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更新日:2021.09.07 / 掲載日:2021.09.07

新型「メルセデスAMG EQS 53 4MATIC+」発表 AMG初の量産電気自動車

メルセデスAMG EQS 53 4MATIC+  セレナイトグレーマグノ、AMGナイトパッケージ

メルセデスAMG EQS 53 4MATIC+ セレナイトグレーマグノ、AMGナイトパッケージ

この記事の目次

 メルセデスAMGは現地時間9月5日、新型「EQS 53 4MATIC+」を発表した。最大560kWの出力を持つサルーンは、メルセデスAMG初の量産モデル電気自動車となる。

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新型メルセデスAMG EQS 53 4MATIC+

メルセデスAMG EQS 53 4MATIC+ 2

 新型メルセデスAMG EQS 53 4MATIC+の核となるのは、2つのモーターによるパフォーマンス志向のドライブコンセプト。前後のアクスルにそれぞれ1つのモーターを搭載したパワフルな電動パワートレインには、完全可変式のAMGパフォーマンス4MATIC+四輪駆動が搭載されており、あらゆる走行条件で駆動力を路面に伝達する。ベーシックバージョンでは、最高総出力484kW(658ps)、最大モータートルク950Nmを達成。オプションで用意されているAMG DYNAMIC PLUSパッケージでは、ブースト機能付きのRACE STARTモードで最高出力が560kW(761ps)にまで向上する。また、モーターの最大トルクは1020Nmにまで達する。

 この場合、新型メルセデスAMG EQS 53 4MATIC+は、バッテリーの充電量が80%以上の状態で、0-100km/hの加速は3.4秒。最高速度は、オプションパッケージを装着した場合、250km/hに制限される。ベーシックモデルのAMG EQSは、0-100km/h加速が3.8秒(バッテリー残量80%以上)。最高速度は220km/hとなる。

AMGらしい特徴的なエクステリアデザイン

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 AMG EQS 53 4MATIC+のエクステリアデザインは、AMGの特徴的な要素を取り入れ、オール電化時代に対応したものとなった。一本の弓状のラインとハッチバックのキャブフォワードデザインにより、一見して内燃機関を搭載した車両とは明確に区別される。DIGITAL LIGHTヘッドランプが標準装備されたフロントビュー、クロームでホットスタンプされた垂直支柱、一体化されたメルセデススターと “AMG “のレタリングを備えたAMG専用のブラックパネルグリル。この特徴的なデザインは、車両カラーで塗装されたフロントバンパーにも反映されている。その一方で、AMGの特徴であるAウィングデザインのフロントエプロンはハイグロスブラックで塗装され、クロームのトリムが施されている。

スポーティさを際立たせたインテリアデザイン

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 インテリアにも、スタイルを決定づけるAMGの特徴が活かされている。EQS 53 4MATIC+では、AMG独自のグラフィックが施されたAMGシートや、人工皮革にレッドステッチの効いた専用シートカバーを採用し、スポーティな雰囲気を演出。また、ナッパレザーを使用したシートもオプションで用意されており、同様にAMG専用のシートグラフィックが施される。

 さらに、インテリアの特徴的なスタイルを強調するものとして、AMGパフォーマンスステアリングホイール、AMGスポーツペダル、AMGフロアマット、”AMG “文字入りドアシルトリムなどがある。

インフォテインメントシステム「MBUX」にAMG専用機能とディスプレイを搭載したハイパースクリーン

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 メルセデスAMG EQS 53 4MATIC+には、革新的な「MBUXハイパースクリーン」が標準装備される。この大型の曲面スクリーンユニットは、AピラーからAピラーまで伸びており、ガラスカバーの下には3つのスクリーンが配置され、まるで1つに融合しているかのように見える。アダプティブ・ソフトウェアを採用したMBUXは、インフォテインメント、快適性、車両の様々な機能に対してパーソナライズされた提案を行う。ゼロレイヤーと呼ばれるこのシステムでは、最も重要なアプリケーションが、常に状況に応じて文脈に沿って最上位の視界内に表示される。欧州や中国では、運転中に助手席のディスプレイにダイナミックコンテンツを表示することも可能。そのため、映画、テキストメッセージ、プレゼンテーション、インターネットの閲覧などを自由に行うことができる。これはドライバーにコンテンツが見えないようにする、いわゆる「ブランキング機能」によって可能になっている。

 EQS 53 4MATIC+に搭載されたMBUXは、メルセデス-EQの姉妹モデルと比較して、スポーティなトップモデルを強調する様々な追加機能をもつ。特に、インストルメントクラスターの特徴的なディスプレイや、マルチメディアディスプレイ、ヘッドアップディスプレイなどがそれだ。AMG DYNAMIC SELECTのドライビングモードには、センターコンソールのダイレクトエントリーボタンで素早くアクセスすることができる。

