中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.22 / 掲載日:2007.02.21

ダイハツ コペン 中古車購入チェックポイント

  • ダイハツ コペン 中古車購入チェックポイント

    ダイハツ コペン

    参考車両:ファーストアニバーサリーエディション アクティブトップ
    初年度登録:2003年12月

  • ダイハツ コペン

■全体のチェックポイント

2座席オープンスポーツカーで実用性が低く、軽自動車としては高価ということもあって、ユーザーの中心はクルマ好き。意外に荒く扱われている車両は少なく、コンディションがいいことも多い。しかし、なかには過激に走っている車両も見かけるので、整備状態を念入りにチェックしよう。特に、ターボの損傷(音、排気ガス、異音などから判断)をはじめ、足まわりやトランスミッションなど、走行機能系の不具合にも注意。また、車体まわりでは、雨漏りの跡に気をつけよう。

  • 1.全体の様子から探る

    ダイハツ コペン(正面)

  • 1.全体の様子から探る

     少し離れた位置から、立て付け(パネルの隙間)をはじめ、塗装面の光沢や色むら、車体の傾きなど、外観に異常はないか、確かめよう。
     前面は、バンパー/ボンネット/ヘッドライトなどの立て付けが狂っていないか、後面も、バンパー/トランクリッド/コンビネーションランプ(テールライト)がずれていないか、チェック。
     前面も後面も、左右対称になっていることが、ポイントだ。

  • 2.見る角度を変えてみる

    ダイハツ コペン(後面)

  • 2.見る角度を変えてみる

     前部のヘッドライト、後部のコンビネーションランプ、どちらも左右のバランスを見てみよう。
     片方だけだけ新しく感じる場合は、その側を交換している疑いがある。交換していることがわかったら、単なる破損などで交換したのか、事故などの修理に伴う処置なのか、周辺を詳しく調べて確かめる必要がある。
     また、車体まわりのチェックは、角度を変えながら斜めから見ると、見落としがちな小さな異常も発見しやすい。

  • 3.整備状態を確認する

    ダイハツ コペン(エンジンルーム)

  • 3.整備状態を確認する

     ゴムホースやベルトの劣化など、消耗部品を中心にエンジンと周辺の部品をチェック。定期点検整備記録簿ともつき合わせて、冷却水やオイルの量および汚れ、ブレーキ液量なども点検したい。エンジン周辺のオイルのにじみや汚れ(漏れ)にも注意。
     新しく見える部品は、交換している可能性もある。故障や整備で交換したのか、車体部の修理に伴う処置なのか、周辺と同時に、点検整備記録も確かめよう。

4.車体の内側を調べる

 ボンネットを開けて、車体内側の鉄板(インナーパネル)の状態を見てみよう。修理跡、交換跡、塗装跡などはないか、しっかりチェック。
 前部を強くぶつけるとダメージを受けることが多いラジエターコアサポート(エンジンルームのいちばん前で車体の左右に繋がっている部品)も、必ずチェック。
 コペンは樹脂製になっているので、交換している形跡はないか、取り付け状態を確かめよう。

  • 5.交換跡は周辺も確かめる

    ダイハツ コペン(フロントフェンダー)

  • 5.交換跡は周辺も確かめる

     フロントフェンダーは、固定しているネジをチェック。脱着した形跡があれば、修理のために外したり、交換している可能性がある。
     左右を比べてみれば、取り付け状態の異常を見つけやすい。
     ファンダーを修理/交換していても修復歴にはならないが、交換している場合は車体に大きなダメージを受けている可能性もある。インナーパネルをはじめ、バンパーやドアなど、周辺を再チェックして、確かめよう。

  • 6.隙間の幅と色調を比べる

    ダイハツ コペン(車体前部側面)

  • 6.隙間の幅と色調を比べる

     新車は、各車体部品(パネル)の隙間は均一になっている。車体前部側面では、フェンダー、ドア、ピラー(フロントガラスを挟んだ左右の柱)、ボンネットなど、それぞれの隙間の幅が均等になっていなければ、ダメージを受けて部品がずれている、あるいは修理している可能性が高い。
     また、修理や交換で塗装すると、仕上がった色が微妙に違うことがある。隣り合うパネルの色調も、比べてみよう。

