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更新日:2025.08.16 / 掲載日:2025.08.16

令和に登場した「デートカー」プレリュードの歴史と魅力を掘り下げる【九島辰也】

文●九島辰也 写真●ホンダ

 このところにわかに話題になっている新型車がある。ホンダプレリュードだ。SUV全盛の中、2ドアクーペが登場するのだから英断だろう。セダンやクーペが苦戦している中では、話題になっても販売につながるかは不透明である。とはいえ、私を含めSUVに飽き始めたユーザーは少なくない。物心ついた時に家にどんなクルマが駐まっていたかで異なるが、我々世代のデフォルトは明らかに背の低いモデルである。

歴代プレリュードがずらり! プレリュードの歴史と魅力を振り返る

 そんな世の中のトレンドに反したモデルの登場だけに、ホンダはメディア向けに“粋”なイベントをプレゼントしてくれた。歴代プレリュードのイッキ乗りである。場所はモビリティリゾートもてぎ。そのショートサーキットに初代プレリュードから5世代目までが並べられた。

初代プレリュード(1978年)

 簡単に歴代モデルについてお知らせすると、誕生年は初代が1978年、2代目が1982年、3代目が1987年、4代目が1991年、5代目が1996年となる。そして2025年今年、長い年月を飛び越えて6代目が登場する。ちなみに、一番売れたのは3代目の17万5634台で、二番が2代目の16万6904台となる。まさにシンボリックなモデルだ。ちなみに、一番売れなかったのは5代目の1万5127台だった。個人的にはCar EX(カーイーエックス)という自動車雑誌の編集部員だった時代の新型車だけによく覚えている。一部ではこの特徴的なヘッドライトを「サリーちゃんの目」なんて形容していた。

2代目プレリュード(1982年)

 ただ、個人的に一番印象に残っているのは、ちょうど免許を取る年にリリースされた2代目だろう。80年代を象徴するリトラクタブルヘッドライトがカッコいい。まさに「スペシャリティクーペ」というカテゴリーを創造したクルマである。しかも、当時はボンネットの低さを売りにしていた。なんとフェラーリ308GTBよりも低いと噂されていたほど。フェラーリはミッドシップだからそれより低いなんて驚きだ。確かエンジンブロックを最初から斜めにマウントしてそれを実現したとか。この日もそんな質問を当時の開発者に投げてみたが明確な答えはなかった。もしかして、あれは都市伝説だったのだろうか。

 では、各モデルの特徴だが、初代はアメリカからの要望で開発された。当時のHRC(ホンダリサーチカリフォルニア)がアメリカでのニーズを日本に伝えたといった感じだ。HRCはたぶん現在のホンダリサーチインスティチュートUSAのことだろう。当時CVCCでアメリカに受け入れられたシビックがあり、それを大きくしたアコードが生まれ、その2ドア版としてデビューしたのが初代プレリュードとなる。

3代目プレリュード(1987年)

 なので、初代のデザインはシビックに準じるが、2代目と3代目、4代目と5代目が似ている。まぁ、クルマは開発費がかかるから毎回すべてを新しくするのは大衆車では難しい。なので、2世代はキープコンセプトで仕上げ、次は大きく変えるといった文化がホンダにはあるそうだ。確かに、オデッセイあたりもその手法が取られてきたと思う。

4代目プレリュード(1991年)

 プレゼンテーションでは一部モデルのコンセプトについての話もあった。初代がアメリカで“セクレタリーカー”、つまり秘書のクルマと呼ばれたことを受け、2代目は男らしいデザインありきで開発を進めたそうだ。そして3代目は懐かしの“デートカー”。当時“女子大生が選ぶカーオブザイヤー”があったそうなので、そんな世相を反映している。

5代目プレリュード(1996年)

新型プレリュードは現代に蘇った「デートカー」

6代目プレリュード(プロトタイプ)とグライダーのショット。グライダーが滑空するときの心地よさを新型の走りで追求した

 なんて歴代モデルの話もそうだが、やはり気になるのは今年リリース予定の6代目なのは間違いない。そこで四輪開発センタープレリュードプロジェクトリーダーの山上さんに、ズバリ「このクルマはプレリュードとして開発したのか」と尋ねると、「そうではない」という答えが返ってきた。なるほどやはりそうか。今時ゼロベースでプレリュード復活の狼煙を上げるのはあまり空気を読めていない気がする。

 が、新型車のコンセプトを煮詰めていくと「これってプレリュードじゃないか」となったという話には賛同する。キャラを絞り込んでいっておよそ50年前につくったモデルに似たって悪いことはない。また、“デートカー”というワードを現代風に解釈してみたというストーリーもグッド。かつてのデートは若い男女だけの言葉だったが、今や夫婦や親子にだって当てはめられる。それを取り込んでのデートカーというのもニクい宣伝文句だ。

新しいプレリュードの登場がますます楽しみに!

 といったようなプレリュードに染まった一日を過ごした。歴代モデルに触れられるなんてこんな機会はそうそうないから、ホンダさんに感謝である。あとは新型の登場を待つばかり。前振りが長いとハードルは高くなるが、その仕上がりを期待してお待ちしております。

自動車ジャーナリストの九島辰也氏(写真:ユニット・コンパス)
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九島辰也(くしま たつや)

ライタープロフィール

九島辰也(くしま たつや)

外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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