輸入車
更新日:2025.06.22 / 掲載日:2025.06.21
「究極296」が日本上陸! これがフェラーリ296スペチアーレだ!

文と写真●ユニット・コンパス
歴史的なル・マン24時間レース三連覇達成の余韻もまださめない6月20日に、フェラーリ 296スペチアーレが富士スピードウェイホテルで初披露されました。イタリア語で「特別」という意味を持つスペチアーレが与えられた、まさに特別なモデル。296の単なるバリエーションモデルとは一線を画す内容が与えられています。
歴史あるスペチアーレの最新作

フェラーリにおけるスペチアーレは大きくわけて2つのラインがあります。ひとつは、ブランド全体のフラッグシップたる存在。過去の作品でいえば、F40(1987年)やエンツォフェラーリ(2002年)で、最新作はF80(2024年)。そしてもうひとつのスペチアーレが、360チャレンジ・ストラダーレや458スペチーアレ、488ピスタといったドライビングプレジャーを追求したモデル群。この度発表された296スペチアーレもこの系譜になります。
今回の発表会は、日本での開催が10回目を迎える「フェラーリ・レーシング・デイズ2025」の開催に合わせて行われており、会場となったホテルに到着すると富士スピードウェイのレーシングコースから快音が聞こえてきました。
発表会は、フェラーリジャパン代表取締役社長 ドナート・ロマニエッロ氏による見事な日本語でのスピーチで始まりました。続いて296スペチアーレに携わったフェラーリS.p.A. ヘッド オブ プロダクト マーケティングのエマヌエレ・カランド氏が登壇。296スペチアーレを理解するための、3つのキーワードを教えてくれました。
296スペチアーレを理解するための3つのキーワード

それが、「+50馬力」、「−60kg」、「+20%」というもの。
まず、「+50馬力」。これは296GTBに対するパワーアップで、トータルでの最高出力は880馬力に到達。これを後輪のみでコントロールするのですから、ドライバーが感じられるスリルはかなりのものになりそう。実際、プレゼンテーション冒頭で流されたプロモーション動画では、サーキットのコーナーをパワースライドで白煙を上げながら駆け抜ける姿が描かれていました。

次のキーワードである「−60kg」。これも296GTBに対するスペックで、車両重量は60kg軽量化された1410kg(乾燥重量)。駆動用バッテリーを搭載するPHEVであること、そして最高出力を考えれば、これも驚異的な数字であることがわかるはずです。296スペチアーレの開発にあたっては、ドライバーが感じる感性、感覚を数値化し、ドライビングの喜びを最大化するべくスペックが決定されたとのこと。ただ性能を上げるだけでなく、それを操ることでアドレナリンが湧き上がるのを感じたり、クルマから降りた後に誇らしい気持ちになることを大切にしたといいます。

そうした目標を達成するための最後のピースが「+20%」。これはダウンフォース、つまり車体を路面へと押し付ける空気の力がアップしていることを示します。
296スペチアーレの最高速度は330km/h。途方もないパフォーマンスですが、これを実現するには空力を磨き上げる必要があります。レーシーなスタイリングは、すべて機能に直結しているのです。それでいて純レーシングカーとは異なり、ルックスにもこだわっているのがポイント。レースのテクノロジーを取り入れながらも、あくまでも魅力あるロードカーとして作られているのです。

296スペチアーレが提供する「究極のドライビングスリル」

公道を走行可能な「ストリートリーガル」モデルでありながら、超一流のパフォーマンスと予測可能な直感的に操れるコントロール性能が与えられた296スペチアーレ。フェラーリによれば、「ドライビングの楽しさにおいてはフェラーリのプロダクションモデル(量産モデル)の頂点に位置する」とのこと。気になる日本仕様の価格は5911万円。歴代のスペチアーレがプレミア価格で取り引きされている実績を考えれば、296スペチアーレの成功はすでに約束されているのかもしれません。



