車のニュース
更新日:2026.02.10 / 掲載日:2025.05.22

ファンベルトが切れる前兆は?異常のサインと緊急時の対応方法

ファンベルトは、エンジンやエアコン、ハンドル操作など車の電気系統が安全に稼働するために欠かせないパーツです。ファンベルトは消耗品で、寿命が近づいて切れる前にさまざまな前兆があります。

この記事では、ファンベルトが切れそうなタイミングに起こりやすい異変と、交換のタイミングや対処方法について解説します。

1. ファンベルトとは

車のエンジンルームには、さまざまな部品を動かすために重要な役割を担うベルトが複数搭載されています。その中でも「ファンベルト」は、エンジンによって生み出された力を、他のパーツを動かすとても重要なベルトです。

(1) ファンベルトとは?車のどこにある?

ファンベルトは、車のエンジンルーム内に設置されているベルトの一種です。もともとは縦置きエンジンの動力を利用して、クーリングファンを駆動させるためのベルトという意味でした。

しかし現在は、横置きのエンジンが主流であり、クーリングファンはモーターで駆動するスタイルに変化しています。そのため、厳密な意味での「ファンベルト」は乗用車では使われなくなりました。

現在、乗用車ではエンジンの動力を利用して、オルタネーターやエアコン、ウォーターポンプなどを駆動しています。この動力を伝えるためのベルトを、「補機ベルト」「ドライブベルト」と呼びます。しかし、多くのドライバーや自動車関連の業者は、昔から使われている「ファンベルト」という名称をそのまま使っています。

この記事でも、俗称としての「ファンベルト」について解説していきます。

(2) ファンベルトが担う役割

ファンベルトは、主に次のようなパーツにエンジンの動力を伝達して、車の快適性や安全性を支えています。

・オルタネーター(発電機):オルタネーターに動力を伝えて、バッテリーへの充電や車載電装品への電力供給を行う
・エアコン:エアコンのコンプレッサーを駆動して、車内の冷房・暖房機能を維持する
・パワーステアリングポンプ(油圧式の場合):ハンドルのアシスト力を生み出しハンドル操作をサポートする
・ウォーターポンプ:エンジンの冷却水を循環させ、オーバーヒートを防ぐ(一部車種では電動ウォーターポンプが採用されている)

近年では、電動ファンや電動パワーステアリングなどが普及し、ファンベルト自体が搭載されていない車種も増えています。

2. ファンベルトが切れる前兆となるサイン

ファンベルトは経年劣化などにより切れてしまいますが、その前にいくつかのサインがあります。ほつれやひび割れといった外見的な特徴もありますが、それ以外の代表的なサインについて紹介します。

(1) キュルキュルとした異音が聞こえる

車のエンジンをかけた際や走行中に、エンジンルームから「キュルキュル」といった異音が聞こえる場合、ファンベルトが劣化している可能性があります。

この異音は「ベルト鳴き」とも呼ばれ、ゴムでできたファンベルトが劣化して伸びたり硬くなったりすることで、正常に機能しなくなった際に発生します。

(2) パタパタ・カタカタ・ガタガタと音が鳴っている

ファンベルトに異常が発生している場合、「パタパタ」「カタカタ」「ガタガタ」といった空回り音がすることがあります。こうした音は、ファンベルトの一部が裂けて、周囲の部品にぶつかっていることが考えられます。

(3) その他の異常

ファンベルトに異常が発生すると、異音以外にもさまざまなサインが現れることがあります。これらのサインを見逃さずに、早めの点検・対処が重要です。

・水温計の針が通常より高くなる:冷却水の循環を担うウォーターポンプの駆動力が低下
・メーターパネルに警告灯が点灯する:発電不足や油圧低下などの深刻な問題の可能性

3. ファンベルトの不具合が引き起こす深刻なトラブル

ファンベルトに不具合が生じると、以下のような深刻なトラブルにつながる可能性があります。

(1) エンジンがオーバーヒートする

ファンベルトが切れてしまうと、ウォーターポンプが正常に作動せず冷却水がエンジン内部を循環しなくなります。それにより、エンジンの熱を適切に放出できなくなり、エンジンがオーバーヒートを引き起こします。

オーバーヒートは、エンジンの部品が歪んだり、最悪の場合はエンジンが焼き付いてしまったりするなど、エンジンに深刻なダメージを与えるトラブルです。

以下の兆候が見られた場合はオーバーヒートしている可能性があるため、すぐに安全な場所に停車し、エンジンを停止させましょう。

・水温計の針がH(高温)を示したり警告灯が点灯したりする
・ボンネットから湯気が出ている
・エンジンルームから甘い匂いがする(冷却水漏れの可能性)

(2) オルタネーターが回らなくなる

ファンベルトが切れるとオルタネーター(発電機)が回らなくなります。バッテリーへの充電が途絶えると、バッテリー内の電圧が低下してエンジンが止まってしまいます(バッテリー上がり)。

