車種別仕様・中古車評価・まとめ
更新日:2019.01.22 / 掲載日:2016.06.23

【気になる中古車試乗判定】ボルボ V40

ボルボ V40

2013年式 VOLVO V40

一般ユーザーが乗っている使用過程車をテストすることで、新車ではわからない実力をチェックするのがこのコーナー。売れ線中古車の本当のトコロを厳しい目線でインプレッション!果たしてその結果やいかに!?

文●竹岡圭、九島辰也、GooWORLD 写真●GooWORLD

今月の中古車は ボルボ V40

  • ボルボ V40

    今回の取材車はV40が登場した2013年モデル。中古車としてももっとも多く流通している年式で、価格的にも手頃感があってオススメできる。200万円を切る物件でも、走行距離は少ない傾向にある。

  • ボルボ V40

  • 各部の質感も高く装備充実 いまの基準でも十分な内容

    ボルボ V40 コックピット

  • 各部の質感も高く装備充実 いまの基準でも十分な内容

     カラー液晶パネルを採用したメーターは、「エレガンス」、「パフォーマンス」、「エコ」の3つのテーマを簡単な操作で切り替え可能。走行中にドライバーが運転に集中できるよう、ステアリングには多数の機能を集約。オーディオだけでなく、カーナビやブルートゥースもコントロールできる。

  • ショートワゴンスタイルで ひとも荷物も載せられる

    ボルボ V40 内装

  • ショートワゴンスタイルで ひとも荷物も載せられる

     従来のC30、S40、V50を1台に集約するコンセプトによって、コンパクトカーでありながら、ショートワゴンのようなパッケージングが与えられた。リヤシートは少々狭いが3人乗り。ラゲッジ容量は335~1032L。取材車両はレザーシートをオプション装備する上級グレードのSE。

  • 4気筒ターボエンジンは 年式によって内容が変化

    ボルボ V40 エンジン

  • 4気筒ターボエンジンは 年式によって内容が変化

     直噴技術を採用した直列4気筒1.6Lターボは180馬力を発生。トランスミッションは、デュアルクラッチ式の6速ATで、メリハリのあるスポーティなフィーリングを提供する。なお、2015年7月のマイナーチェンジでエンジンは2Lターボに、トランスミッションは8速ATへと進化している。

  • 自動ブレーキを始めとする 先進の安全装備を多数導入

    ボルボ V40 セーフティパッケージ

  • 自動ブレーキを始めとする 先進の安全装備を多数導入

     オプションの「セーフティパッケージ」には、いわゆる自動ブレーキである「シティセーフティ」をはじめとする、10種類もの先進安全装備を凝縮。コンパクトクラスを超えた安全へのこだわりに加え、世界初の歩行者用エアバッグといった、クルマと歩行者の共生を目指す内容にも注目が集まった。

ボルボ V40 試乗判定レビュー

自動車ジャーナリスト(竹岡 圭)

スイスイとV40を操り、試乗に出かけていった竹岡さん。小型というだけでなく、視界がよく運転がしやすいからこそ。斜め後方のみ死角が大きいが、それを補う装備が備わっている。

  • 自動車ジャーナリスト(竹岡 圭)

  • 女性にとっても人気の高いV40ということで、いつも以上に楽しそうに試乗と各部のチェックを行っていた竹岡さん。V40のスタイルのよさと実力の高さに改めて感心していました。

ボルボ久々のヒットとなったコンパクトカー

編集部●気になる中古車を実際に試乗することで、その実力をチェックしようというのがこのコーナー。今回は北欧スウェーデンのブランド、ボルボからV40の登場です。今回の取材車両は2013年モデルで、現行の初期型ですね。個人所有車で走行距離は3.5万km、ワンオーナーの中古車を購入してから2年目になるとのことです。

竹岡●V40は久しぶりにボルボが盛り上がったモデルだよね。装備が充実しているのに、価格が比較的安くておしゃれ。ボルボ自体、もともと安全神話でイメージはよかったけど、それに加えて世界初の歩行者用エアバッグとかも話題になった。

編集部●そうですね。世界的にもヒット作となったのは記憶に新しいです。では、まずはこのV40の概略についておさらいします。初代モデルはS40/V40として1995年から2004年まで発売、その後ワゴンは分離してV50へ進化し、2012年まで販売されました。そして現行モデルは、C30、S40、V50を統合する形となり、8年ぶりにV40の名前が復活しました。

