車検・点検・メンテナンス
更新日:2024.10.30 / 掲載日:2024.10.30
車検費用の相場はいくら?内訳や費用を安くおさえるポイントを解説!

車検は自動車の安全性と環境基準への適合性を確認するために、所有者が義務付けられている制度です。車検切れは、道路運送車両法違反となり、罰則や罰金が科せられます。
なお、車検費用は車種や車の状態、依頼先によって大きく異なります。この記事では、車検費用の相場や内訳、費用を安くおさえるポイントなどをご紹介します。
安心して車検を受けられるよう、ぜひ参考にしてみてください。
1. 車種別 車検費用の相場

車検費用は、車種によって異なります。ここでは、軽自動車、5ナンバー車、3ナンバー車の車検費用の相場について解説します。
車種 | 車検費用の相場 | |
---|---|---|
新規 | 継続 | |
軽自動車 | 75,610〜95,810円 | 59,140〜79,340円 |
5ナンバー車 | 87,190〜107,390円 | 74,250〜94,450円 |
3ナンバー車 | 124,590〜144,790円 | 114,650〜134,850円 |
上記はあくまでも目安であり、車検を受ける業者や車両の状態によって費用は異なります。部品交換が必要な場合は、追加で費用が発生します。
車検を受ける業者によっても費用が異なるため、事前に複数の業者から見積もりを取ることが大切です。
(1)軽自動車の車検費用の相場
自賠責保険
新規:36カ月分加入、継続:24カ月加入
自動車重量
新規:36カ月分加入、継続:24カ月加入(エコカー減税対象)
指定工場
区分 | 法定費用 | 非法定費用 | 合計 | ||
---|---|---|---|---|---|
自賠責保険料 | 自動車重量税 | 印紙代 | 車検基本料 | ||
新規 | 24,010円 | 9,900円 | 1,700円(1,900円) | 40,000〜60,000円 | 75,610〜95,810円 |
継続 | 17,540円 | 5,000円 | 1,600円(1,800円) | 35,000〜55,000円 | 59,140〜79,340円 |
(2)5ナンバーの車検費用の相場
排気量1,500cc、車両重量1,001〜1,500kg
自賠責保険
新規:36カ月分加入、継続:24カ月加入
自動車重量
新規:36カ月分加入、継続:24カ月加入(エコカー減税対象)
指定工場
区分 | 法定費用 | 非法定費用 | 合計 | ||
---|---|---|---|---|---|
自賠責保険料 | 自動車重量税 | 印紙代 | 車検基本料 | ||
新規 | 23,690円 | 16,800円 | 1,700円(1,900円) | 45,000〜65,000円 | 87,190〜107,390円 |
継続 | 17,650円 | 15,000円 | 1,600円(1,800円) | 40,000〜60,000円 | 74,250〜94,450円 |
(3)3ナンバーの車検費用の相場
排気量2,000cc、車両重量1,501〜2,000kg
自賠責保険
新規:36カ月分加入、継続:24カ月加入
自動車重量
新規:36カ月分加入、継続:24カ月加入(エコカー減税対象外)
指定工場
区分 | 法定費用 | 非法定費用 | 合計 | ||
---|---|---|---|---|---|
自賠責保険料 | 自動車重量税 | 印紙代 | 車検基本料 | ||
新規 | 23,690円 | 49,200円 | 1,700円(1,900円) | 50,000〜70,000円 | 124,590〜144,790円 |
継続 | 17,650円 | 50,400円 | 1,600円(1,800円) | 45,000〜65,000円 | 114,650〜134,850円 |
2. 車検には法定費用と非法定費用がかかる
車検費用は大きく分けて、法定費用と非法定費用の2種類があります。ここでは、それぞれの費用の内訳と特徴を概説します。
法定費用 | 非法定費用 |
---|---|
・自賠責保険料 ・自動車重量税 ・印紙代 | ・車検基本料 ・部品交換費用など |
法定費用とは、法律で金額が定められた費用のことです。これらの費用は、車種や年式などによって金額が決まっているため、どの車検業者に依頼しても同じ金額になります。
非法定費用は車検をおこなう際に必要となる費用のうち、法律で定められていない費用のことです。金額は業者が設定するため、依頼する業者によって金額は異なります。
それぞれの費用について、くわしくはこちらの記事で解説していますのでご覧ください。
3. 車検費用が高くなるケース

