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更新日:2018.11.10 / 掲載日:2015.03.05
【ボルボ】独自開発の自動運転システムを発表

ユニット・コンパス/Goo-net編集部
ボルボは、実際の交通環境の下で自動運転車の運行を可能にする独自のシステムソリューションについて発表を行った。2年前にスタートしたボルボの自動運転プロジェクト「ドライブ・ミー:持続可能なモビリティのための自動運転」の次なるステップとして、2017年までに一般ユーザーが所有する100台の自動運転車をイェーテボリ市周辺の一般公道で走行させる実証実験の実現を目標に掲げ、推進していく。
ドライブ・ミーでは、政策立案者や運輸担当の行政機関、市、自動車メーカーが連携。持続可能なモビリティと衝突事故のない未来の実現を目指すボルボの取り組みのなかでも、中心的なプロジェクトになっている。
車両が自動走行モードであらゆる側面に対応できるようになった場合でも、オートパイロットシステムの信頼性は99%にするだけでは不十分であると、ボルボの開発チームは考えている。ボルボの技術スペシャリスト、エリック・コーリン氏は「自動運転車が、実際の交通環境下で他の道路利用者と共存するためには、信頼性を可能な限り100%に近づける必要がある。我々のフェイルオペレーショナルアーキテクチャーには、航空機産業と同様、システムを構成する要素の一部が使用不可能になった場合にも、自動操縦が安全かつ確実に機能し続けるバックアップシステムを組み込んでいる」と言う。
実際の道路上では、オートパイロットシステムは、スムーズな交通、渋滞、緊急事態まで、あらゆる道路状況に対処する必要があるが、実際に緊急事態が発生した場合は、自動運転車はほとんどの人間よりも素早く反応することができる。また、異常な気象条件や技術的な障害が発生した場合などは、システムからドライバーに対して運転の引き継ぎを要請。なんらかの理由でドライバーが対応できない場合は、自動的かつ安全に交通の流れから離れ、安全な場所に停車する。
「オートパイロット車の完全なテクノロジーソリューションを開発することは重要なステップ。この実証実験がスタートすれば、実際の交通環境下における自動車の自動運転の実現に向けて有益な情報が得られるし、自動運転車が持続可能なモビリティにどのように貢献できるかを調査することも可能となる。将来の持続可能なパーソナルモビリティの実現に向けて、自動運転車の開発は解決策のひとつとなるが、同時に、広範囲に渡る社会的なアプローチも必要だ。官民の枠組みを超えた組織横断的な協力体制が、自動運転車開発の成功の鍵となる」とエリック・コーエン氏は述べている。
今後の大きな課題は、あらゆる交通状況に対応できる自動操作の構築。自動運転中はドライバーが瞬時に危険回避行動を取ることはあまり期待できないため、条件が整った道路で自動走行をすることになるという。
複数のレーダーとカメラ、レーザーセンサーにより、リアルタイム360度ビューを描き出す最先端のセンサーテクノロジーを搭載。正確なクラウドベースの測位システムなどと組み合わせ、設計されている。