中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.21 / 掲載日:2015.07.31
トヨタ ハリアー ハイブリッド(2014年1月~)中古車購入チェックポイント
トヨタ ハリアー ハイブリッド (2014年1月~)
参考車両:プレミアム(DAA-AVU65W)
初度登録:2014年1月
追加装備:〈メーカーオプション〉車体色ホワイトパールクリスタルシャイン、レーダークルーズコントロール+インテリジェントクリアランスソナー+プリクラッシュセーフティシステム、アクセサリーコンセント(AC100V 1500W)、SDナビゲーションシステム&JBLプレミアムサウンドシステム〈ディーラーオプション〉専用フロアマット
全体のチェックポイント
走行機能にもダメージが及んでいないか確認する
1.外見の様子を観察する
1.外見の様子を観察する
まずは、外装に異常がないか探っていく。前面は、バンパー、グリル、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、先端部やフロントガラスの飛び石傷などにも注意する。
2.隣接部も同時にチェック
2.隣接部も同時にチェック
バンパーは、角や下部、グリル、フォグランプカバー、下側のスポイラー部やスパッツ(タイヤの前にある整流板)などに損傷がないかチェックし、立て付けも見る。上側のグリルカバーやヘッドランプもチェック。フェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁、奥のタイヤハウス内、内側にあるフェンダーライナー(泥よけ)などもチェック。
3.関連部の状態も調べる
3.関連部の状態も調べる
ドアは、外面だけでなく、内側も修理跡などがないかチェック。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジ部もチェック。同時に、車体側のピラー(柱)やサイドシル(梁)なども慎重にチェック。
4.車体の内側もチェック
ボンネットの内側やヒンジ部もチェック。エンジンルーム内はカバーで隠れている部分もあるが、フェンダーの内側に腐食(錆)や修理跡などがないかチェック。同時に、車体パネルもチェック。最前部にあるバルクヘッド(ラジエターサポート)および関連部品なども、異常がないか要チェック。
5.後部のチェック
後面も、バンパー、バックドア、コンビネーションランプ、フェンダー、ピラーなどの状態をチェック。下側のマフラーやエキゾーストパイプの損傷などにも注意。
バックドアは、開閉具合をチェック。全開状態で下がってこないかロッドダンパーの効き具合もチェック。バックドアの内側やヒンジ部もチェック。開口部も、溶接やシーラー、塗装状態などに注意しながらチェック。後方からの衝撃が波及することがあるルーフも、歪みなどがないかチェックする。
6.下側に要チェックポイント
車体側面下部は、サイドマッドガードに損傷や修理/交換跡などがないかチェック。サイドマッドガードで覆われているサイドシル(車体の梁)も、損傷、腐食、修理/交換跡などがないか必ずチェック。同様に、ステップ部(サイドシルの上側)もチェックする。
7.損傷の程度も確認する
ドア開口部は、乗り降りによる擦り傷や打ち傷、簡易補修跡などがないかチェック。マスキング跡があれば、なんらかの修理をしているので、周辺を詳しく調べて、損傷の程度と範囲を確かめる。
左リアフェンダーは、フューエルリッドおよび給油口周辺も修理跡などがないか見る。
8.タイヤとホイールをチェック
8.タイヤとホイールをチェック
「プレミアム」は、235/55Rタイヤ&18インチアルミホイールを標準装備。タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷や亀裂などがないかチェック。一部だけが極端に減る偏摩耗など異常摩耗を起こしていれば、サスペンション不良のほか、車体の歪みにも要注意。タイヤの状態によっては、車両安定制御VSCなどが正常に作動しなくなることにも注意したい。
アルミホイールは、塗装の傷みや剥がれ、縁石などに接触することがあるリムの縁(タイヤと接している部分)の欠損や曲がり、過度な衝撃を受けると生じる歪みや割れなどにも注意してチェックする。
9.床下も覗いてチェック
9.床下も覗いてチェック
