中古車購入チェックポイント
                    
          更新日:2018.10.23  /  掲載日:2007.01.10      
日産 フーガ 中古車購入チェックポイント
- 日産 フーガ 中古車購入チェックポイント   - 参考車両:フーガ 250GT 
 初年度登録:2005年3月
  
■全体のチェックポイント
高級車は、内外装ともに比較的程度がよく、極端に荒れた車両は少ないといえる。とはいっても、見かけにどおりとは限らないので、細部まで念入りにチェックする必要がある。スポーティグレードは、中には乱暴な運転で各部に負担がかかったり、消耗が進んでいる車両もある。できれば試走して、走行中にしか発生しない異音や不具合がないか、確かめたい。また、高級車ならではのハイテク装備にも気を付けよう。室内をチェックする時は、汚れや傷などを調べると同時に、すべての装備機器類を操作して、作動状態を確かめよう。
- 1.全体の様子を観察する   
- 1.全体の様子を観察する - 少し離れた位置から車両全体の雰囲気を掴んで、違和感がないか、探ってみよう。 
 車両の傾き、立て付け、塗装面の光沢などをチェック。メッキやモール類の曲がりや破損にも注意しよう。
 前面は、ボンネット/グリル/バンパーなどの横線が揃っているか、確認。左右ヘッドライトのバランスも見てみよう。片方だけ交換されている場合は、単なるライト破損なのか、車体部の修理に伴う処理なのか、周辺を詳しく調べる必要がある。
- 2.斜めから透かして見る   
- 2.斜めから透かして見る - プレスラインをはじめ、塗装の異常(部分的な変色、色むら)、傷、凹みなどは、見る角度を変えながら探ろう。斜めから透かして見ると、見落としがちな浅くて広い凹み、あるいは波打ち(しわ)など、微妙な異常も確認できる。 
 しわが寄っているのは、車体にダメージを受けているか、板金修理跡と判断できる。
 また、塗装表面の艶が周囲と違っていたり、肌荒れ状態になっている箇所も、板金塗装した修理跡の疑いがある。
- 3.整備状態を確認する   
- 3.整備状態を確認する - 消耗部品を中心にエンジンと周辺の部品を、まずチェック。エンジンオイルのにじみや汚れ(オイル漏れの兆候)にも注意。 
 できれば、冷却水やオイルの量および汚れ、ブレーキやウォシャーの液量なども点検したい。
 周囲と比べて新しく見える部品は、交換していることが疑える。事故などでダメージを受けて交換したのか、それとも故障や不良により交換したのか、点検整備記録を探って判断しよう。
4.鉄板部分を調べる
 エンジンルーム内の鉄板(左右のインナーパネル)をチェックしよう。フロントフェンダーは比較的簡単に取り外すことができて、構造上はさほどの補強部分とはなっていないが、インナーネルは車体の骨格ともなる非常に重要な部分だ。溶接やシーラー、塗装の状態などから、修理跡はないか、念入りに調べよう。
 部品やネジなどに塗装の飛沫が付着していたら、周辺に修理の跡がないか探ってみよう。
- 5.ボンネットのチェック   
- 5.ボンネットのチェック - 表面の傷や凹みをチェックする以外に、内側に修理跡がないかも、調べよう。 
 ダメージを負うと、交換することもある。支えている金具(ヒンジ)部の固定ネジを脱着した形跡がないか、チェック。
 交換している疑いがあれば、他の部分から影響を受けたことも考えられる。周辺の車体部に修理跡はないか、確かめよう。
- 6.前部のチェックポイント   
- 6.前部のチェックポイント - エンジンルームのいちばん前で車体の左右に繋がっているラジエターコアサポートと呼ぶ鉄板の状態を調べてみよう。 
 事故などで車体前部をぶつけると、修正あるいは交換修理する確率が高い。修理や交換した様子はないか、チェック。
 周辺も含めて、関連各部のネジ脱着、部品交換の形跡などを探るのも、ラジエターコアサポートのチェックポイントだ。
- 7.ずれた原因を確かめる   
- 7.ずれた原因を確かめる - ヘッドライトがずれているように見える場合は、バンパーやフェンダーの異常(押されてずれたり、修理/交換で位置が狂う)も考えられる。取り付け状態と同時に周辺もチェックしよう。 
- 8.取り付け状態にヒント   
