車を発表。それ以降グローバルでの累計販売台数は740万台を超え、90を超える国と地域で販売されてきた。
そしてジャパンモビリティ―ショー2025で初お披露目されたシーライオン6は11月1日から末日まで行われた早期予約キャンペーンで300台を超える予約が入ったという。今後BYDは、これまでの電気自動車に、プラグインハイブリッドモデルのシーライオン6を加えることで、BYDの新エネルギー車のラインナップをさらに充実させていくことになる。
最後にBYD Auto Japan代表取締役社長の東福寺厚樹氏は、「ここ日本でも世界的に得意としているEVとプラグインハイブリッドによる新エネルギー車シリーズを投入することで、この日本の電動車市場をさらに活性化し、BYDの乗用車ビジネスをより一層加速させていく」とこのクルマにかける思いを語った。