車検・点検・メンテナンス
更新日:2026.03.18 / 掲載日:2018.08.29

車検は前倒しできる?保険や税金の扱い、メリット・デメリットを解説

車に乗っているうえで、避けて通れないのが車検の話題です。車検の時期が近づくと、多くの人がいつ頃車検を受けようか悩むと思います。

実は、車検は有効期限が切れる前であれば前倒しで受けることが可能です。この記事では、車検はどのくらい前倒しで受けられるのかや、前倒しによるメリット・デメリットを解説します。

1. 車検の前倒しはできるのか?

車検は有効期限が切れる前に受ける必要がありますが、必ずしも期限ギリギリに受ける必要はありません。自分の都合に合わせて、有効期限より前に車検を受けることが可能です。

(1) 有効期限より前なら半年、1年前でも前倒しできる

車検は、有効期限内であればいつでも受けることができます。有効期限の半年前でも1年前でも、車検を受けることは可能です。

(2) 一般的な車検のタイミングは「有効期限満了日の2ヶ月前」

車検を受けるタイミングとして、有効期限満了日の2ヶ月前が一般的とされています。2025年4月の道路運送車両法施行規則等の改正により、次回の満了日を早めることなく車検を受けられる期間が、従来の1ヶ月前から2ヶ月前へと延長されました。これに伴い、自賠責保険も2ヶ月前から更新可能です。

参照:来年4月より、車検を受けられる期間が延びます~ 年度末を避けて余裕をもって受検をお願いします ~|国土交通省

2. 車検を前倒しするメリット

車検を有効期限よりも前に受けることには、いくつかのメリットがあります。

(1) 車検切れのリスクを回避できる

車検の前倒しをすることで、車検切れを回避できるというメリットもあります。車検証の有効期限が切れた車は公道で走れません。しかし、仕事が忙しかったりうっかり忘れてしまったりして、有効期限が切れてしまうケースは少なからずあります。

仕事やプライベートに余裕のあるタイミングを活用して、車検を前倒しすることで、予期せぬトラブルによる車検切れを回避できます。

(2) 混雑時期を避けてスムーズに受けられる

混雑の時期を避けられるという点も、車検を前倒しするメリットです。車検は年末年始や年度末の3月に混み合うとされていますが、車検の有効期限がこれらの時期に重なる場合、予約が取れなかったり車検に時間がかかったりしてしまいます。

車検の前倒しによって、混雑する時期を避けられるとともに、次回以降の車検もスムーズに予約できるようになります。

(3) 相見積もりで価格・サービス内容を比較検討できる

車検を受けるとき、車検証の有効期限ギリギリではなくスケジュールに余裕を持たせておくことで、複数の業者から見積もりを取ることができます。車検の料金はもちろん、どのようなサービスを受けられるか比較検討して、自分にとって最適な業者を選択できます。

3. 車検を前倒しするデメリット

車検を前倒しすることには、いくつかのデメリットも存在します。

(1) 前倒しの分だけ車検費用が損になる

車検を「有効期限満了日の2ヶ月前」よりも前倒しして受けると、次回の満了日までの期間が短くなり、実質的な車検費用を損してしまいます。

例えば2027年10月が有効期限満了日だった場合、満了日の2ヶ月前から満了日までの間に車検を受ければ、次回の満了日は「2029年10月」となります。しかし、例えば2027年1月に車検を受けた場合、次回の満了日は「2029年1月」となるのです。

このように、車検の前倒しをするとその分だけ有効期限が早まり、実質的な負担が増えてしまいます。

(2) 重量税の二重払いが生じる

車検を前倒しすることで、自動車重量税の二重払いにつながる可能性があります。

自動車重量税は車の重量や用途、経過年数などに応じて課税される国税で、新規登録時や車検の際に、有効期間分をまとめて納付します。車検証の有効期間がまだ残っている段階で車検を受けると、すでに納付済みの期間と新しい期間が重複してしまい、その分だけ税金を余分に支払うことになります。

