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更新日:2025.12.12 / 掲載日:2025.12.12
【フェラーリ 849テスタロッサ】の歴史といま買いの中古車 伝説を継ぐ次世代スーパーカー

フェラーリ 849テスタロッサ|語り継がれる名車の系譜 vol.60|
文●ユニット・コンパス 写真●フェラーリ
※中古車参考価格はすべてグーネット2025年11月調べ。
※写真は一部本国仕様の場合があります。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2026年1月号の内容です)
フェラーリが発表した新型フラッグシップモデルは、かつてスーパーカーブームを巻き起こした名車の名前を受け継ぐ。
受け継がれる赤いエンジンの伝説
必勝をかけて塗られた赤いヘッドカバー

2025年9月イタリア・ミラノで849テスタロッサが初公開されたとき、世界は驚きとともに戸惑いを隠せなかった。伝説のテスタロッサが復活したにも関わらず、記憶のなかにあるスタイリングとそれは大きくかけ離れていたからだ。
しかし、それこそがフェラーリたる所以なのかもしれない。849テスタロッサがオマージュするのは、あのスーパーカー・テスタロッサではなく、1950年代から勝利を積み重ねた名レーシングカーたちである。本業はあくまでもレース活動であり、自分たちの歴史はサーキットとモータースポーツにあるという強烈な誇りがそこにある。

フェラーリの歴史に初めてテスタロッサが登場したのは、1956年のこと。新しいレギュレーションに合わせて開発されたパワーユニットの必勝を祈願しヘッドカバーを赤く塗装したことが始まりだった。
テスタロッサは強かった。フェラーリに幾度もの勝利をもたらし、赤い頭(テスタロッサ)のエンジンは強さを象徴するシンボルとなる。

1984年にロードカーとしてその名前を受け継いだのは、市販車のトップモデルとして高性能をアピールするため。だが、その圧倒的な存在感は、モータースポーツの歴史などまるで知らない極東日本の少年たちまでも虜にした。美しさと強さを伝えるのに、言葉は必要ないのだ。
フェラーリ 849テスタロッサはこんなクルマ

フェラーリは2025年、FIA世界耐久選手権(WEC)のコンストラクターズタイトルを獲得した。市販モデルの最高峰である849テスタロッサには、WECマシンの技術も採用されている。デザインや名称だけでなく、技術面でもレースと直結しているのだ。
[フェラーリ 849テスタロッサが名車になった理由]モータースポーツでの勝利が息づくディテール
レースでの必勝を祈願した赤いヘッドカバー

1956年の国際スポーツカーレースは、レギュレーションの改正により小排気量エンジンが主流となった。必勝を願うフェラーリは、ヘッドカバーを赤く塗装、「テスタロッサ(赤い頭)」が誕生した。
レースでの勝利でフェラーリの歴史を輝かしいものに

車重680kgのボディに180馬力の2L直4エンジンを搭載した500TR(生産台数16台)は、驚異的なパフォーマンスを発揮。選手権タイトルを勝ち取った。改良版500TCRはさらに強く、そして美しくなり活躍した。
レーシングカーから名前が与えられた美しきモンスター

一般的なクルマ好きにテスタロッサの名前が知れ渡るきっかけとなったのが、1984年に登場したテスタロッサ。フラッグシップである512BBiの後継モデルとして登場。その圧倒的な存在感は多くのファンを虜にした。
かつてのテスタ同様市販車の頂点として位置付けられる

SF90ストラダーレに代わるフラッグシップモデルとして登場した新生テスタロッサ。車名は、シリンダー数(8気筒)と排気量(一気筒あたり49cc)に由来。そしてエンジンのヘッドカバーは伝統どおり赤く塗装されている。
デザインの手本はあくまでもレーシングカー

849テスタロッサのスタイリングは、エアロダイナミクスを重視した機能性に加え、かつての名レーシングカーからディテールを受け継いでいる。1984年のテスタロッサと似ていないのではなく、レーシングカーがお手本。
市販フェラーリの最高峰を誇るハイパフォーマンスを実現

クーペと同時にスパイダーも発表。パワートレインは3.9LV8ツインターボでモーターは3基。パフォーマンスは、最高速度は330km以上、0-100km/h加速は2.3秒以下と発表されている。
新車といま買いの中古車たち
フェラーリ 849 テスタロッサ

4LV8ツインターボにモーターを組み合わせたプラグインハイブリッド。システム最高出力は1050馬力に到達する。SF90のパフォーマンスを上まわる現行ラインアップのフラッグシップ。
新車価格:6465万円〜7027万円(849 テスタロッサ 全グレード)
フェラーリ テスタロッサ

スーパーカーの代名詞。フェラーリの歴史、つまりは名レーシングカーから命名されたものでヘッドカバーは赤く塗装されている。状態のいい物件を中心に相場は上がりつつある。
中古車参考価格帯:3000万円〜(84年~92年 テスタロッサ 全グレード)
フェラーリ F512M

車名は「5LV12エンジン搭載のモディフィカータ(改良型)」に由来。リアミッドにV12エンジンシリーズの最終モデル。生産数が501台と少ないこともあり、相場はテスタロッサより高い。
中古車参考価格帯:ASK(94年~96年 F512M 全グレード)