車体パネルや補強部材、カバー/プロテクター類など車体部品。マフラーやサスペンションなどの部品類も、傷、歪み、曲がり、破損、修理/交換跡などがないかチェック。水漏れ・液漏れ・オイルやグリスなどの漏れ、樹脂やゴム部品の劣化・破損などにも注意。錆があれば、範囲と腐食の状態を調べる。
★損傷と修理/交換歴の有無を確認する
「ハリアー ハイブリッド」の車体は、SUVスタイルのステーションワゴン。エンジンルームにガソリンエンジン+フロントモーター+パワーコントロールユニット+ハイブリッドトランスアクスル+回生ブレーキ/電子制御ブレーキユニット。後席下に駆動用ニッケル水素バッテリー。その後ろの床下にE-Four(電気式4WD)用リアモーター。床下にはオレンジ色の高電圧ケーブルが通っている。助手席から駆動用バッテリーにかかるあたりの床下に燃料タンク。ラゲッジルーム下のアンダートレイ左側に補機用12Vバッテリーがある。
「プレミアム」は、フロントウインドウ上部に、[LDA]白線認識用カメラ、[AHB]カメラセンサー、[雨滴感応式ワイパー]光学センサー。参考車両には、オプションで装備したレーダーセンサー(フロントグリルカバーの後ろ)、フロントセンサー(フロントバンパー内)・バックセンサー(リアバンパー内)、バックガイドモニターカメラ(リアナンバープレートの上側)なども付いている。
衝突安全ボディや歩行者傷害軽減ボディなどもポイントといえるのだが、車体構造はともかく、走行機能にダメージが及んでいないか注意したい。車体の骨格部を事故修理している修復歴車ではなくても、損傷や修理/交換した箇所がないか販売店に聞いてみよう。
室内の状態と装備機器の機能動作をチェックする
1.隅まで細かくチェック
1.隅まで細かくチェック
室内は、汚れや傷、損壊などがないかチェック。ボックスやトレイなどは、内部も見る。シート表皮の染み、破れ。本革部分の擦れ、剥げ、亀裂。装飾パネル類の割れ、浮き。ボックスリッドやエアコンルーバーなどの可動部破損にも注意しながらチェックする。
2.ラゲッジスペースも調べる
後席周辺も、シートからドア、床、天井まわりまでチェック。6:4分割可倒式リアシートの折り畳みなども試してみる。後席座面下には駆動用バッテリーがあることにも注意。後部ラゲッジルームも、傷みがないかチェック。フロア下アンダートレイ周辺の状態も見る。
3.装備機能の作動を確認
ヘッドランプ、ウインカー、ワイパー、ドアミラー、テール/ブレーキ/バックランプなど保安装置。パワーウインドウ、ドアロック、室内ランプなど基本的な装備機器。電子キーによるドア解錠・施錠などもチェック。「プレミアム」は、パワーシートやパワーバックドアなど電動装備の具合も要確認。
フルオートエアコンは、自動調整や各調整・設定機能をチェック。走行制御との連携にも注意。
4.追加装備の機能も確認
参考車両は、SDナビゲーションシステム+JBLプレミアムサウンドシステムを追加装備している。ナビ機能やAV機能のほか、USB・Bluetooth・Wi-Fi接続、ESPO(エコドライブサポート)、バックガイドモニター、ステアリングスイッチなど、付随・連携する機能がすべて正常か確認したい。
★細部は販売店で調べてもらう
ハイブリッド車は、専用フルオートエアコン(湿度センサー・前席集中モード・自己温度制御PTCヒーター)を装備し、[エコドライブモード]では暖房/冷房の作動や風量を抑制する。「プレミアム」は、エアコンにナノイー(空気清浄イオン)発生機能を追加している。メーカーオプションのSDナビシステムは、バックガイドモニターなどを含むほか、エネルギーモニターなどをナビ画面にも表示する。装備によっては、ほかの機能と連携することにも注意したい。いずれにしても、車両の装備内容を販売店でまず確認する。装備機器類は、とりあえずわかるところだけでもチェックして、細部は販売店で点検してもらおう。特に電装機器に異常がないか確認したい。
ハイブリッド制御と走行機能の具合を必ず確認
1.システムを始動してみる
1.システムを始動してみる
ハイブリッドシステム始動時は、電子キーとパワースイッチの機能のほか、イモビライザーやステアリングロックなどもチェック。表示灯・警告灯、メーター・インジケーター・ディスプレイなどの表示も見る。可能なら試乗して、ハイブリッドやエコ運転の状況表示、走行機能の作動表示なども見てみたい。わからないことや疑問は、販売店スタッフに聞いてみよう。