- 8.取り付け状態にヒント - フロントフェンダーは、ボンネットを開けて、固定ネジを脱着した形跡があれば、修理のためにフェンダーを交換している可能性があると推察する。 
 しかし、フーガはカバーされて確認できない。この場合は、他のカバー部品も同様に、取り付け状態に異常はないか、交換されていないか、探ってみよう。疑いがあれば、場合によってはカバーを外して確かめる必要があるかもしれない。
- 9.隙間の幅と色調を比べる   
- 9.隙間の幅と色調を比べる - 車体の前部側面は、フェンダー、ドア、ピラー(フロントガラス左右にある柱)、ボンネットなどがそれぞれ隣接している。 
 隣り合う外板パネルの隙間の幅を見てみよう。均等になっていなければ、ダメージを受けていたり、修理している可能性がある。
 隙間を境に、塗装の色調も比べてみよう。修理や交換をすると、色艶が違って見えることがある。傷や凹みの補修程度の場合もあるので、パネル自体と周辺も探って、判断しよう。
10.ドアの状態をチェックする
 車体側面のドア部分に大きな損傷を受けると、交換してしまうことも多い。交換する際は、ドアを支えている金具(ヒンジ)の固定ネジを脱着するので、ネジの状態をチェックしよう。
 ただし、ドアの立て付けを調整するためにネジを回すこともあるので、ネジを脱着しているように見えても、必ずしもドアを交換しているとはいえない。
11.車体後部のチェック
 後面も、前面と同様に、バンパー/トランクリッド(トランクの蓋)/左右コンビネーションランプ(リアライト)が構成する横線と縦線に違和感はないか、チェック。
 ナンバープレートの波うち、文字の補修ペイントなども、車体修理を探る手がかりになる。特にリアは、封印に作為的な傷(ナンバープレートを外した形跡)がないかも、確かめよう。
 トランクリッドを閉めた状態を見て、全体に隙間が違っていれば、リッドのずれか、あるいは車体が歪んでいることも疑える。右左の片方だけ隙間が狂っている場合は、その側を修理していると判断して間違いない。
- 12.日頃見ない部分も探る   
- 12.日頃見ない部分も探る - トランクの床内に収納されているスペアタイヤを外してみよう。歪み、波打ち、板金修理跡、交換跡などはないか、チェック。 
 錆や泥の付着、水溜まり跡は、原因を突きとめる必要がある。
 塗装している形跡は、錆などの塗装修理か、板金修理あるいはパネル交換修理なのか、周辺を詳しく調べて判断する。
- 13.ヒンジの固定状態を見る   
- 13.ヒンジの固定状態を見る - トランクリッドも、ボンネットと同様に裏側に修理跡などがないか、チェック。後部に大きな損傷を負うと、トランクリッドを交換することもあるので、取り付けネジの脱着跡にも、気を付けよう。 
 リンク式(ダンパー式)ヒンジで車体側の固定部も見える。取り付け状態を確かめよう。
- 14.鉄板の接合部を調べる   
- 14.鉄板の接合部を調べる - トランクの開口部を見ると、左右両側共に鉄板が横から回り込んで、接合されている。溶接やシーラー、塗装などの状態をチェック。左右を比較しながら、異常がないか、調べよう。コンビネーションランプの立て付けも含めて、後ろ寄りの部分に注意。 
 車体後部にはエンジンなどの重量物(衝撃を受け止めるもの)がないので、各部にダメージが波及しやすい。
 後方から強い衝撃を受けると、キャビン(室内部)との接合部やルーフパネルの前部にまで波及することもある。修理箇所を見つけた場合は、その周辺だけでなく、関連する部分も詳しく調べる必要がある。
15.リアフェンダーのチェック
 リアドアを開けて、開口部の塗装面を見てみよう。
 マスキング跡があれば、リアフェンダーを補修、あるいは板金修理している可能性がある。
 フューエルリッド(給油口の蓋)もチェックポイント。開けて、シーラーの乱れやマスキング跡がないか、調べてみよう。
 フューエルリッドを外したり、交換していることでも、板金修理あるいは傷の補修など、何らかの理由でリアフェンダーに手を付けていることがわかる。
- 16.床下も観察   
- 16.床下も観察 - 鉄板部の部分的な変形や凹み、支え金具類の歪み、修理跡などはないか、調べてみよう。 
 外観はきれいに修理しても、走行に影響がない見えない部分はそのままにしていることがある。マフラーなどの部品類に傷や凹み、交換した形跡がないかも、探ろう。
