車のエンタメ
更新日:2021.06.07 / 掲載日:2021.06.07

オプションカタログから見る“面白クルマ考” 『フェアレディZ(Z32)』編

 「そうそう、こんな装備あったよね。」「なんだこのアクセサリーは!?」
いわゆる販売店オプションカタログから、知られざる、名車・迷車の魅力を見ていこうというマニアックなこの企画。まずは、フェアレディZ(Z32)編をお届け。
●文:澤田真弘

Z32(前期) 1989年

こちらがZ32前期のカタログ。表紙の、赤と青の日産マークが懐かしい。アラーム付リモコンドアロックの赤外線が点線で表現されている所がシブい。

  • こちらはカタログに挟まっていた、販売店の価格表。日産プリンス埼玉とある。店頭渡しの現金価格で336万5000~445万円也。

Z32(後期) 1998年

文字がブルーグリーンに浮かび上がるリヤフィニッシャーも今は絶滅か。撥水ウインドゥシステムは世界初とのこと。

  • センタークラスターに装着する大理石調パネルは「インテリアに高級感を漂わせてくれます」。全車に装着可能。

  • N’FITナビゲーションシリーズは3年間保証。立体バードビューのザナヴィとスーパー3Dビューのクラリオンが用意されている。ソニーのCDオートチェンジャーは最大10枚収納。デッキのスペクトラムアナライザーも滋味深い。

32と33、34のマニアな情報をお届けしよう

 久しぶりに復活したオプションカタログのコーナー。今回はフェアレディZということなのだが、歴代モデルのうち当方の手持ち&集められた資料だと、平成に入ってからのものとなる。Z32(前期と後期)、Z33(前期)、Z34の4冊を紹介していく。それではZ32から見ていこう。

 Z32は1989年7月~2000年9月までの11年間、販売されていた息の長いモデル。何度か改良されているが、ほとんどが一部改良。初のマイナーチェンジをしたのが、発売した9年後の1998年10月である。

 まずZ32が発売された当時、1989年7月の初期のカタログを見て行こう。ざっと見て物珍しいのが「フレグランスユニット・アロマファイン」という香水のような良い匂いを出す装置。オーディオの1DINを犠牲にして、これを装着するシステム。もちろんオプションのCDデッキが装着できないデメリットもある。いったいどれだけ販売されたのか謎だが、同じZ32の後期では残念ながらカタログ落ち。自動車電話やCDチェンジャーなど、今となっては懐かしいオプションも掲載されている。シートカバーやフロアマットも種類は少ないが掲載。オーディオのオプションラインナップがほとんどないことや、まだカーナビが一般普及する前の物のため、少し寂しい感じもある。

 次は1998年10月にマイナーチェンジをしたZ32後期のオプションカタログ。このカタログで目新しいものはピットサインというメンテナンス時期お知らせ装置や、リヤコーナーセンサー、ドアミラー自動格納装置、大理石調パネル、キッキングプレート。ピットサインという謎のメンテナンスお知らせ装置は、ほかの日産車にも設定されていたいわば汎用品。Z32でどれくらい装着されたのかわからないが、小さな注意書きには「空きスペースがないため運転席正面下部への装着(横置き)となります。」と書かれている。

 フロントコーナーセンサーの設定が無いのにリヤにはオプション設定されていることを考えると、よほどリクエストがあったのであろうと想像がつく。ちなみに2シーターと2by2では品番が異なるので、恐らく配線の長さなどの設定が異なるのであろう。当時オプションパーツで「navan」というブランドを展開していたが、そのパーツもこのオプションカタログに紹介されている。ここではシフトノブのみの掲載。シートカバーやフロアマットの柄は前期から若干変更されているようである。

 このカタログではカーナビやオーディオも数機種掲載されるようになった。カーナビはクラリオンと日立系のザナヴィというブランドがあった。バードビューという、空飛ぶ鳥の視点でカーナビ画面が表示されるあのブランドだったザナヴィだが、後にクラリオンに吸収され解散となる。オーディオはまさに過渡期。CD、カセットの他にMDという選択肢も出て、どれを選ぼうか悩んでしまう。

提供元:オートメカニック

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