中古車購入
更新日:2015.02.06 / 掲載日:2007.02.09
日産 ウイングロード 中古車購入チェックポイント
日産 ウイングロード
中古車購入チェックポイント参考車両:ウイングロード 15RX CVT
初年度登録:2005年11月
■全体のチェックポイント
「道具」として使っているユーザーが大半なので、車体の細かい傷が目に付くことも多い。磨きで消える程度かどうか、調べよう。インテリアの汚れやシミ、傷、穴などもしっかりチェック。全体にきれいで、手入れがいいように見えても、点検整備を受けていない車両も少なからずある。定期点検整備記録を探ると同時に、各部の状態も実際に見て確かめよう。
1.車両の雰囲気から探る
やや離れた位置から、全体の様子を観察してみよう。
まずは外板パネルの隙間(立て付け)、塗装面の光沢や色むら、車両の傾きなど、外観各部に異常はないかをチェック。
前面は、ボンネット/グリル/バンパーの横線がずれていないか、左右対称になっているか、確認。ランプ類が片方だけ新しい場合は、交換した理由を詳しく探る必要がある。
車体表面は、斜め方向から透かして見ると、波跡(波打って見える板金修理跡)や、見落としやすい広くて浅い凹みなども見つけやすい。
部分的に艶や色調が違っている、ザラザラした肌荒れ状態になっているなど、塗装状態に不自然な箇所があれば、補修跡か、あるいは板金修理跡かもしれない。近寄って、調べてみよう。
2.細部の異常を見逃さない
2.細部の異常を見逃さない
後面も、前面と同様に、バンパー/テールゲート/コンビネーションランプ(リアライト)がずれていないか、チェック。
テールゲートを閉めた状態を見て、全体に隙間が違っていれば、ゲートのずれか、あるいは車体の歪みかを疑ってみる。右または左だけ、片側の隙間に異常があれば、その側を修理している。
ナンバープレートの歪み(変形)や傷、封印を外した痕跡があれば、リアゲートを修理、あるいは交換していることが疑える。
3.整備状態を確かめる
3.整備状態を確かめる
定期点検記録簿の記載内容と合わせて、消耗部品を中心にエンジンと周辺の部品をチェック。エンジンオイルのにじみや汚れ(オイル漏れの兆候)にも注意しよう。冷却水やオイルの量および汚れ、ブレーキやウォシャーの液量なども点検したい。
周囲と比べて新しく見える部品は、交換していることが疑える。事故などで交換したのか、故障や不良により交換したのか、点検整備記録を探ってみよう。
4.内側の鉄板を調べる
左右フェンダー内側のインナーパネルなど、エンジンルーム内各部の鉄板部を見てみよう。車両前部に大きなダメージを受けると、走行機能面に不具合が生じる。修理跡(溶接、シーラー、塗装の異常)ないか、歪みやしわなどはないか、チェック。
部品やネジなどに塗装の飛沫が付いている場合は、周辺に修理の跡がないか、探ってみよう。
エンジンルーム内の塗装色は、車体色と異なる点に注意。
5.ダメージを受けやすい部品
車体前部に損傷を受けると、修理あるいは交換する確率が高いラジエターコアサポート(エンジンルームのいちばん前で車体の左右に繋がっている部品)をチェック。ウイングロードは、樹脂カバーの下に金属板がある。固定ネジを脱着した跡(交換の形跡)がないか、確かめよう。フェンダーに繋がっている部分もチェック。樹脂製のカバーが新しい場合も、修理/交換のヒントになる。
6.交換は他からの影響を疑う
6.交換は他からの影響を疑う
外観のチェックで凹みや傷を確認したら、ボンネットを開いて内側に修理跡がないかも調べよう。
車体前部にダメージを負うと、ボンネット自を交換することもある。支えている金具(ヒンジ)部の固定ネジを脱着した形跡がないか、チェック。交換している疑いがあれば、他の部分から衝撃の影響を受けたことも考えられる。
7.ネジの脱着から推察する
7.ネジの脱着から推察する
フロントフェンダーは、ボンネットを開けて、固定しているネジを確かめよう。脱着した形跡があれば、修理のために交換している可能性がある。