竹岡●ショートワゴンって探すと意外にない。荷物がすごい積めるかというとそうでもないけど、それでも普通のハッチバックより便利。サイズ的にも男性だけでなく、女性でも自信を持って運転できるちょうどいい大きさなのよ。昔からボルボは女性に人気があったけど、ちょっと大きかったじゃない?だからV40が出て、喜んでる女性って結構多いと思うんだよね。

編集部●なるほど。先ほど竹岡さんも指摘されてましたけど、V40は装備が充実しているのも特徴です。とくに定評のある安全技術については、骨格部分の進化に加えて、自動ブレーキ、全車速追従機能付クルーズコントロール、車間警告機能、車線維持サポートなどを採用。これらは当初「セーフティパッケージ」というオプションでしたが、2013年11月には全車標準装備となりました。

竹岡●あと面白いのが、メーターのデザインをスポーティなのとかエコっぽいものとか3種類から選べるところ。見た目が変わるだけなんだけど、視覚に訴えてドライバーのマインドを変えるっていうのは面白いアイデア。新しいチャレンジが詰まったクルマだと思う。

自動車ジャーナリスト(竹岡 圭)

編集部●このV40を開発していたのは、ちょうどボルボ・カーズがフォードグループから中国資本へと売却されたころで、開発陣も存亡をかけて一丸となったという話を、ボルボの方から聞いたことがあります。

竹岡●力が入ってるわけね。

編集部●試乗の前に、搭載されているパワートレーンの説明だけさせてください。初期が1.6Lまたは2Lの4気筒ターボに、デュアルクラッチ式6速ATの組み合わせ。2015年の変更からは、2Lディーゼルターボ(D4)が追加され、ガソリン仕様はパワーの異なる2種類の2Lターボ(T3、T5)となりました。トランスミッションはT3が6速、それ以外には8速のトルコン式ATを組み合わせます。それでは、試乗をお願いします!

竹岡●了解!このクルマ、1.6Lでもエンジンはパワフルなのよね。それでは行ってきま~す。

編集部●竹岡さんが試乗から戻ってきました。いかがでしたか?

竹岡●うん、いいクルマだったよ!正直に言えば、2015年以降のモデルの方が、乗り心地もよくなったし、ミッションもデュアルクラッチから普通のトルコンATになったから、万人が乗りやすいとは思う。でも、今日取材した初期モデルは、言い換えればスポーティでパワフルな印象、それを分かっていて選ぶならアリだと思うな。

編集部●現行型は日本市場の声を受け、当初のダイナミックシャシーからツーリングシャシーに変更を受けています。ちなみに、中古車市場を調べると、今日と同じような仕様のもので200万円以下で探せます。

竹岡●それならお買い得なんじゃない?どのグレードでも装備が充実しているし。女性はもちろん男性にも似合うユニセックスなデザインだし、なにしろ乗ってるひとが賢そうに見える感じがするじゃない(笑)。

九島氏が大絶賛するV40の凄いところとは?

編集部●スケジュールの都合で今回の取材に参加できなかった九島さんからコメントを頂いています。それでは九島さんどうぞ!

九島●V40の中古車がもう100万円台で買えるんだって!?最高じゃないですか!だって、V40はすごいクルマだよ。走りもいいし、安全装備も充実してる。当時のボルボが志向したアグレッシブなスタイルは、いまの方向性とはちょっと異なるけど、そのテーマがコンパクトな車体においてもまったく破綻していない。あのボディサイズで見事にまとめ上げた手腕は素晴らしい!

V40 レビュー評価

ボルボ V40

人気自動車ジャーナリスト(と編集スタッフ)によるボルボ V40 レビュー評価をまとめます。

※各項目に対して10点満点評価。

自動車ジャーナリスト 竹岡 圭のコメント

自動車ジャーナリスト 竹岡 圭

同じ輸入車のなかでライバルがいるようでいない絶妙のサイズ感や装備の割りにお求め安いプライスも好印象。とくに安全性へのこだわりは流石です!

自動車ジャーナリスト 竹岡 圭
●人気TV番組「おぎやはぎの愛車遍歴」の進行役としてもお馴染みの、人気自動車ジャーナリスト。2016-2017 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

ポジショニング 10点

 スカンジナビアンデザインのCセグメントのオシャレな1台が、ボルボから久しぶりに登場!ということで、このクルマからボルボの世界に入った方も多いのでは?老若男女問わず対応できる懐の深いサイズ感とデザインで、多くの方がディーラーさんに押し寄せたというのも頷けるところ。価格的にお求め安かったのも魅力でしたね。

