車種別仕様・中古車評価・まとめ
更新日:2018.11.24 / 掲載日:2014.01.24
日産 デュアリス クロスライダー(2008年9月~)中古車購入チェックポイント
日産 デュアリス クロスライダー 中古車購入チェックポイント
DBA-KNJ10
参考車両:クロスライダー4WD
初年度登録:2009年1月 (2008年9月)
■全体のチェックポイント
「クロスライダー」は、オーテックが街乗り向けに仕立てたカスタムカー。参考車両は、2010年8月にマイナーチェンジする前のモデルだ。不整地を走っている車両は少ないが、念のために下まわりも慎重にチェック。特別装備の外装や内装が気になるところだが、走りの機能に問題がないか必ず確認したい。
関連部など周辺の状態にも注意しながらチェック
1.車体のバランスを見る
1.車体のバランスを見る
まずは、歪みや塗装の異常など、車体まわりに違和感や不自然に見える部分がないか探ってみる。
前面は、バンパー、グリル、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、メッキモールやナンバープレートなどの損傷、ボンネットやフロントガラスの飛び石傷などにも注意。
2.縁と奥も覗いてチェック
2.縁と奥も覗いてチェック
バンパーは、角や下部に損傷がないかチェックし、立て付けを確認。下側にあるスパッツ(空気整流板)の破損にも注意。
バンパーに連なるフェンダーは、プロテクターを設置しているホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)あたりにも注意しながらチェック。奥を覗いて、タイヤハウス内もチェック。内側にあるフェンダーライナー(泥よけカバー)の状態もチェックする。
3.下側に要チェックポイント
3.下側に要チェックポイント
車体側面は、ドアやサイドシルプロテクターの修理/交換に注意するが、重要なのは車体側のサイドシル(車体の梁)のほうだ。床下側を覗いて、損傷、腐食(錆)、修理/交換跡などがないか慎重にチェック。同様に、ドア開口部のステップ部(サイドシルの上側)周辺の状態も調べる。
4.関連部も慎重にチェック
4.関連部も慎重にチェック
テールゲートを修理していないか内側もチェックし、取り付けネジおよびヒンジをチェック。車体側のヒンジ固定部周辺に歪みや修理跡がないか見る。
パネル接合部の状態に注意しながら、開口部に修理/交換跡がないかチェック。同時に、フェンダー、ピラー、ルーフなど、関連部や周辺もダメージがないかチェックする。
5.フロア下もチェック
5.フロア下もチェック
車体後部は、スペアタイヤ収納部周辺のパネルもチェックポイント。歪みや修理/交換跡などのほか、錆の補修跡や水溜まりなどにも注意したい。
6.テールゲートを開閉する
6.テールゲートを開閉する
後部も、バンパー、テールゲート、コンビネーションランプ、フェンダーなどの状態をチェック。下側は、マフラーの損傷にも注意。
テールゲートは、解錠・施錠と開閉の動き具合をチェック。全開状態でしっかり止まっているか、ダンパーステーの効きもチェック。
7.周辺も詳しく調べる
7.周辺も詳しく調べる
ドアは、外側と内側をチェック。下部に装着しているサイドシルプロテクターも、傷や破損がないかチェック。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジ部もチェック。ドア自体のほか、ピラー(柱)やサイドシル(梁)など、周辺も慎重にチェックする。
8.損傷箇所や修理歴を確認
「クロスライダー」は、フロントバンパー&メッキモール/フロントグリル、車体同色のホイールアーチプロテクター/サイドシルプロテクター/リアバンパー/リアバンパーフィニッシャーなどの専用パーツを装着。損傷や修理/交換に注意するが、車体骨格にダメージがないことも確認したい。
車体の骨格部を修理している車両は修復歴車だが、たとえ修復歴に該当しなくても、修理や交換している部分がないか販売店に聞いてみよう。
内装の状態と同時に装備機器の機能をチェック
1.隅まで細かくチェック
1.隅まで細かくチェック
室内は、シートや内装材に汚れや傷、破損などがないかチェック。床や天井の状態も確認。シートは、染みや擦れ、縫い目のほころび、穴あきなどにも注意。ボックスやポケットなどは、内部の状態も見る。ボックスの蓋やエアコンルーバーなどは、可動部の破損にも注意。
2.装備機器の作動を確認
ヘッドライトやウインカー、ブレーキランプなど保安装置。パワーウインドウやドアロック、室内ランプなど基本的な電装機器の作動状態をチェック。エアコンは、特に冷房の効きに注意して調整や設定具合を確認。インテリジェントキーのリモコン機能と各部作動状態などもチェック。
参考車両は、ナビを取り外しているが、もともと標準装備はオーディオレスだ。AV一体ナビなどを付けたい場合は、販売店に相談するといいだろう。
3.後部の状態もチェック
前席周辺だけでなく、室内後部まで丹念に調べよう。6:4分割可倒式リアシートの折り畳み具合を試しながら後席周辺をチェック。ラゲッジスペースも慎重にチェックし、トノボードやラゲッジフックなどの状態も見ておきたい。
4.特販売店で点検してもらう
装備機器類は、とりあえずわかるところだけでも機能と作動状態をチェックし、どこかに不具合などがないかは販売店で調べてもらおう。
5.特別装備をチェック
「クロスライダー」は、専用シートのほか、本革巻ステアリングホイールなど一部は「20G」と同等の上級装備も加えている。たとえばマニュアルエアコンなどはベースの「20S」標準装備のままなので、特別装備の内容も確かめておくほうがいいかもしれない。
走行機構のコンディションと整備状況をチェック
1.エンジンをかけてみる
エンジンをかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時には、表示・警告灯類の点灯や警報音などにも注意。始動したら、メーターやディスプレイ表示なども見る。わからないことや疑問があれば、販売店スタッフに聞いてみよう。
2.無段変速動作をチェック
2.無段変速動作をチェック