傷や凹みを補修したり、交換していても、事故車(修復歴車)の扱いにはならないが、車体前部を広範囲に修理しているかもしれない。交換していなければ、大きなダメージは受けていないといえる。
ヘッドライトの取り付け状態にも、気を付けよう。
8.隙間と色調をチェック
8.隙間と色調をチェック
車体前部から側面にかけては、フェンダー、ドア、ピラー(フロントガラス左右の柱)、ボンネットなどが隣合わせになっている。それぞれの隙間の幅が均等になっていなければ、ダメージを受けているか、修理している可能性が高い。
外板パネルの隙間を境に、隣り合う塗装の色調も比べてみよう。補修や修理/交換をしていると、色艶が違って見えることがある。異常があれば、周辺を詳しく探って、理由を確かめよう。
9.一部だけでは断定できない
車体側面に大きな損傷を受けると、ドアを交換してしまうこともある。ドアのヒンジ(支えている金具)を固定しているネジを見てみよう。前後左右ドアの特定部だけネジの頭に傷が付いていれば、交換修理していることが疑える。
ただし、ドアの立て付けを調整するためにネジを回すこともあるので、ネジを脱着しているように見えても、必ずしもドアを交換しているとはいえない。周辺部も調べる必要がある。
10.後部側面修理のヒント
リアフェンダー周辺を修理した車両には、リアドアの開口部にマスキングした跡が残っていることもある。表面に「塗装の段差」がないか、チェック。マスキング跡を見つけたら、補修程度の場合もあるが、交換修理の可能性もあるので、ラゲッジルーム床下やテールゲート開口部などの状態も詳しく調べる必要がある。
フューエルリッド(給油口の蓋)は、リアフェンダーを板金修理するために外すことがある。取り付け状態も調べてみよう。
11.減り方でも推察できる
11.減り方でも推察できる
タイヤは、減り具合を、まず点検。残り溝の深さは1.6mm以上(スリップサイン)を目安にするが、減り方が違う場合があるので、4輪ともチェックしよう。
減り方も、調べてみよう。接地面を見て、一部が極端に減っている「偏摩耗」を見つけたら、アライメント(ホイールの取り付け角度)が狂っているだけなのか、あるいは車体が歪んでいるのかを確かめる必要がある。
偏摩耗は、車体前部のインナーパネルが変形して生じることもある。走行中にハンドルが片方に取られる場合も、車体にダメージを受けている疑いがある。
タイヤにも、車体の状態を知る手がかりがあるのだ。
12.車体後部のチェック
12.車体後部のチェック
テールゲートを開閉してみよう。スムーズにロックできない場合は、ゲートがずれているか、あるいは車体のほうが歪んでいることも考えられる。
左右のコンビネーションランプを見比べて、どちらかを交換している疑いがあれば、その側の周辺に修理跡などがないか、確かめよう。同様に、テールゲートの開閉を補助しているダンパーの取り付け状態も、車体側とテールゲート側の固定部をチェック。外した様子があれば、ダンパーを交換しただけか、取り付け部を修理していないか、確認。
13.取り付け部をチェック
13.取り付け部をチェック
テールゲートを支えている金具(ヒンジ)のネジの脱着は、テールゲート交換のヒントになる。また、ヒンジが接している車体部周辺に歪みなどはないか、手を加えた痕跡がないか、確かめよう。
14.鉄板の接合部を調べる
テールゲートを開けると、左右両側共に鉄板が横から回り込んで、接合されているのが見える。
溶接やシーラー、塗装の状態などを調べてみよう。異常があれば、修理していると考えられる。疑わしい場合は、車体の左右同じ場所を見比べると、判断しやすい。特にスポット溶接の状態に注意しよう。
コンビネーションランプの交換と同時に、その上下周辺にも気を付けよう。
後部から強い衝撃を受けると、キャビン(室内部)との接合部やルーフパネルの前部にまで波及することもある。修理箇所を見つけた場合は、バンパー、フェンダー、ピラー、ルーフなど、関連する部分も詳しく調べる必要がある。
15.荷室の床も開けてみる
15.荷室の床も開けてみる
スペアタイヤを外してみよう。大きなダメージを受けてできた歪みなどが底部に残っていることもある。