装備 10点

 安全装備には一家言あるボルボのこと、安全装備はテンコ盛り!ですよね。ドライバー&同乗者はもちろんのこと、歩行者にまで気遣った装備を盛り込んできていますから、これはもう言うことナシといったところでしょう。しかも、基本的な安全装備や快適装備はほぼ標準装備というところにも、メーカーの考え方が表れていると思います。

走り 8点

 初期の頃はダイナミックシャシーを採用しているので少々乗り心地が硬いんですよね。でもDrive-Eパワートレインは元気いっぱいですし、トランスミッションもDCTなので、ダイレクト感が高いですから、スポーティな走行を楽しみたいという方には、逆にねらい目かもしれません。乗り心地重視の方は2015年以降のツーリングシャシーがオススメです。

自動車ジャーナリスト 九島 辰也のコメント

自動車ジャーナリスト 九島 辰也

ボルボには安全を大切にする歴史があり、V40にもそれはしっかりと受け継がれています。伸びやかなラインを描くボディサイドのラインは美しいですね。

自動車ジャーナリスト 九島 辰也
●男性ファッション誌副編集長を経験するなど、ファッションにも造詣が深い自動車ジャーナリスト。プライベートでは、各国のクルマを乗り継ぐ。

ポジショニング 8点

 V40は、価格、サイズで言えばVWゴルフやメルセデス・ベンツのAクラスとともに輸入車のなかではエントリーに属するクルマ。それなのにクオリティとデザインは、ほかのライバルに対しても優れていると言えるでしょう。エントリークラスのなかでひときわキラリと光るものがあります。中古車となると、さらに価格的にお買い得になりますね!

装備 9点

 ボルボの特徴はライバルに対して装備が充実していることなのですが、V40もまさにそれに当てはまります。「セーフティパッケージ」は、当初こそオプションだったものの、すぐに標準装備になりました。ボルボに乗るユーザーにはボルボ基準の安全性が必要という、彼らの企業哲学が見えてきます。こういった姿勢は、ほかのメーカーも見習ってほしいですね。

走り 8点

 試乗したときに、「何でボルボがこんなに走りがいいんだ!」と驚きました。ハンドリングがよくて、走りに軽快感がある。後でその理由を調べてみると、「STCC」というスカンジナビア地域の国が参加するツーリングカー選手権に出場し、活躍している。ポールスターというチームがそれなのですが、その走りが市販車にもフィードバックされているんです。

GooWORLD編集部

新車価格がもともとそれほど高くなかったこともあり、高年式の中古車でも比較的手が出しやすいのも嬉しい。スタイル、走り、安全と三拍子揃った1台。

ポジショニング 9点

 輸入車に乗ったことのないひとでも知っているボルボというブランド力にまず魅力があります。さらに、従来エントリーモデルだったC30が3ドアだったのに対して、V40は5ドアというのも実用性が高く、ダウンサイザーも含めた幅広いユーザーからの支持を集めています。そして、使いやすいショートワゴンなのにカッコいいスタイルも人気の秘密です。

装備 10点

 ほとんどのモデルに自動ブレーキが備わっていること。さらに長距離運転での快適性を大幅に高めてくれる全車速対応クルーズコントロールも装備されていることは見逃せないポイント。ほかにも、ドアミラーの死角を補うBLISなどは、いざという時だけでなく、日常から「ヒヤリ、ハッと」を防いでくれる。その一方、カーナビの操作は慣れるまでに時間が必要。

走り 9点

 今回取材した車両は2013年モデルということで、引き締まったサスセッティング、ダイレクト感の強いデュアルクラッチ式トランスミッションを備えていました。欧州車らしいしっかり感のある乗り味ではありますが、ひとによってはもう少ししなやかさがほしいと思うかも。そういう場合には、2015年以降のモデルがオススメとなります。

ボルボ V40 DETAIL CHECK

ボルボ V40

2013年式ボルボ V40 T4 SE(6速AT・パワーシフト)

全長×全幅×全高4370×1785×1440mm
ホイールベース2645mm
車両重量1430kg
エンジン直4DOHCターボ
総排気量1595cc
最高出力180ps/5700rpm
最大トルク24.5kg m/1600-5000rpm
サスペンション前/後ストラット/マルチリンク
ブレーキ前後ディスク

中古車参考価格帯

170万円~400万円(2013年~2016年※全グレード)

モデル主要変遷

2013.02V40をフルモデルチェンジ←今回の中古車
2013.06一部改良
2013.12装備見直し・価格改定
2014.12一部改良
2015.07「D4」、「クロスカントリーD4」、「クロスカントリーT5 AWD SE」を追加
2015.08「T3」、「クロスカントリーT3」を追加

※ナンバープレートはハメ込み合成です。

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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