 左右ドアの下にあるサイドシル(車体の前後方向に通っている梁の部分)の下端にも注意。凹みや傷がないか、調べよう。溶接に乱れがあれば、修理している疑いがある。車体の左右を見比べると、異常を判断しやすい。
- 17.エンジンをかけてみる   
- 17.エンジンをかけてみる - 容易に始動しない場合は、バッテリーの状態がよくなかったり、充電系統や点火系など、さまざまな不良要因が考えられる。 
 回転中に、異音や大きな振動が発生するようなら、トラブルを抱えている可能性がある。実際に走ってみるのが望ましいが、エンジンが暖まってからアクセルペダルを軽く煽って、スムーズに回転が上下するかどうかも、試してみよう。
- 18.不具合や異常を察知する   
- 18.不具合や異常を察知する - エンジンをかけて、ブレーキを踏んだまま、各ポジションにレバーを動かして、切り替え時にショックがあるなどの異常がないか、操作してみよう。 
 できれば試走して、ギヤが切り替わる時のショックが激しくないか、繋がるタイミングが長すぎないか、チェック。走行中に異常や不具合が出ないか、確かめたい。マニュアルモードも、試してみよう。
19.装備機器はすべて操作
 ヘッドライトやテールランプ、ウインカーなどの灯火類をはじめ、電装機器や電動機構などは、すべてスイッチを入れて、作動状態をチェックしよう。
 エアコンやカーナビ、オーディオなど、調整機能を備えている装備類は、電源を入れるだけでなく、正常に機能しているかを操作して確かめる。パワーウインドウの開閉や後部座席ランプの点灯なども、忘れずにチェックしよう。
 フーガは、他にも、さまざまな装備がある。前席エアコンディショニングシート、サラウンドサウンドシステム(14スピーカー)、インテリジェントキーなども、操作してみよう。試走できれば、インテリジェントクルーズコントロールなども、試してみたい。
- 20.摩耗状態から推察できる   
- 20.摩耗状態から推察できる - 減り具合(残り溝の深さ)を、まず点検。同時に、サイズ(フロントドア開口部に貼ってある「タイヤ空気圧」ラベルで標準サイズがわかる)も、チェック。 
 さらに、外周の接地面を見てみよう。一部が極端に減っている「偏摩耗」を見つけたら、アライメント(ホイールの取り付け角度)が狂っているのか、あるいは車体が歪んでいるのか、確かめる必要がある。偏摩耗は、車体前部のインナーパネルが変形して生じることもある。走行中にハンドルが片方に取られる場合も、ダメージを受けている疑いがある。
- 21.書類と記録を確かめる   
- 21.書類と記録を確かめる - 備え付けの書類は、車両の取扱説明書だけでなく、オプションや後付けの社外製品が付いている場合も、それぞれの取扱(使用)説明書が揃っていることを確かめよう。 
 点検整備記録(メンテナンスノートなど)は、車体まわりをチェックする前に、内容を確認しておこう。過去にどのような整備を受けてきたのかがわかり、定期点検や消耗部品交換などの実施時期と、その時の走行距離を把握しておくと、車両各部の状態を探る参考になる。
車両チェックの勘どころ
塗装
●部分的に色調や艶が違う場合には、周辺の状態もチェック。●タイヤハウス(フェンダーのタイヤを覆っている部分)内に外装塗料が付着しているとか、メッキやゴム部品などに塗料の飛沫が付いているなどの場合も、周辺を詳しく確かめる必要がある。●ドアの開口部などにマスキング(塗装スプレーが他の部分に広がらないようにするカバーを留める粘着テープを貼る)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があれば、何らかの理由で塗装していることがわかる。
取り付けネジ
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体まわりの部品を交換する時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれているのは、ネジを回している証拠だ。●普通はネジの頭は塗装されているので、傷は比較的容易に確認できる。無塗装の場合は判断しにくいので、車体の左右を見比べるといい。
溶接とシーラー