車検費用は、車の状態や整備の状況によって大きく変動します。ここでは、車検費用が高くなりやすい主なケースを3つご紹介します。
(1)車両の経年劣化が進んでいる、走行距離が多い
車の使用年数が経つにつれて、どうしても各部品は劣化してしまいます。これは避けられないことです。
使用年数の長い車は、それだけ部品の交換や修理が必要になる可能性が高くなり、結果として車検費用も高くなってしまう傾向にあります。
たとえば、以下のような部品は長期間使い続けることで経年劣化し、交換や修理が必要になることが多い部品です。
・タイヤ
・ブレーキインナー、ブレーキホース
・バッテリー
・冷却水
・各種ベルト類
・各部ブーツ類、ゴム部品
これらの部品以外にも、多くの部品が車には使われており、経年とともに劣化していきます。各部品の劣化は安全性に大きな影響を与えるため、放置せず適切に対応することが重要です。
(2)前回の車検から整備していない
日頃のメンテナンスを怠ると、車検時に多くの不具合が見つかり、その結果、車検費用が高くなります。
たとえば、エンジンオイルやブレーキオイルなどは、走行距離や使用状況に応じて定期的に交換する必要があります。しかし、前回の車検後、法定点検などを受けずに、乗り続けていると、オイルの劣化が進み、エンジンの性能低下やブレーキの故障につながります。
12カ月点検などの定期的なメンテナンスを怠ると、こうしたトラブルが車検時に発覚し、高額な修理費用が発生します。12カ月点検を受けなくても罰則はありませんが、法律で定められた点検になるため、必ず受けて車の状態を把握しましょう。
12カ月点検については、こちらの記事で解説しています。
(3)車の年式が古い
法定費用のなかでも大きな割合を占めるのが、自動車重量税です。車の年式が古いほど、税金が高くなります。
自動車重量税は、車の排気量や重量、そして新車登録からの経過年数によって決まる税金です。以下の表のように、13年経過・18年経過した車は重量税が高くなります。
車両重量 | エコカー (免税措置された場合) |
エコカー (減税措置された場合) |
エコカー外 | ||
---|---|---|---|---|---|
13年未満車の金額 | 13年経過車の金額 | 18年経過車の金額 | |||
0.5t以下 | 0円 | 5,000円 | 8,200円 | 11,400円 | 12,600円 |
~1t | 0円 | 10,000円 | 16,400円 | 22,800円 | 25,200円 |
~1.5t | 0円 | 15,000円 | 24,600円 | 34,200円 | 37,800円 |
~2t | 0円 | 20,000円 | 32,800円 | 45,600円 | 50,400円 |
~2.5t | 0円 | 25,000円 | 41,000円 | 57,000円 | 63,000円 |
~3t | 0円 | 30,000円 | 49,200円 | 68,400円 | 75,600円 |
※自家用乗用車は白の3・5・7ナンバー車
参照:令和5年度税制改正に伴う自動車重量税の税額の基本的な考え方(フローチャート) その1 p.5|国土交通省
4. 依頼する業者でも車検費用は異なる