塗装状態が部分的に違う場合は、錆などの補修か、修理/交換跡か、確かめる。錆や泥の付着、水溜まりの跡などがあれば、水が浸入した原因を突きとめる必要がある。
防振シート(スペアタイヤの下や周囲の鉄板に貼ってある)を張り替えた形跡は、板金修理している疑いがある。
16.トラブルを察知する
16.トラブルを察知する
エンジンは、かかり具合、アイドリング、排気ガスの色をチェック。エンジンが暖まってからアクセルペダルを軽く煽ってみて、スムーズに回転が上下するかどうかも、試してみよう。
容易にエンジンがかからない場合は、バッテリーが弱っているだけならあまり問題ないが、エンジンの調整が必要かもしれない。アイドリングが安定しなかったり、回転中に異音や大きな振動が出ているようなら、トラブルを抱えている可能性がある。
17.作動と機能を確かめる
17.作動と機能を確かめる
装備類は、すべて操作して、作動状態をチェックしよう。まず、保安関係(ヘッドライト、テールランプ/ブレーキ/バック、ウインカーなど)を確認。さらに、エアコンやオーディオなども、試してみよう。パワーウインドウの開閉やルームランプの点灯なども、忘れないこと。電装機器や電動機構などは、スイッチを入れるだけでなく、操作して、正常に機能しているかを確かめることが大切だ。カーナビは、地図の発行時期も、確かめるといいだろう。
18.操作して不調を探る
18.操作して不調を探る
ATは、セレクトレバーを操作してチェック。
エンジンをかけて、ブレーキを踏んだまま、PからDへ、NからRへなど、各ポジションにレバーを動かして、切り替え時にショックがあるなどの異常がないか、試してみよう。
できれば試走して、ギヤが切り替わる時のショックが激しくないか、繋がるタイミングが長すぎないかも、確かめたい。
CVTは、基本的にDレンジでの変速はない。
19.室内後部も要チェック
19.室内後部も要チェック
インテリアは、運転席まわりだけでなく、後部シートやラゲッジルームも念入りに探ろう。
小さな子供が乗っていると、飲食物などをこぼした汚れや染みが残っていることもある。
犬を乗せていた車両は、マットの裏や溝などに毛が溜まっていたり、臭いがとれないことがある。
荷物を頻繁に出し入れしていると、ラゲッジスペース部分に傷を付けやすい。特に、樹脂部の傷に注意しよう。
20.床下の状態も探ってみる
20.床下の状態も探ってみる
鉄板部の変形や凹み、支え金具類の歪み、修理した痕跡、再塗装の跡などはないか、床下全体をチェック。フレーム(骨格)部やメンバー(角柱の形をした補強部材)の異常には、特に注意。
マフラーなどの床下の部品類に傷や凹み、交換した形跡がないかも、探ってみよう。オイルなど、液体の漏れにも、注意。
錆が発生している場合もあるが、表面に浮いている程度ならあまり問題ない。錆の場所と進行状態を把握しておこう。
■車両状態を知る手がかり
記録簿(メンテナンスノートなど)は、必ず記載内容をチェックしよう。過去にどのような整備を受けてきたのかがわかり、定期点検や消耗部品交換などの実施時期と、その時の走行距離を把握しておくと、車両各部の状態を探る参考になる。
また、車両や標準装備類はもちろん、純正オプションや後付けの社外製品が付いている場合も、それぞれの取扱(使用)説明書が揃っていることを確かめよう。
車両チェックの勘どころ
塗装
●部分的に色調や艶が違う場合には、周辺の状態もチェック。
●タイヤハウス(フェンダーのタイヤを覆っている部分)内に外装塗料が付着しているとか、メッキやゴム部品などに塗料の飛沫が付いているなどの場合も、周辺を詳しく確かめる必要がある。
●ドアの開口部などにマスキング(塗装スプレーが他の部分に広がらないようにするカバーを留める粘着テープを貼る)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があれば、何らかの理由で塗装していることがわかる。
取り付けネジ