6速マニュアルモード付CVTは、エンジンをかけてブレーキを踏んだまま各ポジションに切り替えながら、セレクトレバーの操作具合をチェック。可能なら試乗して、無段変速動作およびアダプティブシフトコントロールASC機能(走行状況に応じて変速タイミングを自動調整する)をチェック。6速マニュアルモードの[+]シフトアップ・[-]シフトダウンも走行時にチェックしたい。
3.駆動モードもチェック
3.駆動モードもチェック
4WD車には、3モード駆動切り換えスイッチが付いている。[2WD]前輪駆動・[AUTO]前輪駆動から4輪駆動まで自動調整・[LOCK]低速走行時直結4輪駆動(車速によってAUTOとLOCKが切り替わる)の各動作も点検したい。
4.タイヤとホイールをチェック
4.タイヤとホイールをチェック
タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷やひび割れなどがないかチェック。接地面に異常摩耗を起こしていれば、不適切なエア圧やアライメント(ホイール取り付け角)の狂いも考えられるが、車体の歪みなどにも要注意。
アルミホイールは、傷や破損がないかチェック。リムの縁(タイヤと接している部分)の欠損や曲がりに注意。過度な衝撃を受けると生じることがある歪み(変形)や割れなどにも注意したい。
5.床下の様子も覗いて見る
5.床下の様子も覗いて見る
車体パネルや補強部材。カバー類、マフラー、ブラケットなどの部品類も、傷、曲がり、破損、修理/交換跡などがないかチェック。
油汚れ(オイルやグリスなどの漏れ)や水漏れ、樹脂やゴム部品の劣化・破損などにも注意。錆は、表面に浮いている程度なら心配ないといえるが、広がり範囲と腐食の進行状態を調べる。
6.足まわりの状態を確認
「クロスライダー」は、専用17インチアルミホイール+215/60Rタイヤを装備し、ローダウンサスペンションを組み込んでいる。サスペンションは、ダンパーの劣化やオイル漏れ、抜けなどに注意し、正常に機能するか確認。走りの機能としては、ブレーキも、パッドやブレーキ液などを点検し、ブレーキの効き具合を確認したい。
7.正しく点検・整備してもらう
「デュアリス」4WD車は、低中速トルクを向上させた2.0Lエンジン、6速マニュアルモード付CVT(「エクストレイル」で採用している4WDシステム(ALL MODE 4×4))を搭載している。
とりあえずは、点検整備記録と突き合わせて、オイル漏れなどにも注意しながらエンジンルーム内をチェック。せめて日常点検項目くらいは見ておきたいが、詳しい整備状況は販売店に聞いて確認しよう。いずれにしても異常や不具合を判断するのは難しい。車両の購入を決めるなら、エンジン、トランスミッション、4WDシステムはもちろん、ブレーキ、ステアリング、サスペンションなど、走行に関わる部分をすべてきちんと点検・整備して納車してもらうようにしよう。
■最初に車両の現状を確認する
中古車両の現物を見て「年式・仕様・グレード」を確認。標準装備の他に、メーカーオプション(新車時の注文装備)や後から加えた装備などが付いていないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初年度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●隣接している外板パネルの隙間が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか、修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの微妙な狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡があれば、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●ドアの開口部などにマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするためのカバーを粘着テープなどで留める)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があれば、マスキング跡。なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
●欧州市場向けに英国で開発した、軽快なコンパクトハッチバックとオンロードからオフロードまでこなせるSUVを合わせた“クロスオーバーSUV”。日本では、2007年5月に「デュアリス」を新発売。基本メカニズムは、2.0Lエンジン+6速マニュアルモード付CVT(無段変速機)に、駆動モード切り換え機構付4WDシステムを組み合わせる。仕様グレードは、スタンダード「20S」と上級「20G」の2タイプ。4WD「FOUR」とオンロード向けの2WD(FF前輪駆動)も設定している。
●2008年9月に、日産直系特装専門メーカー「オーテックジャパン」が「20S/20S FOUR」をベースに内外装をカスタマイズし、専用のローダウンサスペンションやタイヤを装備してオンロードでの走行安定性を高めたカスタムカー「クロスライダー」を発売。
その後、「デュアリス」は、2008年12月に仕様装備を一部変更、2009年9月には一部改良。「クロスライダー」も、ベース車にあわせて装備を若干変更しているが、基本的な仕様装備は継続している。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
20S FOUR | DBA-KNJ10 | CVT-6M | 4WD |
20S | DBA-KJ10 | CVT-6M | FF | 20G FOUR | DBA-KNJ10 | CVT-6M | 4WD | 20G | DBA-KJ10 | CVT-6M | FF |
特別仕様車
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
20G FOUR アーバンブラウンレザー | DBA-KNJ10 | CVT-6M | 4WD |
20G アーバンブラウンレザー | DBA-KJ10 | CVT-6M | FF |
オーテック カスタムカー
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
クロスライダー | DBA-KNJ10 | CVT-6M | 4WD |
DBA-KJ10 | CVT-6M | FF |