車検をどこに依頼するかでも、車検費用は大きく変わってきます。車検を依頼できる業者は複数存在するため、ここでは、車検を依頼できる主な業者とそれぞれの特徴を解説します。
(1)カーディーラー
車を購入した販売店など、カーディーラーに車検を依頼するメリットは、質の高い的確な整備を受けられる点です。
その車種に関する専門知識を豊富に持つ整備士が対応してくれるため、愛車を安心して預けられます。また、整備記録などで点検状況を残してくれるため、車の状態を把握しやすい点もメリットといえます。
一方デメリットは、非法定費用が高めな点です。カーディーラーでは、部品交換に純正部品の使用を推奨しています。純正部品は品質が高い一方、社外品と比べて価格が高めに設定されていることが多いため、車検費用全体が高くなる傾向にあります。
(2)車検専門店
車検専門店は、車検を専門におこなっている業者です。車検に特化しているため、リーズナブルな価格設定とスピーディーに車検を済ませられる点がメリットです。
ただし、複雑な修理や特殊な部品交換、車種特有の修理に対応できない場合があります。事前に愛車の車検に対応できるか確認しましょう。
(3)カー用品店
カー用品店での車検は純正部品だけでなく、さまざまなメーカーから自分に合った部品を選んで取り付けられるのがメリットです。費用をおさえたい場合は、純正部品よりも価格が安い社外品を選ぶことで、部品交換費用を安くおさえられます。
ただし、社外品パーツの品質や性能は、純正部品に劣る場合もあるため、安全性や信頼性をしっかりと確認してから交換することが重要です。
また、カー用品店によっては、車検に必要な設備や技術が整った「指定工場」を持っていない店舗もあります。その場合、運輸支局や車検場に車を持ち込む必要があり、指定工場での車検と比べて時間がかかるでしょう。
(4)ガソリンスタンド
ガソリンスタンドで車検を受けるメリットは、給油や洗車などと一緒に済ませられるので、忙しい人にとって便利な点です。ガソリン割引やオイル交換無料などのキャンペーンを実施している場合もあり、お得に車検を受けられる可能性もあります。
しかし、車検に対応していない店舗や、代車を用意していない店舗もあります。また、多くのガソリンスタンドでは車検場へ車を持ち込む必要があるため、車検完了までに時間がかかるでしょう。
(5)民間の整備工場
民間の整備工場には、ディーラーで長年経験を積んだベテラン整備士が在籍し、車検に対応しているケースが多くあります。
地域密着で営業しているため、依頼者との距離が近く、車検や修理はもちろん、日々のちょっとした車の悩みも相談しやすいのが魅力です。
ただし、工場によって得意な車種や専門分野、技術レベルはさまざまです。事前に口コミや評判をチェックしたり、実際に工場を訪れてみたりして、自分の愛車を安心して任せられるか、見極めることが大切です。
5. 車検費用をおさえるためのポイント

法定費用はどこで車検を受けても同じですが、非法定費用は、依頼する業者や整備内容によって異なります。
そこで、ここでは非法定費用を少しでも安くするためのポイントをご紹介します。
1.車検を依頼するお店を慎重に選ぶ
2.自分で交換できそうな部品を先に交換する
3.早割りやキャンペーンなどの割引制度を利用する
車検費用を少しでも節約したい人は、ぜひ参考にしてください。
(1)車検を依頼するお店を慎重に選ぶ
車検費用は、依頼先によって大きく異なる場合があります。
たとえば、ディーラーは安心感がありますが費用は高めです。車検専門店は比較的費用が安いですが、整備内容が最低限に絞られることがあります。
ご自身の予算や求めるサービス内容に合わせて、ディーラーや車検専門店、ガソリンスタンド、整備工場など、いくつかの業者に見積もりを依頼し、比較検討することをおすすめします。
(2)自分で交換できそうな部品を先に交換する
車検費用を少しでもおさえたい場合は、自分で交換できる部品は車検前に交換しておきましょう。
車検時に交換が必要となる部品のなかには、ワイパーやエアコンフィルターなど、比較的簡単に自分で交換できるものがあります。
これらの部品を事前に自分で交換しておけば、車検時の部品代や工賃を節約できます。
(3)早割りやキャンペーンなどの割引制度を利用する
車検費用を少しでも安くおさえたいなら、「早割り」や「キャンペーン」を活用するのがおすすめです。
車検業者によっては、車検満了日の数カ月前に予約することで割引を受けられる「早割り」や、特定の時期に車検を実施すると割引や特典を受けられる「キャンペーン」を実施している場合があります。
車検費用をおさえたい場合は、積極的に活用していきましょう。また、点検パックに加入することで、トータルの合計額をおさえられます。
6. 車検費用の支払い方法
車検費用の支払い方法は、主に以下の3つの方法があります。
支払い方法 | 特徴 |
---|---|
現金払い | 基本的にどの業者でも利用できる |
クレジットカード払い | ・クレジットカードに対応する業者は増えている ・法定費用の支払いに対応していない場合がある |
ローン払い | ・分割で支払える ・利息が発生する |
ただし、車検業者によって対応する支払い方法は異なるため、事前に確認する必要があります。
車検の支払い方法については、下記の記事でくわしく解説していますので、こちらもご覧ください。
7. 車検に関することはグーネットピットにご相談ください
車検では、法律で定められた「法定費用」と、業者が設定する「非法定費用」の2種類の費用が発生します。
法定費用はどの業者に依頼しても金額は同じですが、非法定費用は依頼する業者によって異なります。そのため、車検費用を安くしたい場合は、非法定費用をおさえることが重要です。
ただし、車検は車の安全性維持と環境基準への適合を確認する重要な点検です。費用を安くおさえることも大切ですが、愛車を安心して預けられる業者に車検を依頼しましょう。
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