  • 7.車体側面のチェック

    ダイハツ コペン(ドアヒンジ)

  • 7.車体側面のチェック

     ドアに大きな損傷を受けると、交換してしまうことも多い。交換する際は、ドアを支えている金具(ヒンジ)の固定ネジを脱着するので、ネジの状態をチェック。
     ただし、新車の組み立て時やドアの立て付けを調整するためにネジを回すこともあるので、ネジを脱着しているように見えても、必ずしもドアを交換しているとはいえない。周辺を詳しく調べて判断する必要がある。

8.リアフェンダーのヒント

 リアドアを開けて、開口部を見てみよう。リアフェンダー周辺を補修していたり、あるいは修理している車両には、開口部分などにマスキング跡が残っていることもある。
 また、フューエルリッド(給油口の蓋)も開けて、マスキング跡や修理跡などがないか、チェック。リアフェンダーを板金修理するために外すことがある。損傷を受けていれば交換するなどの処置も、ヒントだろう。

  • ダイハツ コペン(開口部)

  • ダイハツ コペン(フューエルリッド)

  • 9.タイヤのチェックポイント

    ダイハツ コペン(タイヤ・ホイール)

  • 9.タイヤのチェックポイント

     減り具合を、まず点検。残り溝の深さが、1.6mm以上ある(スリップサインに達っするまで減っていない)ことが目安だ。
     減り方(摩耗状態)も調べよう。
     外周の接地面を見て、一部が極端に減っている「偏摩耗」を見つけたら、アライメント(ホイールの取り付け角度)を確認してアライメントが狂っているだけなのか、あるいはダメージを受けて車体が歪んでいるのかを確かめる必要がある。

  • 10.蓋は裏側も調べる

    ダイハツ コペン(トランク)

  • 10.蓋は裏側も調べる

     ボンネットフードやトランクリッドは、外観の凹みや傷をチェックする以外に、開けて、裏側に修理跡がないかも、確かめよう。縁の接合部(シーラーや塗装の状態)を確かめるのがポイントだ。
     損傷を受けると交換することもある。ヒンジ(支えている金具)部の固定ネジを脱着した形跡がないかも、チェック。
     交換している様子があるようなら、フェンダーやバンパーなど、周辺も確かめる。

11.開閉してチェック

 閉めた時の立て付けを見て、全体に狂っていれば、リッドのずれか、車体の歪みが疑える。右または左、片方だけに異常があれば、その側の車体部を修理していると判断できる。
 さらに、開閉してみよう。スムーズにロックできない場合は、リッドがずれているか、あるいは車体が歪んでいることも考えられる。
 また、エンドパネル(リアバンパーの裏にある鉄板)に異常がないかも、チェックしよう。

12.ルーフの開閉は念入りに

 ほとんどのコペンには、電動収納式ルーフ(脱着式もあるが、中古車ではほとんどみかけない)が装着されている。
 室内のスイッチを押して、問題なく開閉できるか、試してみよう。作動だけでなく、異音にも注意。
 縁のゴムに、ひび割れや裂けなどがないことも、確かめよう。
 雨漏りの原因は、ゴムの劣化や破損の他に、ルーフのずれや車体の歪みなどがあるので、念入りにチェックする必要がある。

  • ダイハツ コペン(ルーフ1)

  • ダイハツ コペン(ルーフ2)

13.取り付け状態にも注意

 電動開閉の作動に問題がなければ、ひと安心だが、開閉機構に異常がないかも確かめよう。
 リンク式ヒンジのアーム類や取り付け状態をチェック。
 固定ネジを脱着している場合は、リッドの交換、あるいはリアフェンダーを修理していることも考えられる。
 また、ルーフ収納部に貼ってあるマットが波打っていたり、張り替えた跡などがあれば、車体後部を修理している疑いがある。

  • ダイハツ コペン(取り付け1)

  • ダイハツ コペン(取り付け2)