107.8kWhの容量を持つ新世代バッテリーを搭載

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 新型メルセデスAMG EQS 53 4MATIC+には、最新のリチウムイオン技術を用いて製造された400Vの強力なバッテリーが搭載されている。コバルト含有量を10%まで削減し、ニッケル、コバルト、マンガンを8:1:1の割合で配合した最適な活物質を使用するなど、電池化学の分野でサステイナビリティを大幅に向上させている。

 この高電圧バッテリーの使用可能エネルギーは107.8kWh。技術的特徴として、高性能な容量に合わせたAMG専用の配線があり、またバッテリーマネージメントシステムもAMG専用に構成されている。ドライビングモードの「スポーツ」と「スポーツ+」ではパフォーマンスを、「コンフォート」では航続距離を重視。新世代のバッテリーは、これまでの開発に比べてエネルギー密度が大幅に向上していることが特徴と言える。また、充電容量も拡大しており、バッテリーマネジメントシステムのアップデートを無線で行うことができるのも新しい特徴だ。

完璧なドライビングパフォーマンスを実現するAMG専用電気モーター

 前後アクスルに搭載されているAMG専用の電気モーターは、永久磁石式同期モーター(PSM)。性能を重視したことは出力やトルクの値を見れば一目瞭然で、この電気モーターの特徴は、パワー、効率、ノイズの快適性を最適なバランスで実現していることだ。EQS 53 4MATIC+のリアアクスルに搭載されている電気モーターは、特にパワフル。

 これに加えて、弾力性の高いサーマルコンセプトにより、一貫して高いパフォーマンスで繰り返しの加速操作が可能になっている。

エネルギーを効率的に回収するインテリジェント・リカバリー

 新型メルセデスAMG EQS 53 4MATIC+は、加速時のダイナミックな動力伝達だけでなく、制動時の効率的なエネルギー回生によってもスタンダードを確立しており、回復出力は最大で300kW[1]になる。

 ドライバーは、ステアリングホイール上のスイッチで3段階に分けて回生量を調整できるほか、ECOアシスタントによる状況に応じたサポートを受けることができる。オプションのDRIVE PILOTを使えば、信号待ちなどで停車するまで、先行車を検知して自動的に減速する。

インテリジェントな熱管理による充電時間の短縮

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 新世代のバッテリーのもう一つの利点は、充電時間が大幅に短縮されたこと。姉妹車であるメルセデス-EQと同様に、バッテリーは直流の急速充電ステーションで最大200kWの充電が可能。この場合、わずか19分で最大300km(WLTP)分の電力を「補充」することができる[2]。また、日本では双方向充電も可能。

 効率的な熱管理も充電時間の短縮に一役買っている。エレクトリック・インテリジェンス搭載のインテリジェント・ナビゲーションを作動させると、走行中に必要に応じてバッテリーを予熱または冷却し、充電ポイントで急速充電に最適な温度になるようにしてくれるというもの。

メルセデス・ミー・チャージによる持続可能な電力利用

 Mercedes me Chargeでは、2021年以降、ヨーロッパ中のすべての公共充電ステーションで常にグリーン充電が可能になるそうだ。再生可能エネルギーによるグリーン電力が、Mercedes me Chargeで回収された分と同量だけ送電網へ供給。EQS 53 4MATIC+の購入後3年間は、Mercedes me Chargeの基本料金が無料となり、ユーザーにとっての「グリーン充電」が実現する。

 Mercedes me Chargeは、現在、欧州の20万カ所以上を含む31カ国に50万カ所以上の充電ポイントが存在する。また、メルセデス・ベンツが共同で設立した急速充電ネットワーク「IONITY」の336基の急速充電ステーションも含まれる。MBUX内では、Mercedes me Chargeの機能が拡張され、充電ステーションの空き状況をフィルタリングして予測する機能などが追加されるという。

エレクトリック・インテリジェンスによる予測的なルートプランニングと効率的な運転

 エレクトリック・インテリジェンスは、計算されたエネルギー使用など多数の要素に基づいて、充電ストップを含む、速くて快適なルートを計画。システムが地形やルート、走行速度、冷暖房の必要性など、関連するすべてのデータを計算に含め、渋滞やドライビングスタイルの変更などにも対応してくれる。

 さらに、予定ルート上の交通状況にも反応し、交通渋滞や道路閉鎖、使用エネルギーの変化などを記録。計算はクラウドからの情報を利用し、車載データと組み合わせられる。

完全可変式のAMGパフォーマンス4MATIC+オールホイールドライブ

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 バッテリーで駆動するモーターのパワーを路面に伝えるのが、標準装備のAMGパフォーマンス4MATIC+フルバリアブルオールウェイドライブシステムだ。このシステムは、走行状況に応じてフロントとリアのアクスル間で駆動トルクを連続的に配分。機械式の全輪駆動システムと比較して、格段に速いレスポンスを実現する。トルク配分は選択した走行モードによって異なり、”Comfort “モードでは最大の効率性を重視し、”Sport “および “Sport+”では、横方向のダイナミクスを高めるために、トルクをより後方に偏らせる。