●車体を構成する部品が溶接で固定されている部分は、シーラー(接合部の隙間を埋める充填材)が塗布されている。修理や交換で再溶接すると塗り直すので、不自然になっている。●疑わしい場合は、爪で押してみよう。表面が硬くても内部が柔らかい(プチッと表面が割れる)ようなら、修理後に新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、盛り上がっていたり、窪んでいたり、横方向にヒダがあるなど、鉄板の接合状態やシーラーを塗布する方法によって形状が違っている。不自然に見える部分を見つけたら、車体の左右同じ場所を見比べて判断しよう。●車体各部はスポット溶接されている(鉄板の接合部に小さな丸い窪みが並んでいる)部位も多いが、修理工場でスポットを打ち直している場合は、直径が5mm以下(新車時は5mm以上が普通)、窪みが深い、2度打ちしたずれなど、新車組み立て時の状態とは異なる特徴がある。●電気スポット溶接の電極が入らない奥まった部分などは、炭酸ガスアーク溶接に代えることがあるので、スポット溶接の窪みがなくなっていることもある。
立て付け
●外板パネルなどを修理すると、組み付ける際に誤差が出ることがあり、それは、隣り合うパネルの隙間(チリ)を見ればわかる。隙間の幅が均等になっていなければ、修理している可能性が高い。●バンパーなどは、押されてずれることがある。たとえ修理していなくても、隙間が合っていなければ、なんらかのダメージを受けている。●モール類(フェンダーからドアにかけて線状に繋がっている飾りなど)やプレスライン(外板が折れ曲がっている角の線)がずれていることからも、立て付けに異常があることがわかる。
■今回の車両のプロフィール
●2004年10月に新発売された高級スポーティセダン。走行性能、快適性、質感の高いインテリアを特長とし、ニッサンの先進技術を盛り込んでいる。
 エンジンは、250(2.5リッター210馬力)と350(3.5リッター280馬力)の2種。駆動方式は、FR(後輪駆動)が基本だが、350には4WDもある。5ATは、マニュアルモード付フルレンジ電子制御5速オートマチック。
 仕様グレードは、スポーティ感を強調した「GTシリーズ」と、落ち着きとラグジュアリー感を加えた「XVシリーズ」の2タイプに分け、それぞれにベーシックな250とパワフルな350を設定している。
「スポーツパッケージ」は、専用サスペンション、245ワイドタイヤ+19インチアルミホイール、アルミペダル、リヤアクティブステアを装備。「VIP」は、後席パワークライニングシート、後席専用オーヘッドコンソール(読書灯、バニティミラー付)、リア電動サンシェードなどを備える。
 2005年08月に、4.5リッターエンジンの「450GTスポーツパッケージ」「450GT」が追加されている。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
| グレード | 型式 | シフト | 駆動 | 
| ・GTシリーズ | |||
| 250GT | CBA-Y50 | 5AT | FR | 
| 350GT | CBA-PY50 | 5AT | FR | 
| 350GT スポーツパッケージ | CBA-PY50 | 5AT | FR | 
| 350GT FOUR | CBA-PNY50 | 5AT | 4WD | 
| ・XVシリーズ | |||
| 250XV | CBA-Y50 | 5AT | FR | 
| 350XV | CBA-PY50 | 5AT | FR | 
| 350XV VIP | CBA-PY50 | 5AT | FR | 
| 350XV FOUR | CBA-PNY50 | 5AT | 4WD | 
 
		 
				 
			
			 
						
 
						 
						 
						 
						 
                                                 
						 
						 
						 
						 
						 
						 
						

 
               
             
             
             
             
             
             
             
             
          