  • 14.床下も覗いてみる

    ダイハツ コペン(床下)

  • 14.床下も覗いてみる

     床下の部品類に傷や凹み、交換した形跡がないかどうか、探ってみよう。外観はきれいに修理しても、走行に影響がない見えない部分はそのまま手を付けていない(補修や修理をしない)ことがあるので、事故などで受けたダメージを見つけることがある。
     塗装の補修跡、不自然な溶接、取り付けネジの傷、その他、小さな異常も見逃さないようにしよう。各部の錆の発生にも注意。

  • 15.車体構成部品に注意

    ダイハツ コペン(サイドシル)

  • 15.車体構成部品に注意

     床下は、フレーム(骨格)やメンバー(補強部材)にダメージを受けていないか、確かめる。
     ドアの下にあるサイドシル(車体左右の前後方向に通っている梁の部分)にも気をつけよう。必ず下部を覗いて、凹みや傷、修理跡、交換跡がないか、チェック。下端の鉄板接合部に手を加えている形跡があれば、車体側面に大きなダメージを受けて、修理している疑いがある。

  • 16.不具合を察知する

    ダイハツ コペン(始動)

  • 16.不具合を察知する

     エンジンをかけてみよう。始動具合やアイドリングの様子、異音や振動の有無などを確かめる。
     排気ガスの色も、確認。水蒸気は問題ないが、白煙や黒煙は、エンジン不調の可能性がある。
     実際に走ってみるのが望ましいが、エンジンが暖まってからアクセルペダルを軽く煽ってみて、スムーズに回転が上下するかどうかも、試してみよう。

17.すべての装備類を試す

 保安関係(ヘッドライト、テールランプ/ブレーキ/バック、ウインカーなど)の作動チェックは、どんなクルマも必須項目。
 さらに、エアコンやオーディオなど、装備類も、調べよう。パワーウインドウの開閉、座席ランプの点灯なども忘れないこと。
 電動ルーフ開閉をはじめ、電装機器や電動機構などは、スイッチを入れるだけでなく、操作して、正常に機能しているかを確かめることが大切だ。
 インテリア全体は、シートをはじめ、内装材やマットなども、見落としなく隅までチェック。樹脂部品にも気を付けよう。
 汚れやシミなどは、クリーニングできれいになるかどうか。傷は、補修で済むか、部品交換が必要か、程度を見極めることが判断の基準になる。

  • ダイハツ コペン(装備類1)

  • ダイハツ コペン(装備類2)

  • 18.操作して確かめる

    ダイハツ コペン(セレクトレバー)

  • 18.操作して確かめる

     ATは、エンジンをかけて、ブレーキを踏んだまま、PからDへ、NからRへなどセレクトレバーを操作して、切り替え時にショックがあるなどの異常がないか、試してみよう。できれば試走して、ギヤが切り替わる時のショックが激しくないかも、チェックしたい。
     MTは、レバーのゆるみ(ぐらつき)やシフト時に引っ掛かりなどがないか、チェック。同時に、クラッチの切れを確かめよう。

  • 19.改造の程度を把握する

    ダイハツ コペン(アーシング)

  • 19.改造の程度を把握する

     参考車両は、アーシングと呼ばれる電気系統の改造を行っている。改造が悪いとは一概にはいえないが、コンディション狂わせて改悪になっているいることもあるので、注意が必要だ。

  • 20.手入れ状態を見る

    ダイハツ コペン(革シート)

  • 20.手入れ状態を見る

     革シートを装着している場合は、表皮の状態をチェックしよう。
     手入れを怠ると劣化したり、表面が硬くなってしまう。参考車両のように、ひび割れを起こしていることも少なくない。

21.記録内容に目を通す

 定期点検整備記録(メンテナンスノートなど)は、車体まわりをチェックする前に、記載内容を確かめておこう。
 定期点検や消耗部品交換などの実施時期と、その時の走行距離を把握しておくと、車両各部の状態を探る参考になる。
 いちばん新しい記録(最後の年月日)が、現状を表している。
 また、車体などに張ってあるエンジンオイル交換記録シールなどからメンテナンスの履歴を確認できることもある。