例えば車検証の有効期間が2027年10月1日に満了する予定で、7月1日に前倒しで車検を受けた場合、新しい車検の有効期間は2029年7月1日までです。そしてこのタイミングで、2027年7月1日から2029年7月1日までの重量税を支払うこととなります。前回の車検ですでに2027年10月1日までの税金を支払っているため、この約3ヶ月分が二重払いとなります。

なお、自動車重量税は還付の仕組みがないため、二重払いになっても重複分のお金が戻ってくることはありません。

(3) 自賠責保険料でも損が生じる

車検を前倒しすると、自賠責保険料でも損をしてしまう可能性がある点にも注意が必要です。

一般的に、車検を受けると次回の車検証の有効期間が満了する日までの期間で、自賠責保険に加入し直すことになります。しかし、車検を大幅に前倒しすると、次回の有効期間の満了日が本来よりも早まり、その分だけ保険料が無駄になるケースがあります。

例えば、本来の車検満了日が2027年10月であるにも関わらず2026年10月に車検を受けてしまうと、自賠責保険の有効期間は2028年10月までとなります。24ヶ月(2年)契約で保険に加入していた場合、実質1年分の保険料が無駄になってしまうのです。

自賠責保険は古い保険を解約することで還付金を得られますが、全額戻ってくるわけではない点にも注意してください。

4. 前倒しで車検を受けても損しない方法

車検を前倒しすると、次回の満了日が早まるため車検費用や税金、保険料を損してしまう可能性があります。しかし、特定の条件を満たすことで、こうした損をせずに車検を受けられます。

(1) 指定工場での「75日前ルール」を活用する

車検を前倒しで受けるときに知っておきたいのが、「指定工場における75日前ルール」の活用です。

車検を依頼できる自動車整備工場には、認証工場と指定工場があります。

認証工場とは地方運輸局長の認証を受けた工場で、車両の「点検」までを担当できます。指定工場とは、その中でさらに高度な設備や技術基準をクリアし、地方運輸局長から「指定自動車整備事業」の認可を得た工場です。指定工場は、車検の「全工程」を担当できるという特徴があります。

指定工場で車検を受ける場合、有効期限満了日の75日前(約2ヶ月半)から満了日までであれば、車検を受けても次回の満了日が変わりません。

この方法は、指定工場が発行する「保安基準適合証」の有効期間が15日間あることを利用したものです。保安基準適合証とは、指定工場での検査に合格したことを証明する書類です。新しい車検証が届くまでの間、本来の車検証の代わりとして使用できます。

75日前ルールは、この適合証の有効期限(15日間)を最大限に活用した方法です。書類上の更新手続き(車検証の発行)を、次回の満了日が引き継がれる期間に入るまで保留してもらうことで、有効期限を早めずに更新が可能となります。このルールを使う場合は、指定工場に事前に伝えておく必要があります。

(2) 早期予約の割引特典を活用する

75日ルールや車検証の満了日の2ヶ月前などを想定しつつ、予約だけ早めに済ませておくという方法もあります。予約枠だけを先に確保しておくことで、「早期予約割引」を受けられるケースがあるためです。

車検の早期予約割引をしている業者を探す場合は、全国の整備工場を検索できるグーネットピットが便利です。

5. 車検切れを起こしてしまった場合の対処法

車検の有効期間が切れたまま公道を走行することは、法律で禁止されています。万が一、車検切れになってしまった場合は、速やかに以下の対処法を検討しましょう。

(1) 仮ナンバーを発行する

車検切れの車を公道で走行させる必要がある場合は、一時的に「仮ナンバー(仮運行許可証)」を取得する必要があります。仮ナンバーは車検場への持ち込みや修理工場への移動など、限定的な用途でのみ発行されます。