(3) エアコンの効きが悪くなる(または効かなくなる)

ファンベルトが切れると、エアコンのコンプレッサーに動力が伝わらず、エアコンの効きが悪くなったりエアコンが停止してしまいます。エアコンの設定温度を下げても生ぬるい風しか出てこなくなる場合、ファンベルトの不具合が起きているかもしれません。

(4) ハンドルが重くなる

油圧式のパワーステアリングを採用している車両では、ファンベルトがパワーステアリングポンプを駆動しています。そのため、ベルトが切れるとハンドル操作が重くなります。

電動式パワーステアリングの場合、症状が現れるまでに若干のタイムラグがあることもあります。いずれにしても、ファンベルトの異常はハンドル操作に直接的な影響を与えるため、注意が必要です。

4. ファンベルトが切れる前兆が見られた場合の対処法

ファンベルトにほつれやひび割れ、異音などの前兆が見られた場合、放置せず早めの対処が必要です。ここでは主な対処法をまとめました。

(1) 鳴き止めスプレーの使用(一時的な対処法)

鳴き止めスプレーはその名称のとおり、ゴムベルトから発生する「キュルキュル」という異音(鳴き)を止めるためのスプレーです。鳴き止めスプレーを使うことで、ファンベルトの滑りを抑制し、異音を解消する効果が期待できます。

鳴き止めスプレーは、カー用品店やホームセンターなどで比較的安価に入手可能です。使い方も簡単で、異音が発生しているファンベルト周辺に直接スプレーするだけで、一時的に異音を抑えることができます。

(2) 交換あるいは修理

鳴き止めスプレーはあくまで一時的な対処法であり、ファンベルト自体の劣化や損傷を解決するものではありません。またスプレーの効果が切れると再び異音が発生する可能性が高いため、長期間の使用もおすすめできません。

ファンベルトから異音が聞こえる場合は、速やかに専門業者に相談し、交換あるいは修理の依頼をすることをおすすめします。

(3) 買い替えや廃車も検討

ファンベルトの劣化や不具合だけでなく、エンジン本体にも影響が出ている場合は、車の買い替えや廃車を検討しましょう。年式の古い車を使用している場合、無理に修理するよりも新車に買い換えるほうが経済的にメリットが多いこともあります。廃車買取業者に依頼すれば、手続きを無料で進められるだけでなく、プラス査定となる可能性もあります。

5. ファンベルトの交換時期の目安

ファンベルトはゴム製のため、経年劣化やエンジンの熱、外気温の変化などによって徐々に傷んでいきます。ファンベルトの交換目安は、走行距離50,000~100,000kmまたは使用年数3~5年が主な目安です。それ以外に、ベルトにひび割れやゆるみが見られたり走行中に異音が発生したりする場合は、交換を検討してください。

6. ファンベルトの交換費用の目安

ファンベルトの交換費用は、車の大きさや車種、依頼する業者によって変動します。一般的に、部品代にかかる費用は軽自動車で約3,000円、普通車で約5,000円、大型車で約8,000円とされています。さらに交換費用が約10,000〜20,000円かかるため、合計で約13,000円〜30,000円の費用がかかります。

これはあくまで目安のため、正確な費用については整備工場やカーディーラー、カー用品店などに直接問い合わせてみてください。

7. ファンベルトに関してよくある質問

(1) ファンベルトが切れても走れますか?

バッテリーへの電力の供給が途絶えるため、ほとんど走ることはできません(バッテリー残量分だけ走行は可能です)。無理にその状態で走行すると、エンジンがオーバーヒートしたりハンドルが急に重くなったりするため、走行は非常に危険です。

(2) 走行中にベルトが切れたらどうなりますか?

走行中にベルトが切れると、突然エンジンが止まる、警告灯が点灯する、ハンドルが重くなるなどさまざまな不具合が発生します。このままの状態を放置するのは大変危険であるため、すぐに車を安全な場所に停車させて、レッカー移動などを手配しましょう。

(3) ファンベルトが切れるとどんな音がしますか?

ファンベルトが切れると「ギャー」と甲高い音が鳴ります。その後、切れたベルトが周りのパーツに当たり「カラカラ」「カタカタ」といった音が聞こえ、次第に何も聞こえなくなります。

8. ファンベルトの交換・修理をしたい人はグーネットピットをご活用ください

ファンベルトは車の安全性を支える重要なパーツで、異変を感じたらすぐに修理・交換が必要です。今回紹介した異変を感じたら、すぐ専門業者に相談するようにしましょう。

信頼できる専門業者を探すときは、ぜひ「グーネットピット」をご活用ください。全国の整備工場やカーショップの中から、レビュー評価を参考にしながら業者を探すことが可能です。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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