2.運転支援機能もチェック
2.運転支援機能もチェック
走行系は、[P・R・N・D・S-+・ー]各レンジへのシフト具合をチェック。可能なら、無段変速制御や6速マニュアルモードシフトの機能動作をチェック。ハイブリッド制御や走行制御モード(エコドライブ[ECO MODE]・EVドライブ[EV MODE])のほか、S-VSC(ABS・VSC・TSC・EPSを協調制御)など車両安定性制御関連機能などの作動・制御具合もチェック。参考車両は、標準装備のLDAやAHB、追加装備している各種運転支援機能なども、正常に機能するか確認したい。
とはいっても、異常を判断するのはまず無理。走行機構各部は販売店で厳密に点検してもらおう。
★正しく点検・整備してもらう
★正しく点検・整備してもらう
ハイブリッド車は、2.5Lガソリンエンジン+ハイブリッドシステム・E-Fourシステム、6速マニュアルモード付電気式無段変速機、回生ブレーキ、ECB(電子制御ブレーキ)、EVドライブモード、車両接近装置、ばね上制振制御などを搭載。EBD付ABS&ブレーキアシスト、電気式パワーステアリングEPS、S-VSC、ヒルスタートアシストコントロールなどは全車に装備。「プレミアム」は、レーンデパーチャーアラートLDA(ステアリング制御付)やオートマチックハイビームAHBも標準装備。参考車両は、レーダークルーズコントロール(ブレーキ制御付)+インテリジェントクリアランスソナー+プリクラッシュセーフティシステムを追加装備している。
各機構の構造などはさておき、各機能に異常がないか確認したい。とりあえずエンジンルーム内だけでも見て、走行機構各部の整備状況を販売店に聞いてみる。車両の購入を決めるなら、すべてのシステムをきちんと点検・整備してもらうようにしよう。
■最初に車両の現状を確かめる
中古車両をチェックする際は、現物を見て「年式(登録年月日)・仕様・グレード」を確認。標準装備のほかに、メーカー/ディーラーオプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。走行機構の整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
今回の車両のプロフィール
●フルモデルチェンジして2013年12月に発売したZSU型「ハリアー」は、2.0Lエンジン・7速マニュアルモード付CVT・2WD(FF前輪駆動)/4WDを搭載。●2014年1月には、2.5Lガソリンエンジン+ハイブリッドシステム・E-Four(電気式4WDシステム)+6速マニュアルモード付電気式無段変速機を搭載したAVU型「ハリアー ハイブリッド」を発売。ハイブリッド車は専用装備を備えているが、グレードや装備の設定などはガソリン車とほぼ共通。「グランド」は、17インチアルミホイール(ガソリン車はスチールホイール)、時間調整式フロントワイパー、防眩インナーミラー、本革巻きステアリングホイール&シフトノブ、ファブリックシート表皮、オーディオレスなどが標準装備のベーシックタイプ。「エレガンス」は、足元照明付ドアミラー、上級ファブリック+合成皮革シート表皮、運転席パワーシート&電動ランバーサポートなどを標準装備した上級タイプ。「プレミアム」は、スーパークロムメタリック塗装18インチアルミホイール、クルーズコントロール、レーンディパーチャーアラートLDA、オートマチックハイビームAHB、雨滴感応式フロントワイパー、自動防眩インナーミラー、木目調本革巻ステアリングホイール、パワーバックドア、ナノイー機能付フルオートエアコンなども標準装備した最上級タイプ。パッケージオプション「アドバンスドパッケージ」は、プレミアムに、レーダークルーズコントロール、インテリジェントクリアランスソナー、プリクラッシュセーフティシステム、パノラミックビューモニター、足元照明・ヒーター・カメラ付ドアミラーなどを追加装備する。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
グランド | DAA-AVU65W | ECVT-6M | E-4WD |
エレガンス | DAA-AVU65W | ECVT-6M | E-4WD |
プレミアム * | DAA-AVU65W | ECVT-6M | E-4WD |
*:アドバンスドパッケージを設定 |