  • ダイハツ コペン(書類)

  • ダイハツ コペン(エンジンルーム)

車両チェックの勘どころ

塗装
●部分的に色調や艶が違う場合には、周辺の状態もチェック。●タイヤハウス(フェンダーのタイヤを覆っている部分)内に外装塗料が付着しているとか、メッキやゴム部品などに塗料の飛沫が付いているなどの場合も、周辺を詳しく確かめる必要がある。●ドアの開口部などにマスキング(塗装スプレーが他の部分に広がらないようにするカバーを留める粘着テープを貼る)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があれば、何らかの理由で塗装していることがわかる。

取り付けネジ
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体まわりの部品を交換する時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれているのは、ネジを回している証拠だ。●普通はネジの頭は塗装されているので、傷は比較的容易に確認できる。無塗装の場合は判断しにくいので、車体の左右を見比べるといい。

溶接とシーラー
●車体を構成する部品が溶接で固定されている部分は、シーラー(接合部の隙間を埋める充填材)が塗布されている。修理や交換で再溶接すると塗り直すので、不自然になっている。●疑わしい場合は、爪で押してみよう。表面が硬くても内部が柔らかい(プチッと表面が割れる)ようなら、修理後に新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、盛り上がっていたり、窪んでいたり、横方向にヒダがあるなど、鉄板の接合状態やシーラーを塗布する方法によって形状が違っている。不自然に見える部分を見つけたら、車体の左右同じ場所を見比べて判断しよう。●車体各部はスポット溶接されている(鉄板の接合部に小さな丸い窪みが並んでいる)部位も多いが、修理工場でスポットを打ち直している場合は、直径が5mm以下(新車時は5mm以上が普通)、窪みが深い、2度打ちしたずれなど、新車組み立て時の状態とは異なる特徴がある。●電気スポット溶接の電極が入らない奥まった部分などは、炭酸ガスアーク溶接に代えることがあるので、スポット溶接の窪みがなくなっていることもある。

立て付け
●外板パネルなどを修理すると、組み付ける際に誤差が出ることがあり、それは、隣り合うパネルの隙間(チリ)を見ればわかる。隙間の幅が均等になっていなければ、修理している可能性が高い。●バンパーなどは、押されてずれることがある。たとえ修理していなくても、隙間が合っていなければ、なんらかのダメージを受けている。●モール類(フェンダーからドアにかけて線状に繋がっている飾りなど)やプレスライン(外板が折れ曲がっている角の線)がずれていることからも、立て付けに異常があることがわかる。

■今回の車両のプロフィール

●2002年6月に発売された、軽自動車規格の2座席オープンカー。
 ターボエンジンを搭載し、バリエーションはルーフとトランスミッションの設定で4タイプ。トランスミッションは、4速ATと5速MT。ルーフには、手元のスイッチ操作で簡単に電動開閉できる電動開閉式金属ルーフ「アクティブトップ」と、脱着に手間がかかるが軽いことがメリットの脱着式樹脂ルーフ「ディタッチャブルトップ」がある。加えて、ディスチャージヘッドランプやMD/CDオーディオ、イモビライザーなどをセットにした「Gパック」や、シートヒーター付本革シートとMOMOステアリングなどがセットになった「レザーパック」の設定もある。
 2003年7月には、発売1周年記念特別仕様車「ファーストアニバーサリーエディション」を発売。同時に、アクティブトップ仕様車に「カラーオーダーシート」をオプション設定。
 その後の2004年6月には、発売2周年記念「セカンドアニバーサリーエディション」を新設定するなど、特別仕様車も多く発売されている。

■参考車両と同時期の仕様グレード設定

グレード型式シフト駆動
アクティブトップLA-L880K5MTFF
LA-L880K4ATFF
ディタッチャブルトップLA-L880K5MTFF
LA-L880K4ATFF
・特別仕様車
ファーストアニバーサリーエディションLA-L880K5MTFF
LA-L880K4ATFF

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グーネットマガジン編集部

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