車のタイヤが熱を持つ・熱ダレすることによる危険性とは

真夏のアスファルトは、裸足では歩けないほど高温になります。車のタイヤは、その高温になった道路を走り続けているため、摩擦熱も加わり条件次第では異常な熱を持ってしまうことがあります。そこで今回は、タイヤが異常な熱を持ってしまった場合や、熱ダレを起こしてしまった場合に考えられる危険性と対処法について解説します。

タイヤは通常、ある程度熱を持った方が、グリップ力が高まりタイヤの能力を最大限に発揮するように設計されています。ところが、なんらかの理由でタイヤの温度が上がり過ぎて想定以上の温度域に達してしまうと、グリップ力が急激に低下してしまいます。この状態を熱ダレと言います。

タイヤが異常に熱を持ったり、熱ダレを起こしたりする原因は主に2通り考えられます。まず、タイヤの空気圧が低い状態での高速走行です。空気圧が低くても、一般道を普通に走行するだけならタイヤが異常なほど熱を持ってしまうことはありませんが、高速道路を利用する場合は注意が必要です。次に急発進、急加速、急停車、急ハンドル、ドリフト走行などです。スポーツ走行を連続して行っていると、タイヤに摩擦熱がたまり、条件次第では熱ダレを起こす可能性があります。

空気圧が低い状態で高速走行を続けると、たわみやすいタイヤはスタンディングウェーブ現象を起こし、過熱状態が続くと、タイヤ内部が損傷してバーストにつながる可能性があります。タイヤへの高負荷が原因で熱ダレを起こした場合は、急にタイヤのグリップ力が失われるため、車がコントロールを失い、事故に発展する可能性があります。また、タイヤが熱ダレを起こしている状態でさらに高負荷な運転を続けると、タイヤのバーストにつながることも十分考えられます。

タイヤが異常に熱を持ち、運転していてグリップ力の低下を感じたら、決して無理をせずに、できるだけ早く日陰などに車を止めて、タイヤの温度を下げるようにしてください。ひどい熱ダレでなければ、タイヤを冷やせばグリップ力は回復します。急ぐ場合は、水をかけて冷却してもかまいません。急発進等を繰り返して、タイヤのトレッド面が熱で溶けてしまったり、青っぽく変色してしまった場合は、冷やしてもタイヤは元に戻りません。タイヤのトラブルには、空気圧が関係していることがよくあります。トラブルを避けるためにも、日ごろから空気圧をこまめにチェックしましょう。