仮ナンバーの有効期限は発行から3~5日程度で、取得には以下の書類を住んでいる地域の役所に提出することが必要です。

・自動車臨時運行許可申請書
・本人確認書類(運転免許証など)
・車検証(原本またはコピー)
・自賠責保険証明書(原本)
・印鑑

仮ナンバーは返却が義務付けられており、未返却の場合は罰則がある点に注意しましょう。

(2) 積載車を利用する

車検切れを起こした場合は公道を走行できなくなるため、車検を受けるためには何らかの方法で車を移動させる必要があります。その方法として考えられるのが、積載車や引き取りサービスの利用です。

積載車は車全体をトラックの荷台に載せるため、タイヤが道路に接地せず「走行」とみなされません。自分で積載車をレンタルするかロードサービス、車検対応の業者に依頼して運んでもらいましょう。自分でレンタルする場合は、持っている免許の種類に注意してください。

なお、レッカー車は車両の前輪か後輪のどちらかを持ち上げ、残りのタイヤを公道に接地させて移動させます。この接地したタイヤが回転する状況が「無車検車の走行」と解釈されるため、違反行為になる点に注意しましょう。

(3) 引き取りサービスに依頼する

車検を受け付けている事業者は、出張引き取りや納車サービスに対応している場合があります。こうしたサービスに依頼することで、業者が仮ナンバー取得や陸送を手配し、自宅などから車を回収して車検後に届けてくれます。

最も手間がかからず、車検の手続きを丸ごと任せられるため、忙しい人におすすめです。サービス内容や費用は業者によって異なるため、事前にサービス内容を確認しましょう。

(4) 中古車として売却する

車検切れを起こしてしまった場合、中古車として売却することも一つの選択肢です。車検が切れていても買取業者への売却は可能で、査定でもマイナスの要素にはなりません。新しい車への乗り換えを検討している人におすすめの方法です。

売却する場合は、仮ナンバーの取得や積載車の利用などで業者に持ち込むか、自宅まで査定に来てくれる業者を選びましょう。

6. 車検の前倒しに関してよくある質問

(1) 車検は期限ギリギリに受けた方が得ですか?

車検は有効期限満了日から数えて2ヶ月以内(指定工場の場合は75日以内)に受けることで、金銭的な負担をもっとも軽減できます。期限ギリギリに受けても問題はありませんが、急な用事やトラブルなどで車検を受けられなかった場合、その車を公道で走ることができなくなる点に注意が必要です。

車検を受ける場合、ある程度余裕を持ってスケジュールを調整しましょう。

(2) 車検を早めると損してしまうのは本当ですか?

車検を有効期限満了日の2ヶ月前や75日前よりもさらに前倒しすると、さまざまな費用や税金の「払い損」が発生します。

・自動車重量税:前回の車検で支払った重量税の残存期間分が無駄になる
・自賠責保険料:残存期間のある自賠責保険料が無駄になる可能性がある(還付金もあるが金額は少ない)
・車検費用:次回満了日が本来の満了日より早くなる

こうしたデメリットを避けたい場合は、有効期限満了日から2ヶ月以内か75日以内(指定工場で車検を受ける場合)の期間で車検を受けるようにしましょう。

(3) 車検証の有効期限を前倒ししたいのですが、どうすればいいですか?

車検証の有効期限を、現在より早い時期に任意で変更することはできません。ただし、車検を前倒しすることで満了日を変えることはできます。

車検の有効期限満了日の2ヶ月以上前(指定工場の場合は75日以上前)に車検を受けると、車検を受けた日から2年間(営業用車両の場合は1年間)が新しい有効期間となります。前倒しにすることでデメリットもありますが、満了日を変更したい人は検討してみてください。

7. 車検について相談したい人はグーネットピットをご活用ください

車検は前倒しで受けることが可能です。今回紹介したタイミングを上手に活用して、余裕を持って車検を受けるようにしましょう。

車検について相談できる専門業者を探している人は、ぜひ「グーネットピット」をご活用ください。全国の整備工場やカーショップの中から、レビュー評価を参考にしながら業者を探すことが可能です。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

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