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体まわりの部品を交換する時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれているのは、ネジを回している証拠だ。
●普通はネジの頭は塗装されているので、傷は比較的容易に確認できる。無塗装の場合は判断しにくいので、車体の左右を見比べるといい。
溶接とシーラー
●車体を構成する部品が溶接で固定されている部分は、シーラー(接合部の隙間を埋める充填材)が塗布されている。修理や交換で再溶接すると塗り直すので、不自然になっている。
●疑わしい場合は、爪で押してみよう。表面が硬くても内部が柔らかい(プチッと表面が割れる)ようなら、修理後に新しいシーラーを盛っている。
●シーラーは、盛り上がっていたり、窪んでいたり、横方向にヒダがあるなど、鉄板の接合状態やシーラーを塗布する方法によって形状が違っている。不自然に見える部分を見つけたら、車体の左右同じ場所を見比べて判断しよう。
●車体各部はスポット溶接されている(鉄板の接合部に小さな丸い窪みが並んでいる)部位も多いが、修理工場でスポットを打ち直している場合は、直径が5mm以下(新車時は5mm以上が普通)、窪みが深い、2度打ちしたずれなど、新車組み立て時の状態とは異なる特徴がある。
●電気スポット溶接の電極が入らない奥まった部分などは、炭酸ガスアーク溶接に代えることがあるので、スポット溶接の窪みがなくなっていることもある。
立て付け
●外板パネルなどを修理すると、組み付ける際に誤差が出ることがあり、それは、隣り合うパネルの隙間(チリ)を見ればわかる。隙間の幅が均等になっていなければ、修理している可能性が高い。
●バンパーなどは、押されてずれることがある。たとえ修理していなくても、隙間が合っていなければ、なんらかのダメージを受けている。
●モール類(フェンダーからドアにかけて線状に繋がっている飾りなど)やプレスライン(外板が折れ曲がっている角の線)がずれていることからも、立て付けに異常があることがわかる。
■今回の車両のプロフィール
●2005年11月から販売されている、3世代目にあたるウイングロード。エンジンは、1.5リッター(1498cc)と1.8リッター(1798cc)の2種。駆動方式は、FFが基本だが、1.5リッター車には後輪をモーターで駆動する電気式4WD(グレード名「FOUR」)がある。トランスミッションは、CVTと4AT。CVTには、6段切り替え機能を備えたCVT-6Mもある。
仕様グレードは、ベーシックな「RS」と、装備を充実させた上級グレードの「RX」の2タイプ。いずれも、アルミホイールやエアロパーツを標準装備した「エアロ」の設定がある。
「ライダー」は、オーテックジャパンがカスタマイズしている仕様で、ビレッドグリルを組み込んだ専用エアロパーツやローダウンスタイルが特徴。ジャージ柄の専用内装やスポーティサスペンション、16インチアルミホイールも備えている。また、ベージュ色の専用内装を備えた「アクシス」も発売されている。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
15RS | DBA-Y12 | 4AT | FF |
15RX | DBA-Y12 | CVT | FF | 18RX | DBA-JY12 | CVT-6M | FF | 15RX エアロ | DBA-Y12 | CVT | FF | 18RX エアロ | DBA-JY12 | CVT-6M | FF | 15RS FOUR | DBA-NY12 | 4AT | 4WD | 15RX FOUR | DBA-NY12 | 4AT | 4WD | 15RX FOUR エアロ | DBA-NY12 | 4AT | 4WD |
ライダー
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
15RX * | DBA-Y12 | CVT | FF |
18RX * | DBA-JY12 | CVT-6M | FF | 15RX FOUR * | DBA-NY12 | 4AT | 4WD |