新車試乗レポート
更新日:2025.11.28 / 掲載日:2025.11.28

新型ソルテラ・実力判定《試乗&MORE!》

クールフェイス&性能アップ!!

スバル初の電動クロスオーバーSUVであるソルテラは、トヨタと共同開発しつつスバル独自の味付けを施して’22年にデビュー。既にモデルチェンジが予告され、このたびプレス向けの取材会が開催された。正式デビューを控えた新型に試乗してわかった、気になるその実力は——。

●文:鈴木ケンイチ ●写真:月刊自家用車編集部/SUBARU

ソルテラ ET-HS ●ボディカラー:ハーバーミストグレーパール

内外装から機能・装備、そして走りも刷新!

強烈な加速を見せつつも不安なく愉しく乗れる
ソルテラが改良された。聞けば、最初はバッテリー容量とモーター出力の増大が主たる目的だったという。しかし、バッテリー容量拡大にあわせてプラットフォームに手を入れ、eAxle全体も一新。さらには足回りとAWD制御の最適化、ドライブモードと回生ブレーキ制御も変更。そして、ここまでやったら! というように、内外装まで変更している。
結局、ほとんどフルモデルチェンジに近い! というのが、新しいソルテラの改良であったのだ。
その変化は室内に乗り込んだ瞬間からハッキリとわかる。水平基調のインテリアは、以前の包み込むような雰囲気から広々感の強いものへと、印象は正反対になっていたのだ。
さらに特設コースでは、さらに大きく明確な違いを感じることができた。試乗の舞台は、狭くツイスティでアップダウンがあり、しかも落ち葉や水などで路面のグリップが変化する、トリッキーこの上ない難コースだ。
その難コースを、新しいソルテラは驚くべき加速力で走り出した。AWDの前後モーターの生み出すシステム最高出力は160㎾(217PS)から、一気に252㎾(342PS)にまで高められている。1.5倍以上もパワフルになっているのだから、もうスピードレンジがまったく異なる。SUVではなく本格スポーツカーにも匹敵する速さを見せたのだ。ストレートでアクセルを踏み切るのには、相当の勇気が必要であった。
しかし、驚くのは、窓の外を見なければ、その高速度が感じられないほど静かで、そして乗り心地も良いことだ。高性能なSiC素子を使うインバーターは、損失が少ないだけでなく、不快な高周波ノイズも減っている。旧型の96セルの71.4㎾hから、104セル74.69‌㎾hに増強されたバッテリーにあわせてプラットフォームとシャシーは拡大・強化された。ボディの剛性が上がれば、サスペンションの動きもスムーズになるもの。しなやかで最適化された足回りは、よりフラットな姿勢を生み出す。
AWDの制御は、旧型の車体Gセンサー活用から、ステアリング&アクセル操作から軌道予測する方式に変更された。これにより、より早いタイミングで制御介入が可能となり、ドライバーの意図に、より忠実な動きを実現する。今回のような路面状況の悪いコースでは、非常にありがたい改良だ。
強化されたパドルシフトの回生ブレーキのおかげでスピードコントロールもしやすい。
また、回り込みながら上る、起伏の多いコーナーで、アクセルを深く踏み込めば、当然のように、トラクションコントロールや横滑り防止装置が介入してくるけれど、そこで、ほとんど失速しないことにも驚いた。走る気持ちを削ぐような、あからさまなスピードダウンがないのだ。
恐るべき加速力がありながらも、その実、不安感は非常に少ない。安心&愉しさをモットーに、これまで数多くのパワフルなAWDマシンを世に送り出してきたスバルならではと感心することしきりだ。
試乗の興奮が収まって冷静に振り返れば、新しいソルテラは、2つの魅力がせめぎあったユニークなクルマであることが理解できた。ひとつは、パワフルなパワートレーンに忠実なハンドリングを持つハイパフォーマンスカーとしての興奮の走り。もうひとつがフラットな乗り心地と優れた静粛性を持つ上品で便利なSUVという顔だ。ユニークかつ、非常に魅力的なモデルと言えるだろう。
そんな新しいソルテラが、今後のスバルEVラインナップのど真ん中に立つことになるという。スバルの他のEVの走りも気になる試乗となった。

新×旧くらべてみれば

EVの心臓部となるバッテリーとモーターの性能が大幅に向上
 旧型から新型への最大の進化は、航続距離を約20%高めるバッテリー容量の拡大(71.4㎾hから74.69㎾h)とモーター出力の向上(FFで150㎾から165㎾へ。AWDで160㎾から252㎾)だ。バッテリーの温度調整機能を高めたことで、冷間時の急速充電時間が最高で半分になった。それに伴いプラットフォームとシャシーも変更されて、内外装も変更されている。機能面では、ECO/NOMAL/POWERという3モードのドライブモードを設定し、回生ブレーキの効き目の強さはパドルシフトで5段階(従来は4段階)を選べるようになっている。

