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更新日:2024.11.07 / 掲載日:2024.11.07
スバル・レガシィ、トヨタ・2000GTなど クルマ史に残る「歴史遺産車」に選定 JAHFA
日本自動車殿堂(会長:藤本隆宏)は11月6日、「2024 歴史遺産車」および「2024 殿堂者(殿堂入り)」を発表した。
スバル「レガシィ」やトヨタ「2000GT」など4台が殿堂入り
「歴史遺産車」は、日本の自動車の歴史に優れた足跡を残した名車を選定、日本自動車殿堂に登録して後世に伝承するもので、2003年より開始。
今回、トヨタ「2000GT(1967年)」、スズキ「アルト(1979年)」、スバル「レガシィ(1989年)」、「NS号(1909年)」の4台が選定された。
【トヨタ 2000GT】技術力・美的感覚を国内外へ示したモデル

1967年に誕生したトヨタ・2000GTは、オートバイ分野ですでに世界的メーカーになっていたヤマハ発動機(ヤマハ)との協力により開発。ほぼ手作りの少量生産車で、総生産台数は3年余りで337台(うち輸出は115台)のみだった。
国際速度記録の樹立や、プロトタイプの2台が世界的に有名な映画に使用されるなど、高性能と精錬されたスタイルが人気を博し、海外でも高い注目を集めた。当時の日本の持つ高度な技術力、優れた美的造形感覚を国内外に示す大きな役割を果たしたとして選定された。
【スズキ アルト】軽自動車市場を復活させ、第2の軽自動車ブームを牽引

スズキ・アルトは、排気量の拡大により低迷していた軽自動車市場で、軽自動車としての本質を捉え、無駄や飾りを省いた低価格車として登場。
発売当初は月販売台数5千台を計画したが人気は予想を大きく上回り、発売初月で1万8千台の受注が寄せられるなど爆発的にヒット。こうした市場の評価に軽自動車メーカー各社も追随し、低迷していた軽自動車市場を復活させるきっかけとなった。軽自動車の地位を確固たるものにしたモデルとして選定された。
【スバル レガシィ】“走りの質”を追い求める、スバル独自の基幹技術を確立したモデル

スバル・レガシィは、富士重工業(現・スバル)の世界戦略車として、「走りの質」という車の本質的な価値観に基づき、クルマづくりの原点にかえって本質を追い求めたマイルストーン。
開発後はスバルの主力車種として内外で存在感を高め、日本に本格的なステーションワゴンの市場を確立。水平対向、AWDなどの基幹技術、デザインなど、今日にわたりスバル車に生かされている源流を生み出したモデルとなった。
【NS号】1909(明治43年)に完成した日本初の自動自転車

NS号は、明治末期に島津楢蔵(しまづ ならぞう)氏によって独自に開発された空冷単気筒エンジンを搭載する日本初のモーターサイクル。車名の“NS”は、製作者の島津楢蔵氏の頭文字=Narazo Shimazuをとって命名されたもの。
量産モデルを経て日本のモーターサイクルの礎となり、日本のモーターサイクル産業は世界有数のものへと成長。「NS号」は国産モーターサイクルの源流となった歴史的名車になる。
殿堂者には酒井文人氏ら5名を選出
自動車社会構築の功労者をその偉業とともに讃え、殿堂入りとして顕彰する「殿堂者」は、2001年より開始。
今回は、戦後のモーターサイクルレースの開催に携わり、日本のモータリゼーション文化を高めた酒井文人氏、自動車産業研究の道を拓き国際ネットワークを構築した下川浩一氏、世界初の量産ハイブリッド車開発と次世代モビリティを主導した内山田竹志氏、電気自動車の採用を促進する急速充電システムの開発など、日本の自動車技術の向上に貢献した大聖泰弘氏、1次元コードに代わる新技術の開発に取り組み、大容量かつ高速読み取りが可能なQRコードの開発者 原昌宏氏の5名が選出された。
日本自動車殿堂 公式HP:
https://www.jahfa.jp/
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