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更新日:2022.10.18 / 掲載日:2022.08.30

トヨタ新型クラウンクロスオーバーの全て!フルモデルチェンジでSUV路線に変更した理由とは?

新型クラウンのすべて

【1】コンセプト&プロフィール
【2】エクステリア
【3】インテリア
【4】メカニズム&機能
【5】おすすめグレード/ライバル

かねてから噂されていた新型クラウンは、従来の王道セダンから路線変更。4つのモデルを展開する新世代ハイブリッドモデルシリーズとして登場することになった。まず最初に投入されるのは、SUVとセダンを融合させた「クロスオーバー」。その実力はどれほどのものだろうか?

●文:渡辺陽一郎 ●写真:澤田和久/トヨタ自動車(株)

TOYOTA 新型クラウン クロスオーバー
第一弾はクロスオーバーを発売
2022年秋頃に発売予定!

コンセプト&プロフィール

生き残るために
SUV路線へ方針転換
 今回登場した新型クラウンは、コンセプトからメカニズムまで、これまでの路線とは大幅に変更された。従来のクラウンは4ドアセダンだが、新型はクロスオーバー、スポーツ、エステート、セダンの4種類のモデルが展開される。そのうち、セダン以外はSUVの流れを汲んだもので、大径のタイヤを装着し、ややハイトなスタイリングでまとめられている。
 発売スケジュールは、秋頃にクロスオーバーを投入して、その後、約1年半を費やして残りの3タイプを順次追加するという。3タイプの発売時期や順番は公表されていない。
 開発者曰く、「クラウンは当初、従来型のマイナーチェンジを予定していたが、豊田章男社長の提案でフルモデルチェンジに変更した。2年半という短い期間で、クラウンクロスオーバーを開発している。従ってほかの3タイプは開発途中にある」。そんな理由もあってクロスオーバー以外の詳細は確定していない。
 そこで発売されたクラウン クロスオーバーを見ていきたい。メカニズムで最も注目される点は、従来のクラウンが後輪駆動と4WDを採用したのに対して、新型クラウンクロスオーバーは、前輪駆動をベースにした4WDになることだ。プラットフォームは、TNGAの考え方を踏襲するGA‐Kとされる。パワーユニットはハイブリッドのみで、直列4気筒2.5ℓと、2.4ℓターボをベースにした仕様が用意される。
 クラウンがセダンからSUVに変更された理由は、販売の低迷だ。クラウンは好景気だった1990年に、8代目を中心として20万8016台を登録した。1か月平均は約1万7300台で、2021年に当てはめると、国内販売の総合1位になったヤリスシリーズ(ヤリス+ヤリスクロス+GRヤリス)と同等だ。
 ところが2021年におけるクラウンの登録台数は、2万1411台(1か月平均は約1800台)、1990年の約10%に留まる。セダン離れが進み、高価格車の需要がアルファードやハリアーに移ったことがその理由。従来のクラウンオーナーの高齢化が進んだことも原因だろう。
全世界で年間20万台が目標
トヨタの新世界戦略車へ

 ちなみにほかの伝統あるトヨタのセダンは、コロナ(後のプレミオ)、マークⅡ(マークX)など、いずれも廃止されている。クラウンを残したのは、1955年に初代モデルを投入したトヨタの基幹車種になるからだ。特別な存在だから、ほかの車種と違って廃止はできず、売れ筋カテゴリーのSUVへの方向転換を選んだ。表現を変えると、好調に販売できる上級SUVを新開発して、そこにクラウンの車名を当てはめた。クラウンのフルモデルチェンジというより、車名を踏襲した新規車種だ。
 新しいクラウンは、従来とは違って海外でも積極的に売る。クラウン クロスオーバーの国内販売目標は1か月に3200台だが、今後登場する3車種も含めた世界販売台数は1年間に20万台(1か月平均は約1万7000台)を予定している。従来型のクラウンも海外で売られたが、その比率は販売総数の30%以下だった。つまり国内と海外の販売比率が今後は完全に逆転する。クラウンの車名を残すため、日本のユーザーに向き合ってきた貴重なセダンが、海外向けの商品に変わっていく。

クロスオーバーと今後登場するエステートは、ホイールベースが2850㎜。スポーツは2770㎜と短く、セダンは3000㎜と長い。注意したいのはセダンで、フロントピラーと前輪の間隔が、ほかのボディに比べて離れている。後輪駆動を連想させるスタイルで、セダンはパワーユニットや駆動システムが異なる可能性もある。
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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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