AMG RIDE CONTROL+サスペンション

 新型メルセデスAMG EQS 53 4MATIC+のサスペンションは、EQSと同様に、フロントに4リンクアクスル、リアにマルチリンクアクスルを採用している。

 ドライビングダイナミクスに影響を与えるサスペンションコンポーネントは、AMG専用に新たに開発されたもの。例えば、リアアクスルビームの再開発だけでなく、サブフレーム、モーターマウントは新規開発され、AMGモデル専用となっている。また、改良された横方向のスタビライザーや、他のAMGパフォーマンスモデルから受け継いだホイールキャリアやコントロールアームも同様だ。

 サスペンションコントロールユニットは、各種センサーのデータを分析し、状況に応じて各ホイールの減衰力を数ミリ秒で調整。2つの調整バルブを使用することで、ダンパーはホイール振動の全範囲にわたって減衰力調整を行うことができる。また、特殊な設計のバルブにより、路面や走行状況の変化にも敏感に反応し、素早く減衰力を調整することが可能だ。

リアアクスルステアリングを標準装備

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 メルセデスAMG EQS 53 4MATIC+には、リアアクスルステアリングが標準装備されている。最大9度のステアリングアングルにより、大型サルーンのハンドリングを大幅に向上。旋回半径はコンパクトクラスのレベルにまで縮小されているという。

 時速60km以上になると後輪は前輪と同じ方向に操舵される。結果、ホイールベースが実質的に延長され、高速走行時の車線変更や急な回避行動の際に、操縦安定性と走行安全性が向上する。

5つの「AMG DYNAMIC SELECTドライビングモード」

 メルセデスAMG EQS 53 4MATIC+の走行特性は、状況や好みに応じてドライバーがボタン操作で変更することができる。これを可能にしているのが、5つのAMG DYNAMIC SELECTドライビングモード「スリッパリー」「コンフォート」「スポーツ」「スポーツ+」「インディビジュアル」だ。ドライビングモードは、高い快適性から際立ったスポーティさまで、幅広いスペクトルをカバー。ドライブとパフォーマンスの特性、サスペンションの設定、ステアリング、AMGダイナミックス、AMGサウンドエクスペリエンスなどの重要なパラメーターは、選択したドライビングモードに合わせて変更される。最大の駆動力は、Sport+ドライビングモード(またはキックダウン付き)で呼び出すことができる。

 また、AMG DYNAMIC SELECTのドライビングモードでは、基本的なサスペンションの設定を事前に選択することが可能。ボタンに触れるだけで、例えば「スポーツ+」モードでは最大限のダイナミクスを、「コンフォート」では滑らかなグライディングを実現するなど変化させることができる。さらに、専用ボタンを使って、走行モードとは別にチューニングを3段階で調整することが可能だ。

電気自動車でも不変のAMGサウンド

 電気自動車となってもAMGの車両のサウンドは変わらず、特殊なラウドスピーカー、シェイカー、サウンドジェネレーターを使用し、2つのバージョン”オーセンティック “と “パフォーマンス “で表現される。この専用のAMG SOUND EXPERIENCEは、ドライビングステータスや選択したドライビングモード、あるいはドライバーの希望に応じた音色と強さで内外に生成される。

バッテリーはアンダーボディの中で衝突保護:包括的な安全策

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 バッテリーはアンダーボディの衝突防止エリアに設置され、ボディシェル構造に組み込まれている。前面と側面にエネルギー吸収構造を備えた筐体と、剛性の高い二重壁のベースプレートが、モジュールをさらに保護するようになっている。

 メルセデス・ベンツでは広範囲にわたる衝突テストとコンポーネントテストが標準的な手順として行われており、バッテリーを最大限に保護することを重要視している。試験基準には、衝撃荷重や異物混入時のバッテリーの挙動などが含まれ、過熱や過充電も重要な試験項目となっている。

 さらに、独立した複数の安全システムによって温度、電圧、絶縁の監視が行われる。障害が発生した場合はバッテリーがオフになり、停車中(DC充電中)の衝突監視も標準装備されているという。


[1]この値は、充電によって電気自動車に供給される電力量。充電状態や温度など、最適な環境条件のもとで達成されるもので、異なる場合がある。
[2] 500アンペアのDC急速充電ステーションでの充電時間。充電時間の数値は暫定的なものであり、認証方法「WLTPテストプロシージャ」に基づいて社内で取得されたもの。TUVの確定した数値、EC型式認証、公式数値との適合証明書はまだない。記載されている数値と正式な数値が異なる場合がある。

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