車検・点検・メンテナンス
更新日:2017.12.08 / 掲載日:2017.12.08
禁断のクルマ実験室 エアバッグでタイヤをふっ飛ばしてみる
エアバッグで重量物を飛ばしてみる
万一の衝突時にシートベルトの補助装置として乗員がクルマの内装にぶつからないようにするエアバッグ。その恩恵は説明するまでもないことが、どのくらいの反発力を持っているのか、物体を跳ね飛ばす実験を行ってみた。整備書では、エアバッグを廃棄するために展開する際は、タイヤを4本重ねてヒモで強固に接続し、その中で点火するよう指示されている。また、展開していないエアバッグを台に置くときは、「バッグ側を下にしない」という注意書きもある。これは展開して勢い良く飛んだときに、ケース側の金属部が人やモノにぶつかると非常に危険なためである。
まずやってみたのは、アルファ147の助手席エアバッグで重いものを飛ばすこと。内装の劣化によるものか、147のリッドはすでに半開きになっていて、外しやすくもなっていた。バッテリー端子を外し、エアバッグのコネクターを抜いてから本体を取り外し、車体側のコネクターは短く切って電源コードと接続。
※専用施設等において専門家の指導のもと取材しています。
容量の大きな助手席用を取り出す
助手席エアバッグのダッシュ側リッドが開いているので、もしかして展開したか外されているのか?と思ったが、単にリッド固定部の劣化だった。
異常爆発をしないよう祈りながら外す(その割には軽装だ)。警告灯が点灯。
ガッチリしたアルミハウジングに内蔵されていた
外したエアバッグは直方体のアルミケースに入っているが、裏側を見ると展開ガスを一気に発生するインフレーター部がある。
タイヤはトラック用で重さ20kg。遠隔から電源を入れる
トラック用タイヤは20kg。延長コードを作り、車両側のコネクターを繋いだ長い電源コードを準備。
不意の展開にそなえて、ヘルメットを装備して接続。タイヤの一方を飛ばして、回転させるセッティングとしている。
パーンッという爆音とともに、軽々とタイヤをふっ飛ばした!
パーンと展開!高速で押し上げられているので姿勢を斜めにしつつも、タイヤ全体が持ち上がっている。エアバッグ側の黄色のラベルが宙を舞い、エアバッグのケース時代も浮き上がっている。
展開後はゆっくり収縮。このガスは吸わないように注意し、持ち運びはゴミ袋に入れて密封する。
<実験結果>アルミハウジングが割れるくらいの大きな反発力を発生
展開後のエアバッグのケースを観察すると、バッグ側は長辺側が押し出されて変形しているほか、路面と接触していた側もパックリ割れて、擦りつけた跡も残っている。
これ自体が飛び上がるくらいなので、相当の衝撃が加わったのが分かる。
提供元:オートメカニック