【e-SGP】デビューに際してはEV専用プラットフォームを新開発。バッテリー組み込みのフレームは軽量高剛性かつ安全性も高い。今回の改良ではさらに強化&最適化が施された。
【性能向上】バッテリー、モーター、そして駆動制御と、全面にわたって性能向上を追求し、バッテリー容量の底上げや高出力化、損失軽減を達成。

SUBARU ソルテラ(従来モデル)

●価格:627万〜715万円 ※店頭在庫のみ ●発表年月(最新改良):’22年4月(’23年10月)

兄弟車のトヨタ・bZ4Xがリースのみだったのに対して一般販売。蓄積された実走データを活用して改良を加えてきた。

《新型ソルテラ》エクステリア&パッケージング

グリルレスの新たなフェイスデザインを採用し、灯火類も一新。上級グレードにはプレミアム感の高いデザインに親和性の高いボディ同色のホイールアーチモールも用意される。
新デザインのフルLEDヘッドランプと新採用のLEDエンブレムが豊かな表情を見せる。

ボディカラー

モノトーン

ツートーン

《新型ソルテラ》キャビン&ユーティリティ

従来はセンターコンソールにディスプレイや操作系を集約していたが、新型は14インチの大型ディスプレイを独立させるなど、視覚的な先進感と操作系を両立させている。
インテリアカラーはブラックを基本に、上級グレードはブルーの差し色を採用する。
CセグのSUVとして十分な広さの荷室。AC100Vコンセントを標準装備する。

《新型ソルテラ》メカニズム&装備

ESUの下にeAxleが隠れている。AWD車はリヤ用のeAxleも搭載。構成は従来と同様だが、eAxleの性能が大幅に向上している。
新旧eAxleの性能一覧表。FWDのシステム出力も向上、AWDはさらに大幅にアップ。損失低減も果たした進化型となっている。
電池セルの容量がアップ。セル数増加などで電池総容量を拡大。従来同等の室内空間を確保しながら出力と航続距離の改善を達成。 ※新型の数値はバッテリー容量のテストと認証の新規格(IEC62660-1)に従って計算。なお、IEC62660-1での計測は従来方式より低い値となる傾向がある。
普通&急速充電に対応。セルや温度調整機能の改良により、急速充電時間を短縮。
ルーフレール&パノラマムーンルーフ(電動ロールシェード付)はAWD車にOPで用意。
上級グレードに太陽光発電機能のあるソーラールーフをOP設定。

《新型ソルテラ》諸元&装備比較

《EXTRA 1》プロのドライビングで比較! 同乗体験のベストタイムは8秒差!

 ソルテラの速さを実証するタイムアタックがベテラン・ラリーストの新井敏弘選手によって行われた。比較となる227㎾(308PS)のエンジン車、WRX STiで走れば3分25秒。その後、ソルテラの助手席に記者を載せて走れば、3分33秒で走り切った。本気のスポーツカーに対して、ごく普通のSUVであるソルテラがわずか8秒しか差がないのは、恐るべき結果と言えるだろう。

全日本チャンピオンやWRC優勝など輝かしい戦績を誇るラリードライバーの新井選手が比較アタックを見せてくれた。
WRXは308PS/約1.5トン、ソルテラは約343PS/約2トン。動力性能だけでなく精密な4輪制御もソルテラの武器なのだ。

《EXTRA 2》’26年モデルが北米で発表済み! EVはSUVカテゴリーで勝負だ

 スバルは2026年末までにEVのSUVラインナップを4モデルにまで拡充する予定だ。3モデルがスバル生産で、1モデルがトヨタ生産(未発表)になる。そのスバル生産の3台が、ミドルサイズのソルテラであり、より小型のアンチャーテッド、より大型のトレイルシーカーだ。そんなラインナップの中で、ソルテラはサイズ的にもキャラクター的にもど真ん中の存在となる。

SUBARU Trailseeker[2026・北米]

’25年4月のニューヨークショーで、新型ソルテラとともに初公開。広々キャビンや機能性の高い荷室、大型ルーフレールを備える。ホイールベースはソルテラと同じで、システム最高出力は375PS。

SUBARU Uncharted[2026・北米]

’25年7月に初公開されたアンチャーテッドはトヨタと共同開発した電動コンパクトSUV。ソルテラよりも短いホイールベースを持ち、全長はソルテラより170㎜短く、取り回しの良さが期待できる。
スバル ソルテラの中古車を探す
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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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