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更新日:2017.07.03 / 掲載日:2017.06.30

存在感がさらにアップ! ホンダ フィットがマイナーチェンジ

文と写真●ユニット・コンパス

 2001年に誕生して以来、コンパクトカーカテゴリの人気モデルにのし上がったのがホンダ フィットである。燃料タンクを車体フロアの下(多くのモデルは車体後方)にもってくるという「センタータンクレイアウト」を初めて導入したモデルでもあり、ボディサイズから想像する以上に室内が広いことが大きな特徴だった。以降2回のモデルチェンジが行われ、現行型は2013年に登場した3代目となる。そして今回、この3代目フィットがマイナーチェンジにより、さらなる魅力を備え、大きく進化したのだ。

グッとスポーティになったエクステリア

グレードは「ハイブリッドS ホンダセンシング」。

リヤバンパー形状も一新され、どっしりと安定感のあるスタイルとなった。

 今回の改良における見どころのひとつは、エクステリアデザインの大胆な変更である。新型のコンセプトは「Low wide Gravity」。バンパー、フロントグリルの形状が見直され、以前と比べるとより低重心かつ安定したフォルムとなった。ヘッドライトにはインラインタイプのLEDとラインLEDのポジションランプを組み合わせ、すっきりとした印象に。フォグライト形状も一新され、フロントマスクから受ける印象が大きく変わった。一部グレードを除き、LEDリヤコンビランプには導光チューブタイプが採用されたことで、全体の質感もアップ。また、上級グレードである「ハイブリッドS ホンダセンシング」と「RS ホンダセンシング」には、専用のフロント&リヤバンパーが与えられているのも新型の特徴だ。具体的には、前者では光沢のあるブラックにシルバーラインが与えられ、後者はブラック+オレンジラインでスポーティさをアピールしている。そのほか、ブラックドアミラー、サイドシルガーニッシュ、大型テールゲートスポイラー、新色の16インチアルミホイールを新採用し、スタンダードなフィットとは異なったワンランク上のプレミアム感を演出している。なお、ボディカラーは「ルージュアメジスト・メタリック」、「スカイライドブルー・メタリック」、「プレミアムアガットブラウン・パール」の3つの新色を加えた全12色から選べるようになった。

メーター類の視認性がアップしたインテリア

シートサイズもたっぷりしている。

 インテリアにも改良のメスが入った。まず、スピードメーターの色がホワイト基調に変更され、視認性が向上している。この恩恵で、メーター両サイドのディスプレイ表示の情報がドライバーに伝わりやすくなったことも見逃せないポイントだろう。またハイブリッドモデルのシフトセレクターレバーが落ち着きのあるダークトーンに変更されたほか、メーカーオプション設定の「ホンダ・インターナビ」にはタッチパネルが採用され、スマホのような感覚で操作ができるようになった。そのほか「ハイブリッドL ホンダセンシング」と「15XL ホンダセンシング」にはブラックのコンビシート&専用インテリアが与えられ、さらにメーカーオプションとして素材と色にこだわったプレミアムブラウン・インテリアも選べるようになっている。一方「ハイブリッドS ホンダセンシング」と「RS ホンダセンシング」は、エクステリアのアクセントカラーとコーディネートした仕立てとなっており、走りを感じさせるデザインに仕上げられている。

各部リファインで、すべてのエンジンの燃費が向上

ハイブリッド仕様ではJC08モード燃費37.2km/Lの燃費を実現。

 エンジンラインアップは、従来と同じく1.3L、1.5L、1.5Lハイブリッドの全3タイプ。最高出力やトルクの表記に変更はないものの、各部のリファインにより、すべてのエンジンで燃費が向上したことがトピックだろう。具体的な改良箇所のひとつ目は、吸気&排気カムシャフトの中空径が拡大され、軽量化が図られたこと。ふたつ目はエンジンブロックの軸間にスリットを入れることで、軸間の冷却性能が高められたこと。これによりノッキングを抑制し燃焼効率が向上した。最後は、ピストン表面の平滑面部を増加してフリクションを減らしたり、チェーンの材料特性を改善して摩擦係数を低減するなど、細部にわたる改良が実施されている。これらに加えハイブリッドモデルでは、インテークポートの高流動化、エキゾーストバルブの冷却効率の強化、燃焼室のコンパクト化など、専用の改良も実施されている。そのほか、Aピラー形状の変更やフロントバンパースポイラーの形状変更を行うことで、CD値が従来よりも1.5%向上。これらの改良の結果、JC08モード燃費(各エンジンの最大値)は1.3Lモデルが24.6km/L、1.5Lモデルが22.2km/L、ハイブリッドモデルが37.2km/Lと、クラストップレベルの低燃費を達成している。

ボディ剛性向上で走りがさらに良くなった

グレードは「ハイブリッドL ホンダセンシング」。

「ハイブリッドS ホンダセンシング」とは異なり、こちらはシンプルなバンパー形状となる。

 新型フィットはシャシーに関しても進化している。ボディ各部に補強材を追加し、剛性が高められた。具体的な箇所をいくつかピックアップすると、センターパネルロアーへのスティフナー追加、リヤダンパーベースやステアリングギヤボックスステーの板厚向上など、その数は10箇所近くにも及んでいる。またステアリングベアリングの剛性強化、ダンパーバルブの構造変更による減衰特性の最適化、ブレーキペダルへのリンク機構の追加などにより、ハンドリング性能、ブレーキングフィール、乗り心地のさらなる改良も図られた。静粛性に関しては、メルシート板厚を向上させるなど対策がなされたほか、「ハイブリッドS ホンダセンシング」ではボディ各部のシンサレートを厚くしたり、遮音ガラスが採用されている。これらの広範囲にわたる改良により、コンパクトカーながらもワンランク上の走りが味わえるようになった。

安全運転支援システム「ホンダセンシング」を導入

グレードはスポーティモデル「RS ホンダセンシング」。

リヤゲートの「RS」バッジが誇らしい。

  • 最近では珍しく、6速MTモデルも設定される。

  • 適切なペダルレイアウト。

 最後に安全面では、すでにホンダの最新ラインアップに導入される安全運転支援システム「ホンダセンシング」が、いよいよフィットにも搭載されることになった(一部グレードに標準装備)。これはミリ波レーダーと単眼カメラで車両前方の状況を認識し、未然に事故を防ぐシステムのこと。衝突軽減ブレーキ、誤発進抑制機能、路外逸脱抑制機能、アダプティブクルーズコントロールなど、全部で8つの機能がパッケージされ、より安全で安心のドライブが楽しめる。従来ならば上級モデルでしか享受できないような走り、快適性、安全性など、クルマの満足度に直結する性能が、我々の身近なクルマでもしっかり確保されたことは大いに歓迎したい。

【ホンダ フィット ハイブリッドS ホンダセンシング(7速AT)】
全長         3990mm
全幅         1695mm
全高         1525mm
ホイールベース    2530mm
重量         1080kg
エンジン       直列4気筒DOHC+モーター
総排気量       1496cc
エンジン最高出力   110ps/6000rpm
エンジン最大トルク  13.7kgm/5000rpm
モーター最高出力   29.5ps/1313-2000rpm
モーター最大トルク  16.3kgm/0-1313rpm
サスペンション前/後 ストラット/車軸式
ブレーキ前/後    Vディスク/ドラム
タイヤ前後      185/60R15
販売価格       142万8840円~236万7360円(全グレード)

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グーネットマガジン編集部

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